7.緊張感
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「言い当てた……! 牌も開かない状態でシャンテン数を言い当てちまった」
「こりゃ、なかなか面白い」
騒ぐ男たちに対し、平山は笑みを浮かべたまま余裕そうだ。それどころか、何も驚くことじゃない、と言う。
舞美は眉をひそめた。そんなことってある?
「タネは単純です」
平山は、アカギがシャンテン数を3と当たりを付けることは確率的にも正しく、この並びであれば6.7割は3シャンテンが出るのだと言った。つまりアカギは直感でなく計算でこれを導いたのだと。
「確率に疎い奴らを煙に巻くことはできても、オレには効かねえよ、赤木さん」
ニヤリと笑ったニセアカギに対し、アカギは煙草を手に持ったまま「ククク……」と笑った。
舞美はその笑い声にぞくりとする。
横目で平山を見下ろすアカギは、舞美に微かな色情を抱かせた。
「なるほど…凡夫だ…」
舞美はアカギから目が離せない。気がつけば、こうして彼の瞳に見とれている。
「的が外れてやがる…」
「なに…⁉︎」
ではあくまで直感だというのか。
その疑問には答えず、「さぁな」とだけ言い、アカギは舞美の方を見たかと思うと、なんと部屋を出て行こうとした。
「ちょ、ちょっと……」
あまりに早いでしょう、せっかく再会したのに!
そう思って腰を浮かしかけると、舞美の代わりに平山がアカギを引き留めた。
「証明してみせろ……!」
ぱたっとアカギが動きを止める。
やっぱり、彼を引きとめるには勝負しかないのかもしれない。
「この10牌に3牌を加えて、4シャンテンを作ってみろ」
ただし使うのはこの9牌——
平山は自分の得意とする確率でアカギを沈めにかかった。舞美は少し不安になる。いくらアカギと言えども、そこまでできるのか。
厳密に計算すると約2.38%の確率だ。
もしそんなことができるなら、彼に恐いものなどありはしないだろう。
「まさに敗北という谷にかかった綱……」
アカギは顔をこちらへ向け、ゆっくりと卓の反対側に座った。平山の後ろにいる舞美は、アカギとの距離に心を躍らせながらも、この先どうなるのか気になって仕方がない。
彼は表情を崩さず、むしろ微笑をたたえていた。
「面白い………渡ってみせよう その綱………」
「こりゃ、なかなか面白い」
騒ぐ男たちに対し、平山は笑みを浮かべたまま余裕そうだ。それどころか、何も驚くことじゃない、と言う。
舞美は眉をひそめた。そんなことってある?
「タネは単純です」
平山は、アカギがシャンテン数を3と当たりを付けることは確率的にも正しく、この並びであれば6.7割は3シャンテンが出るのだと言った。つまりアカギは直感でなく計算でこれを導いたのだと。
「確率に疎い奴らを煙に巻くことはできても、オレには効かねえよ、赤木さん」
ニヤリと笑ったニセアカギに対し、アカギは煙草を手に持ったまま「ククク……」と笑った。
舞美はその笑い声にぞくりとする。
横目で平山を見下ろすアカギは、舞美に微かな色情を抱かせた。
「なるほど…凡夫だ…」
舞美はアカギから目が離せない。気がつけば、こうして彼の瞳に見とれている。
「的が外れてやがる…」
「なに…⁉︎」
ではあくまで直感だというのか。
その疑問には答えず、「さぁな」とだけ言い、アカギは舞美の方を見たかと思うと、なんと部屋を出て行こうとした。
「ちょ、ちょっと……」
あまりに早いでしょう、せっかく再会したのに!
そう思って腰を浮かしかけると、舞美の代わりに平山がアカギを引き留めた。
「証明してみせろ……!」
ぱたっとアカギが動きを止める。
やっぱり、彼を引きとめるには勝負しかないのかもしれない。
「この10牌に3牌を加えて、4シャンテンを作ってみろ」
ただし使うのはこの9牌——
平山は自分の得意とする確率でアカギを沈めにかかった。舞美は少し不安になる。いくらアカギと言えども、そこまでできるのか。
厳密に計算すると約2.38%の確率だ。
もしそんなことができるなら、彼に恐いものなどありはしないだろう。
「まさに敗北という谷にかかった綱……」
アカギは顔をこちらへ向け、ゆっくりと卓の反対側に座った。平山の後ろにいる舞美は、アカギとの距離に心を躍らせながらも、この先どうなるのか気になって仕方がない。
彼は表情を崩さず、むしろ微笑をたたえていた。
「面白い………渡ってみせよう その綱………」