1.不良娘
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「きゃ、やだ!」
舞美は腕で体を隠すようにしてうずくまった。
「ヘンタイ!」
「……初めて言われたけど」
「な、南郷さん、はやく部屋貸して」
「あ、あぁ。とは言え、あっちには竜崎がいるし……。お、そうだ。トイレがある。こっちだ」
「あ、ありがとう」
パタパタと駆け込んでいくと、アカギが「変態……?」と呟いてから、また笑っているのが聞こえてきた。そこで、お手洗いの方から叫ぶ。
「いくらアカギでも、覗いたらイヤだからね」
「行かないから安心しなよ。それに、そもそも付いてきたのはあんたでしょ」
それはそうなんだけど、と言いながら、濡れたシャツを脱ぎ、新しい白シャツを羽織る。
パリッとした触感がありがたい。これで体も冷えずに済みそうだ。
着替え終わり出てくると、アカギが南郷から麻雀を教わっているところだったので、舞美もその隣に立って、その説明を聞くことにした。
しかし、その5分後、アカギは役などまだ何も知らない、ど素人以前の状態で麻雀を打つこととなる。部屋から出てきた竜崎を見て、舞美は不安になってきた。
「ねえ、大丈夫なの?」
「どうかな。案外やってみたらうまくいくかもしれないし」
アカギは澄んだ目をしてそう言い、麻雀牌を手で弄んだ。さっき初めて触ったばかりだというのに、その手さばきが既にらしくなっていて、舞美は驚きを隠せない。もしかしてだけど、この人、本当にやってくれるかも……!
「わたし、隣で見ていて良いかな」
「オレの隣? 南郷さんの横で見ていた方が見やすいんじゃない」
「ん……。でも、アカギの近くにいたいの」
「ふーん?」
すると急にアカギは顔を上げ、彼の手元を見ていた舞美と目を合わせた。
「東雲、オレに興味あるの?」
「興味? あるよ、だから追いかけたんだし」
舞美はアカギの顔を近くで見てしまったので、ドギマギしないよう気をつけながら答えた。ここでいう“興味”とは、どういう意味だろうかと考えながら。
「そう。じゃあ見てれば良いよ」
「ありがとう。顔に出さないようには気をつけるから心配しないで」
舞美は言いながら、アカギと一緒にいると退屈しなさそうだなと思い、対戦相手の竜崎をちらりと見た。竜崎がこちらをギロリと睨むので、舞美は大したことないといった顔をなんとか保ちながら、雀卓の方へ目を移した。
のちに——裏の麻雀界を震撼せしめる赤木しげる……これがそのはじまり、初めての麻雀。
1.不良娘〈完〉
舞美は腕で体を隠すようにしてうずくまった。
「ヘンタイ!」
「……初めて言われたけど」
「な、南郷さん、はやく部屋貸して」
「あ、あぁ。とは言え、あっちには竜崎がいるし……。お、そうだ。トイレがある。こっちだ」
「あ、ありがとう」
パタパタと駆け込んでいくと、アカギが「変態……?」と呟いてから、また笑っているのが聞こえてきた。そこで、お手洗いの方から叫ぶ。
「いくらアカギでも、覗いたらイヤだからね」
「行かないから安心しなよ。それに、そもそも付いてきたのはあんたでしょ」
それはそうなんだけど、と言いながら、濡れたシャツを脱ぎ、新しい白シャツを羽織る。
パリッとした触感がありがたい。これで体も冷えずに済みそうだ。
着替え終わり出てくると、アカギが南郷から麻雀を教わっているところだったので、舞美もその隣に立って、その説明を聞くことにした。
しかし、その5分後、アカギは役などまだ何も知らない、ど素人以前の状態で麻雀を打つこととなる。部屋から出てきた竜崎を見て、舞美は不安になってきた。
「ねえ、大丈夫なの?」
「どうかな。案外やってみたらうまくいくかもしれないし」
アカギは澄んだ目をしてそう言い、麻雀牌を手で弄んだ。さっき初めて触ったばかりだというのに、その手さばきが既にらしくなっていて、舞美は驚きを隠せない。もしかしてだけど、この人、本当にやってくれるかも……!
「わたし、隣で見ていて良いかな」
「オレの隣? 南郷さんの横で見ていた方が見やすいんじゃない」
「ん……。でも、アカギの近くにいたいの」
「ふーん?」
すると急にアカギは顔を上げ、彼の手元を見ていた舞美と目を合わせた。
「東雲、オレに興味あるの?」
「興味? あるよ、だから追いかけたんだし」
舞美はアカギの顔を近くで見てしまったので、ドギマギしないよう気をつけながら答えた。ここでいう“興味”とは、どういう意味だろうかと考えながら。
「そう。じゃあ見てれば良いよ」
「ありがとう。顔に出さないようには気をつけるから心配しないで」
舞美は言いながら、アカギと一緒にいると退屈しなさそうだなと思い、対戦相手の竜崎をちらりと見た。竜崎がこちらをギロリと睨むので、舞美は大したことないといった顔をなんとか保ちながら、雀卓の方へ目を移した。
のちに——裏の麻雀界を震撼せしめる赤木しげる……これがそのはじまり、初めての麻雀。
1.不良娘〈完〉