6.真と偽
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その日の夕方、舞美は安岡と平山と共に、川田組の屋敷でアカギを待った。
組長がいる部屋の隣で、舞美はごくりと喉を鳴らす。アカギは一体、どんな風貌をしているだろう。かっこよくなってる? それとも……。
13歳のアカギを思い出して、舞美は冷や汗をかいた。しまった。
そう言えばあの日、彼から逃げたんじゃなかったっけ?
……ああ、そうだ。別れが嫌で、アカギに一方的に抱きついてから、走って逃げたんだった。そしてそれがアカギとの最後の日になってしまっている。
どうしよう、どんな顔をしてアカギに会えば良いのか分からない。アカギはあの日のことを、どう思っているのだろうか?
今更になってぐるぐる考えていると、安岡が「来たみたいだ」と耳打ちしてきた。もう部屋にいるらしい。
舞美は考えるのをやめ、こくりと頷く。アカギの声は……あまり聞こえない。
そしてとうとう、アカギと平山を対面させるため、安岡は仕切りである襖を開け、中に入った。
「失礼します」
「安岡さん!」
聞き覚えのある声がする。
ニセアカギ改め平山も安岡に続く。
特にアカギの声や反応は感じられない。
そして最後に、舞美もアカギに会いに、中に入った。
まず目の前にいたのは、
「な、南郷さん⁉︎」
彼はあまり変わっていない。
「と、——」
舞美が釘付けになったのは、南郷の後ろに気だるそうに座っている、白髪の青年。工場かなにかの作業服を着ているらしい。舞美はその美形に惚れ惚れとした。彼は鋭い目でこちらを見ている。
「アカギ……だ」
舞美は彼を凝視したまま、呟いた。だって、見れば見るほど、それは成長した赤木しげるそのものだったから。
それに、なんていうか、あの時より色っぽくなってて、もっと格好良くなってる。
舞美が彼を見つめていると——ああ、なんということだろう——アカギはゆっくりと、首をかしげ、不思議そうに舞美を見た。
その突然の行動に、舞美は大きなショックを受ける。
(アカギ、わたしのこと忘れちゃったの……?)
こっちはずっと待ってたのに。
お願い、思い出してよ。
舞美が懇願すると、彼はぽつりと呟いた。
「……あんた、なにしてんの」
その声、その物言い、そしてこちらへ向けるその視線。
なんだ、忘れられてたわけじゃなかったんだ!
舞美はにやけそうになったが、組長の前だということを思い出し、慌てて真面目な表情をつくる。
確かに、突然舞美が川田組の奥から出てきたのは不自然で、アカギが首を捻るのも、「なにしてんの」と言うのも無理はない。
しかし、アカギは不敵に笑って、こう言った。
「……また会ったね、舞美。」
組長がいる部屋の隣で、舞美はごくりと喉を鳴らす。アカギは一体、どんな風貌をしているだろう。かっこよくなってる? それとも……。
13歳のアカギを思い出して、舞美は冷や汗をかいた。しまった。
そう言えばあの日、彼から逃げたんじゃなかったっけ?
……ああ、そうだ。別れが嫌で、アカギに一方的に抱きついてから、走って逃げたんだった。そしてそれがアカギとの最後の日になってしまっている。
どうしよう、どんな顔をしてアカギに会えば良いのか分からない。アカギはあの日のことを、どう思っているのだろうか?
今更になってぐるぐる考えていると、安岡が「来たみたいだ」と耳打ちしてきた。もう部屋にいるらしい。
舞美は考えるのをやめ、こくりと頷く。アカギの声は……あまり聞こえない。
そしてとうとう、アカギと平山を対面させるため、安岡は仕切りである襖を開け、中に入った。
「失礼します」
「安岡さん!」
聞き覚えのある声がする。
ニセアカギ改め平山も安岡に続く。
特にアカギの声や反応は感じられない。
そして最後に、舞美もアカギに会いに、中に入った。
まず目の前にいたのは、
「な、南郷さん⁉︎」
彼はあまり変わっていない。
「と、——」
舞美が釘付けになったのは、南郷の後ろに気だるそうに座っている、白髪の青年。工場かなにかの作業服を着ているらしい。舞美はその美形に惚れ惚れとした。彼は鋭い目でこちらを見ている。
「アカギ……だ」
舞美は彼を凝視したまま、呟いた。だって、見れば見るほど、それは成長した赤木しげるそのものだったから。
それに、なんていうか、あの時より色っぽくなってて、もっと格好良くなってる。
舞美が彼を見つめていると——ああ、なんということだろう——アカギはゆっくりと、首をかしげ、不思議そうに舞美を見た。
その突然の行動に、舞美は大きなショックを受ける。
(アカギ、わたしのこと忘れちゃったの……?)
こっちはずっと待ってたのに。
お願い、思い出してよ。
舞美が懇願すると、彼はぽつりと呟いた。
「……あんた、なにしてんの」
その声、その物言い、そしてこちらへ向けるその視線。
なんだ、忘れられてたわけじゃなかったんだ!
舞美はにやけそうになったが、組長の前だということを思い出し、慌てて真面目な表情をつくる。
確かに、突然舞美が川田組の奥から出てきたのは不自然で、アカギが首を捻るのも、「なにしてんの」と言うのも無理はない。
しかし、アカギは不敵に笑って、こう言った。
「……また会ったね、舞美。」