10.粋すじ
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「治」
「はい?」
「金貸せ」
「え?」
舞美もこれには驚く。アカギは金を持っていないようだ。
「……嫌なのか?」
アカギにそんな風に言われては、治も拒むことなどできない。そもそもそんな人間などいないだろう。彼は同性でさえも虜にするのだから。
「これで整った」
「……そうね」
仲井によると、闘う場所を変えるらしい。他の準備も整ったところで、アカギはようやく卓についた。舞美の知る限りでは、アカギはいつも負けそうなところから圧倒的な強さを見せつけるように逆転し、勝つといったパターンが多い。しかし、今回の勝負はそうでなかった。
「ツモ…!」
まずは起家のアカギが和了。2000オール。
その後も、
「タンヤオツモドラ1。2100オール」
「タンヤオ三色ドラ1。親マン12600」
と、早い巡目で堅い手をどんどんと和了っていく。その強さは見ていて気持ちが良く、爽快でもあった。余裕な感じもまたかっこいい。
が、途中から、その異変に舞美も気がつく。おそらく彼らは、通しをしている。……イカサマだ。しかし証拠もないし、相手のサインも分からないのだから、どうしようもない……。
(アカギは、こういう時どうするんだろう?)
もちろん、心配には及ばなかった。アカギには良い手が入っており、点数も削られない。
アカギは煙草を吸っていた。きっと、本当に余裕なんだろう。
(でも、なんで?)
……もしかしたら、既にサインを看破しているの?
舞美が疑問に思っていると、仲井も同じ考えに至ったのか、急に席を外した。
おそらくサインを変えに行ったのだと考えられる。そうまでしてアカギを討つことに専念するとは。普通に打っては敵わない、と自分を見限っているのだろう。
それでも、その上を行くのが赤木しげるだった。イカサマよりも早く和了れば良いだけの話。
それに。アカギはまたもや何かを理解しているようにも見える。
「ロン」
すぐに決着はつき、アカギは金を得る。
「行くよ、東雲」
「え、……うん」
治を振り返った舞美は、軽く手を振ってアカギの後を追う。と、その時。
「東雲さん、ちょっとよか」
仲井が呼び止めたのは、舞美だった。
「はい?」
「金貸せ」
「え?」
舞美もこれには驚く。アカギは金を持っていないようだ。
「……嫌なのか?」
アカギにそんな風に言われては、治も拒むことなどできない。そもそもそんな人間などいないだろう。彼は同性でさえも虜にするのだから。
「これで整った」
「……そうね」
仲井によると、闘う場所を変えるらしい。他の準備も整ったところで、アカギはようやく卓についた。舞美の知る限りでは、アカギはいつも負けそうなところから圧倒的な強さを見せつけるように逆転し、勝つといったパターンが多い。しかし、今回の勝負はそうでなかった。
「ツモ…!」
まずは起家のアカギが和了。2000オール。
その後も、
「タンヤオツモドラ1。2100オール」
「タンヤオ三色ドラ1。親マン12600」
と、早い巡目で堅い手をどんどんと和了っていく。その強さは見ていて気持ちが良く、爽快でもあった。余裕な感じもまたかっこいい。
が、途中から、その異変に舞美も気がつく。おそらく彼らは、通しをしている。……イカサマだ。しかし証拠もないし、相手のサインも分からないのだから、どうしようもない……。
(アカギは、こういう時どうするんだろう?)
もちろん、心配には及ばなかった。アカギには良い手が入っており、点数も削られない。
アカギは煙草を吸っていた。きっと、本当に余裕なんだろう。
(でも、なんで?)
……もしかしたら、既にサインを看破しているの?
舞美が疑問に思っていると、仲井も同じ考えに至ったのか、急に席を外した。
おそらくサインを変えに行ったのだと考えられる。そうまでしてアカギを討つことに専念するとは。普通に打っては敵わない、と自分を見限っているのだろう。
それでも、その上を行くのが赤木しげるだった。イカサマよりも早く和了れば良いだけの話。
それに。アカギはまたもや何かを理解しているようにも見える。
「ロン」
すぐに決着はつき、アカギは金を得る。
「行くよ、東雲」
「え、……うん」
治を振り返った舞美は、軽く手を振ってアカギの後を追う。と、その時。
「東雲さん、ちょっとよか」
仲井が呼び止めたのは、舞美だった。