11.道連れ*
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「とりあえず、探そうか」
「何を?」
知らない街の歩き方を、舞美は知らなかった。不良が住み慣れた地元を離れるのは中々勇気のいることで、元不良娘の舞美はアカギにしがみつくように後ろを歩いていた。
「何って、ホテル」
「ほてる……」
なんだか色気の含んだ言い回しに、舞美はどぎまぎしないようにしながら反復する。
歩きながら、ついでにこの辺の道を覚えようとキョロキョロしているうち、とうとうアカギがその場所を見つけた。
「ここで良い?」
「うん」
とにかく2人は宿に到着した。綺麗目な感じで雰囲気も良い。アカギと旅に出て初めての夜に相応しい造り。
(……初めての夜? 初夜? ……なんて)
舞美はひとり含み笑いを漏らした。
***
泊まる手続きを終えたところで、軽く夕食をとることになった。アカギが酒を頼んだことを考えると、今夜は賭博も夜遊びもしないらしい。
舞美はその透き通った液体をじっと見つめた。
「なに、あんたも飲みたいの」
グラスを持ち上げたアカギに対して、親指と人差し指を近づけ、「少しだけ」と返答。
「あんた、酒弱い癖に」
「前よりは強くなったってば」
「ちょっと前、道端に倒れてたじゃない」
「あれは違うから」
「……なんだそれ」
言いながら、アカギはこちらにグラスを寄越した。
「ほら。飲みすぎんなよ」
「うん! ありがと」
舞美が酒を喉に通す。そこから先、お代わりをするのに時間はかからない。
「もう一杯」
「……あんた、酒の飲み方は知ってるんだよね」
「うん大丈夫」
「そう。なら良いけど」
嘘。
舞美は、文字通り酒を喉に通す方法くらいしか知らない。自分がどのくらい飲むと落ちるかなんて知らないし、そうなるまで飲み続けるだけだ。
だから。
ゆっくりとふわふわした気持ちになってきた時、舞美は頰を緩めるだけだった。
「へへ……」
「東雲、酔ってるの?」
「まだだってー」
「……そう」
***
空は暗く、部屋には男女が2人きり。
それも1人はほろ酔い状態。
そして2人は、一度口づけを交わしている。
おまけに、女は男にベタ惚れときている。
今夜、なにかが起こるのは必然だった。
「何を?」
知らない街の歩き方を、舞美は知らなかった。不良が住み慣れた地元を離れるのは中々勇気のいることで、元不良娘の舞美はアカギにしがみつくように後ろを歩いていた。
「何って、ホテル」
「ほてる……」
なんだか色気の含んだ言い回しに、舞美はどぎまぎしないようにしながら反復する。
歩きながら、ついでにこの辺の道を覚えようとキョロキョロしているうち、とうとうアカギがその場所を見つけた。
「ここで良い?」
「うん」
とにかく2人は宿に到着した。綺麗目な感じで雰囲気も良い。アカギと旅に出て初めての夜に相応しい造り。
(……初めての夜? 初夜? ……なんて)
舞美はひとり含み笑いを漏らした。
***
泊まる手続きを終えたところで、軽く夕食をとることになった。アカギが酒を頼んだことを考えると、今夜は賭博も夜遊びもしないらしい。
舞美はその透き通った液体をじっと見つめた。
「なに、あんたも飲みたいの」
グラスを持ち上げたアカギに対して、親指と人差し指を近づけ、「少しだけ」と返答。
「あんた、酒弱い癖に」
「前よりは強くなったってば」
「ちょっと前、道端に倒れてたじゃない」
「あれは違うから」
「……なんだそれ」
言いながら、アカギはこちらにグラスを寄越した。
「ほら。飲みすぎんなよ」
「うん! ありがと」
舞美が酒を喉に通す。そこから先、お代わりをするのに時間はかからない。
「もう一杯」
「……あんた、酒の飲み方は知ってるんだよね」
「うん大丈夫」
「そう。なら良いけど」
嘘。
舞美は、文字通り酒を喉に通す方法くらいしか知らない。自分がどのくらい飲むと落ちるかなんて知らないし、そうなるまで飲み続けるだけだ。
だから。
ゆっくりとふわふわした気持ちになってきた時、舞美は頰を緩めるだけだった。
「へへ……」
「東雲、酔ってるの?」
「まだだってー」
「……そう」
***
空は暗く、部屋には男女が2人きり。
それも1人はほろ酔い状態。
そして2人は、一度口づけを交わしている。
おまけに、女は男にベタ惚れときている。
今夜、なにかが起こるのは必然だった。