9.単一性*
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「邪魔するぜ」
「どうぞ」
アカギがこうして再び舞美の家を訪ね、舞美は高まる気持ちを抑えられなくなる。
どうせなら、一晩と言わずもっと泊まっていけば良いのに。
舞美は上着を脱ぎながら、
「アカギ、先お風呂入る?」
と尋ねた。
しかしアカギからの返事はない。
「ねえ、どうする?」
再度聞くと、アカギは目を丸くしてから、「ああ」と頷いた。
「……あんた先良いよ」
アカギもぼうっとすることがあるのだと、舞美は密かに微笑む。
「わかった。布団、あそこに入ってるから眠たかったら寝てて」
舞美はシャワーを浴び、ホカホカの状態で居間に戻った。もちろん今夜はアカギがいるから、いつものように気を抜いたりできない。しっかりと服を着て、だらしない格好はしないように……。
(このお風呂の香り、アカギは気に入るかな)
戻ると、アカギは布団もひかずに、その場に座っていた。
舞美は少なからずびっくりする。
彼はじっとこちらを見ていた。
「……アカギ、お風呂空いたけど」
彼は特に反応せず、言葉を返さない。
どうかしたのか。
舞美は考えてから、顔を明るくした。
「そう、勝負で疲れてるのね。ごめん、気が利かなくて。すぐ布団ひくから、まってて」
押入れを開け、敷布団を引こうとその場にしゃがむ。すると後ろから足音もなく、急に抱きつかれた。
「え?」
アカギに抱きつかれていると判断するまで、少し時間がかかった。舞美は脳の処理が追いつかず、そのまま固まった。
「……違う」
耳元で聞こえた、低く掠れた男の声に舞美はどきりとする。
振り返り、横目でその表情を伺えば、アカギは今まで見たことのないような顔をしていた。
切なそうで苦しそうで、それから色っぽい。
「どうしたの……?」
アカギは舞美には答えず、両腕ですっぽりと舞美の身体を包んだまま、「悪い」と囁いた。舞美は顔を赤く染める。
「わ、悪くなんか……ないけど」
こんなアカギ、知らない。
弱っているの? それともなんなの。
しどろもどろで答えると、アカギはそのまま、舞美のシャツの中へ手を差し込んだ。
「あ、アカギ?」
突然のことに、舞美は混乱する。咄嗟に、シャツの隙間に入り込んだ、いたずらな彼の手を掴んで止めた。
すると、「ふ、」とアカギの荒い息が背後に聞こえた。
「足りねえ」
「え」
「東雲……」
(あ、アカギ……?)
突然雄になったアカギ。彼が今欲しがっているのは、紛れもなく舞美だけだ。
舞美は眉を下げ、熱を孕んだ彼の瞳を盗み見た。
「どうぞ」
アカギがこうして再び舞美の家を訪ね、舞美は高まる気持ちを抑えられなくなる。
どうせなら、一晩と言わずもっと泊まっていけば良いのに。
舞美は上着を脱ぎながら、
「アカギ、先お風呂入る?」
と尋ねた。
しかしアカギからの返事はない。
「ねえ、どうする?」
再度聞くと、アカギは目を丸くしてから、「ああ」と頷いた。
「……あんた先良いよ」
アカギもぼうっとすることがあるのだと、舞美は密かに微笑む。
「わかった。布団、あそこに入ってるから眠たかったら寝てて」
舞美はシャワーを浴び、ホカホカの状態で居間に戻った。もちろん今夜はアカギがいるから、いつものように気を抜いたりできない。しっかりと服を着て、だらしない格好はしないように……。
(このお風呂の香り、アカギは気に入るかな)
戻ると、アカギは布団もひかずに、その場に座っていた。
舞美は少なからずびっくりする。
彼はじっとこちらを見ていた。
「……アカギ、お風呂空いたけど」
彼は特に反応せず、言葉を返さない。
どうかしたのか。
舞美は考えてから、顔を明るくした。
「そう、勝負で疲れてるのね。ごめん、気が利かなくて。すぐ布団ひくから、まってて」
押入れを開け、敷布団を引こうとその場にしゃがむ。すると後ろから足音もなく、急に抱きつかれた。
「え?」
アカギに抱きつかれていると判断するまで、少し時間がかかった。舞美は脳の処理が追いつかず、そのまま固まった。
「……違う」
耳元で聞こえた、低く掠れた男の声に舞美はどきりとする。
振り返り、横目でその表情を伺えば、アカギは今まで見たことのないような顔をしていた。
切なそうで苦しそうで、それから色っぽい。
「どうしたの……?」
アカギは舞美には答えず、両腕ですっぽりと舞美の身体を包んだまま、「悪い」と囁いた。舞美は顔を赤く染める。
「わ、悪くなんか……ないけど」
こんなアカギ、知らない。
弱っているの? それともなんなの。
しどろもどろで答えると、アカギはそのまま、舞美のシャツの中へ手を差し込んだ。
「あ、アカギ?」
突然のことに、舞美は混乱する。咄嗟に、シャツの隙間に入り込んだ、いたずらな彼の手を掴んで止めた。
すると、「ふ、」とアカギの荒い息が背後に聞こえた。
「足りねえ」
「え」
「東雲……」
(あ、アカギ……?)
突然雄になったアカギ。彼が今欲しがっているのは、紛れもなく舞美だけだ。
舞美は眉を下げ、熱を孕んだ彼の瞳を盗み見た。