7.緊張感
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出ると、もう日が昇っていた。
舞美は明るい朝に目を細め、それからようやく夜が終わったことを認識する。アカギと共に一夜を過ごしきったのはこれが初めて。そう考えると、なんだか気分が良くなってきた。彼女の中で、アカギはすぐに消えてしまうイメージがあったから。
(でも、まだアカギは目の前にいる)
信じられないほど、嬉しい。
———————————————————————————
「これ、僕の……?」
治は茶封筒をアカギから渡され、困惑する。どうやら治の給料袋のようだ。
「え?」
「おまえの取り分だよ。おまえの手牌を利用して儲けたんだ。使用料」
なんだかんだ、アカギは面倒見が良い。舞美は彼の隣をキープしながら、ふふふと笑った。
「じゃあな」
ちらりと舞美を見、アカギは治に別れを告げた。舞美はトコトコとアカギに続く。
「どこ行くんですか」
「辞めるんだよ」
「ええっ? ちょっと待ってください」
なんと、治はまだアカギについてくるようだ。
舞美はアカギと2人きりになれず顔をしかめた。でも、この治とやらも悪いやつではなさそうだ……うん、好青年であることは認めよう。
「あのー……結局、東雲さん? とは、どういう関係なんですか?」
「ああ。別に、東雲とオレの関係に名前なんてついてねえよ」
いつの間に呼び名が“舞美”から“東雲”に変わっている。
今は2人きりじゃないからだろうか? それとも、まだ舞美の苗字が変わってないと気がつき、“舞美”と呼ぶ必要が無くなったからだろうか。
「というと?」
アカギは舞美の肩にぽんと手を置いた。
驚いて彼の顔を見上げた舞美は、不覚にも彼との身長差にときめく。
明るい場所でこうして見ると、アカギの格好良さが一際目立つ。舞美の大好きな白い髪、それから高い身長に、長い足。
切れ長な目元はゆっくりとこちらを見つめ、形の良い唇からは色気を孕んだ低めの声が生み出される。
「ああ、そうだな」
舞美は思わず喉を鳴らし、アカギの瞳だけをじっと見つめた。
彼は自慢げに、喜ばしげに、それから少しだけ冗談ぽく、こう言った。
「東雲は、オレの初恋相手」
7.緊張感〈完〉
舞美は明るい朝に目を細め、それからようやく夜が終わったことを認識する。アカギと共に一夜を過ごしきったのはこれが初めて。そう考えると、なんだか気分が良くなってきた。彼女の中で、アカギはすぐに消えてしまうイメージがあったから。
(でも、まだアカギは目の前にいる)
信じられないほど、嬉しい。
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「これ、僕の……?」
治は茶封筒をアカギから渡され、困惑する。どうやら治の給料袋のようだ。
「え?」
「おまえの取り分だよ。おまえの手牌を利用して儲けたんだ。使用料」
なんだかんだ、アカギは面倒見が良い。舞美は彼の隣をキープしながら、ふふふと笑った。
「じゃあな」
ちらりと舞美を見、アカギは治に別れを告げた。舞美はトコトコとアカギに続く。
「どこ行くんですか」
「辞めるんだよ」
「ええっ? ちょっと待ってください」
なんと、治はまだアカギについてくるようだ。
舞美はアカギと2人きりになれず顔をしかめた。でも、この治とやらも悪いやつではなさそうだ……うん、好青年であることは認めよう。
「あのー……結局、東雲さん? とは、どういう関係なんですか?」
「ああ。別に、東雲とオレの関係に名前なんてついてねえよ」
いつの間に呼び名が“舞美”から“東雲”に変わっている。
今は2人きりじゃないからだろうか? それとも、まだ舞美の苗字が変わってないと気がつき、“舞美”と呼ぶ必要が無くなったからだろうか。
「というと?」
アカギは舞美の肩にぽんと手を置いた。
驚いて彼の顔を見上げた舞美は、不覚にも彼との身長差にときめく。
明るい場所でこうして見ると、アカギの格好良さが一際目立つ。舞美の大好きな白い髪、それから高い身長に、長い足。
切れ長な目元はゆっくりとこちらを見つめ、形の良い唇からは色気を孕んだ低めの声が生み出される。
「ああ、そうだな」
舞美は思わず喉を鳴らし、アカギの瞳だけをじっと見つめた。
彼は自慢げに、喜ばしげに、それから少しだけ冗談ぽく、こう言った。
「東雲は、オレの初恋相手」
7.緊張感〈完〉