6.真と偽
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「あ、アカギが、見つかった⁉︎」
舞美は素っ頓狂にそう言ってから、ごくりと唾を飲んだ。受話器を丁寧に握り直し、電話先の安岡の声に集中する。
「ああ、若頭が本物を見つけたようで、平山はアカギじゃないってバレちまった。でも、組長は平山を切り捨てるつもりはないらしい」
「えっと、どういうこと?」
「組長曰く、確率を重視し、平均的には必ず勝てる平山は最高の打ち手らしい。別にそれが“赤木しげる” である必要はない、と」
「へぇ……それは良かったね。それで、アカギは、今どこに?」
「……おまえ本当にアカギが好きだな」
やれやれといった口調の安岡に、舞美はふふっと笑う。
「まぁね。安岡さんも好きでしょ」
「ま、否定はできないな。……で、アカギの居場所なんだが。若頭は、なんとかして、アカギを川田組組長のところまで連れて行くらしい」
「えっ!」
「アカギの方も、自分の偽者に会ってみたいと言っていたとかいないとか……」
舞美は言った。
「で、できたらその場に、わたしも居たいんだけど!」
「……言うと思ったよ」
「頼むから。どんな手を使っても、アカギに会いたい」
「いや、もうその必要はない」
「え?」
「もう、おまえの席は確保済みだ。アカギの旧友ってことで、組長には許しを得ている」
「えっ、本当に⁈」
はしゃいでしまう。ということは、もう少しで、アカギに会えるということだ。
「安岡さんが話をつけてくれたの?」
「まあな」
「ありがとう! ちょっと金にがめついけど、安岡さんってサイコー」
「一言余計だよ……」
こうして、舞美は安岡と約束を取り付けることに成功した。川田組組長の寛大な処置にも感謝しないと。
とにかく、今回こそ本物のアカギに会える。
そう思うと、舞美は笑みが止まらないのだった。
舞美は素っ頓狂にそう言ってから、ごくりと唾を飲んだ。受話器を丁寧に握り直し、電話先の安岡の声に集中する。
「ああ、若頭が本物を見つけたようで、平山はアカギじゃないってバレちまった。でも、組長は平山を切り捨てるつもりはないらしい」
「えっと、どういうこと?」
「組長曰く、確率を重視し、平均的には必ず勝てる平山は最高の打ち手らしい。別にそれが“赤木しげる” である必要はない、と」
「へぇ……それは良かったね。それで、アカギは、今どこに?」
「……おまえ本当にアカギが好きだな」
やれやれといった口調の安岡に、舞美はふふっと笑う。
「まぁね。安岡さんも好きでしょ」
「ま、否定はできないな。……で、アカギの居場所なんだが。若頭は、なんとかして、アカギを川田組組長のところまで連れて行くらしい」
「えっ!」
「アカギの方も、自分の偽者に会ってみたいと言っていたとかいないとか……」
舞美は言った。
「で、できたらその場に、わたしも居たいんだけど!」
「……言うと思ったよ」
「頼むから。どんな手を使っても、アカギに会いたい」
「いや、もうその必要はない」
「え?」
「もう、おまえの席は確保済みだ。アカギの旧友ってことで、組長には許しを得ている」
「えっ、本当に⁈」
はしゃいでしまう。ということは、もう少しで、アカギに会えるということだ。
「安岡さんが話をつけてくれたの?」
「まあな」
「ありがとう! ちょっと金にがめついけど、安岡さんってサイコー」
「一言余計だよ……」
こうして、舞美は安岡と約束を取り付けることに成功した。川田組組長の寛大な処置にも感謝しないと。
とにかく、今回こそ本物のアカギに会える。
そう思うと、舞美は笑みが止まらないのだった。