9.単一性*
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「舞美」
「え、あっ⁈」
舞美、と名前で呼ばれ、彼女の鼓動はさらに速まる。それに合わせるかのように、舞美はさらに力強く抱きしめられた。
抱きしめられると、もちろん物理的な距離はゼロになるわけで。舞美の体は熱くなり、それと同時に、それとは違う、別の熱にも気がついた。
「あ……」
舞美は顔を真っ赤にする。
(アカギの、当たってる……)
アカギは間違いなく興奮していて、それでもどうにか抑えようと努力をしているのか、舞美に拒まれた片手は動きを止めている。
「ねえ、」
アカギが吐息混じりで舞美に囁きかける。
「な、に……」
振り向いてみれば、アカギは冷静な顔を装いつつも、少し上気した顔をしていた。
「手伝ってよ。」
舞美は面と向かって言われ、目を逸らした。
「な……なにを」
「フフ、分かってるくせに」
「……でも、手伝うって、どうやって」
アカギの反応を伺うと、その瞳はずっとこちらを見ていた。
「あんたは、オレとするの嫌……?」
「い、嫌——、」
舞美はアカギの切なそうな表情に動揺し、視線を泳がせる。
「——じゃない、けど」
「……けど?」
「ぁ、えっと、」
正直に言うと、アカギに抱かれたい。でも、それによって “都合のいい女” になってしまうことは恐い。
それでも良いとは言え、アカギに本気で惚れているのだから、少しでも可能性を潰したくない。
……でも、アカギを拒むのはもっと嫌だった。
すると、アカギは我慢がならなくなったのか、舞美の耳を甘噛みした。
「ひゃ」
「もう待てない。……手でも、いいから」
「手……?」
「うん、あんたの手、貸してよ」
彼の提案に、舞美はゆっくりと首を縦に振った。同時に拘束が解かれる。
アカギが「手でいい」と妥協したのは、わたしを大事にしたいから……?
なんて考えちゃダメかな?
希望的観測を抱きつつ、舞美はアカギと向き合って座った。
この時、舞美はアカギが急にこんな風になってしまった理由に、見当がついていた。
先ほどの料亭で、彼は久々の勝負に興奮してしまったのだろう。しかしその気持ちは、浦部との勝負がぬるかったせいで、行き先を失ってしまった。つまりアカギは満たされなかったのだ。
しかも、興奮により眠ることもできない。
そんな中、舞美が風呂から上がったものだから、アカギの熱は自動的に性欲へと昇華し、結果舞美にその矛先が向いたのだ。
……と、舞美はそう解釈した。
もし舞美がいなければ、アカギは店の女を乱暴に抱いていたかもしれない。そんなことを想像すると、舞美はアカギの “手伝い” ができることを嬉しく思った。
問題は、どうやってすれば良いのか、よくわからないこと。
アカギは、動かない舞美に言った。
「……触って」
「え、あっ⁈」
舞美、と名前で呼ばれ、彼女の鼓動はさらに速まる。それに合わせるかのように、舞美はさらに力強く抱きしめられた。
抱きしめられると、もちろん物理的な距離はゼロになるわけで。舞美の体は熱くなり、それと同時に、それとは違う、別の熱にも気がついた。
「あ……」
舞美は顔を真っ赤にする。
(アカギの、当たってる……)
アカギは間違いなく興奮していて、それでもどうにか抑えようと努力をしているのか、舞美に拒まれた片手は動きを止めている。
「ねえ、」
アカギが吐息混じりで舞美に囁きかける。
「な、に……」
振り向いてみれば、アカギは冷静な顔を装いつつも、少し上気した顔をしていた。
「手伝ってよ。」
舞美は面と向かって言われ、目を逸らした。
「な……なにを」
「フフ、分かってるくせに」
「……でも、手伝うって、どうやって」
アカギの反応を伺うと、その瞳はずっとこちらを見ていた。
「あんたは、オレとするの嫌……?」
「い、嫌——、」
舞美はアカギの切なそうな表情に動揺し、視線を泳がせる。
「——じゃない、けど」
「……けど?」
「ぁ、えっと、」
正直に言うと、アカギに抱かれたい。でも、それによって “都合のいい女” になってしまうことは恐い。
それでも良いとは言え、アカギに本気で惚れているのだから、少しでも可能性を潰したくない。
……でも、アカギを拒むのはもっと嫌だった。
すると、アカギは我慢がならなくなったのか、舞美の耳を甘噛みした。
「ひゃ」
「もう待てない。……手でも、いいから」
「手……?」
「うん、あんたの手、貸してよ」
彼の提案に、舞美はゆっくりと首を縦に振った。同時に拘束が解かれる。
アカギが「手でいい」と妥協したのは、わたしを大事にしたいから……?
なんて考えちゃダメかな?
希望的観測を抱きつつ、舞美はアカギと向き合って座った。
この時、舞美はアカギが急にこんな風になってしまった理由に、見当がついていた。
先ほどの料亭で、彼は久々の勝負に興奮してしまったのだろう。しかしその気持ちは、浦部との勝負がぬるかったせいで、行き先を失ってしまった。つまりアカギは満たされなかったのだ。
しかも、興奮により眠ることもできない。
そんな中、舞美が風呂から上がったものだから、アカギの熱は自動的に性欲へと昇華し、結果舞美にその矛先が向いたのだ。
……と、舞美はそう解釈した。
もし舞美がいなければ、アカギは店の女を乱暴に抱いていたかもしれない。そんなことを想像すると、舞美はアカギの “手伝い” ができることを嬉しく思った。
問題は、どうやってすれば良いのか、よくわからないこと。
アカギは、動かない舞美に言った。
「……触って」