5.岐れ道
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舞美はようやく察した。アカギはさっき市川にやられたことを仕返ししようとしている。
でも、そんなに上手くいくものだろうか。
……それを本当にやりかねないのが、彼の悪魔的な魅力でもある。
アカギは段取りよく市川の捨てた北 を拾った。
その際、舞美は市川の手と触れ合っているように見えた。気のせいだろうか。
もしかして、イカサマ防止のために……?
「これで三フーロー」
アカギは言ってから、運命のリンシャンハイに手を伸ばした。ここで本当にツモるのか。舞美はまさかと思いながら目が離せない。
アカギは口元をゆがめた。
そして、タンッ、と牌を叩きつける。
リンシャンツモだ。
「鳴きの三色リンシャンカイホー。これであとドラが二つついたらマンガン………逆転だ」
向こうの組がそう口にしたのは、もちろん彼を恐れているからだ。
「新ドラ…」
「あ、ああ…」
アカギが促すと、他家が牌をひっくり返した。中 、つまり新ドラは白 。
舞美は目を疑った。
えっと、これはつまり、どういうことなの⁈
「おかしいな」
「え…?」
「今の流れならてっきり北 がドラになると思った」
「な…なにをいうか…! 図々しい…! そうそううまくいくかよ!」
舞美は心底震えていた。というのも。
アカギは「フフ…」と笑う。
「しかしま…同じこと……」
「え…?」
トッ。
2牌が卓に落ちる音で、舞美は鳥肌を立てる。
アカギのアタマは白。さっき3枚あったところから1枚落とし、アタマとして使用したのだ。
つまり、
「マンガンだっ…! 決着が着いたぞっ!」
アカギの勝利。
「勝った…! 勝ったんだっ…!」
安岡と南郷は小躍りして喜んだ。そりゃそうだ、彼らも命を賭していた。
一方舞美も立ち上がって、アカギの背中に駆け寄った。
「すごい……!」
そのままアカギにすり寄ろうとしたが、その前に市川がそれを制した。
「そんなばかなことがあるか、どうして白がアタマなんだ? じゃあ…捨て牌の白は暗刻から切っていったっていうのか? せっかく重なった役牌をそんなこと」
舞美はそれを後ろから見ていたので、自分も気になってアカギの答えを待った。
「そんな不合理なこと…」
「フフ…。合理性はあくまであんたの世界 でのルール。大抵の人間にはそれが通用したんだろうが…。残念ながら、その縄 じゃオレは縛れねえよ……」
思わず見惚れてしまう。あまりにもかっこいい。それではどうしたらあなたを縛れるのか? ……そんなことを聞くのは不粋ってやつかな。
「不合理こそ博打…それが博打の本質、博打の快感。不合理に身を任せてこそギャンブル…」
そんなことを言う彼の横顔に、舞美はものを言うことができなくなってしまった。
でも、そんなに上手くいくものだろうか。
……それを本当にやりかねないのが、彼の悪魔的な魅力でもある。
アカギは段取りよく市川の捨てた
その際、舞美は市川の手と触れ合っているように見えた。気のせいだろうか。
もしかして、イカサマ防止のために……?
「これで三フーロー」
アカギは言ってから、運命のリンシャンハイに手を伸ばした。ここで本当にツモるのか。舞美はまさかと思いながら目が離せない。
アカギは口元をゆがめた。
そして、タンッ、と牌を叩きつける。
リンシャンツモだ。
「鳴きの三色リンシャンカイホー。これであとドラが二つついたらマンガン………逆転だ」
向こうの組がそう口にしたのは、もちろん彼を恐れているからだ。
「新ドラ…」
「あ、ああ…」
アカギが促すと、他家が牌をひっくり返した。
舞美は目を疑った。
えっと、これはつまり、どういうことなの⁈
「おかしいな」
「え…?」
「今の流れならてっきり
「な…なにをいうか…! 図々しい…! そうそううまくいくかよ!」
舞美は心底震えていた。というのも。
アカギは「フフ…」と笑う。
「しかしま…同じこと……」
「え…?」
トッ。
2牌が卓に落ちる音で、舞美は鳥肌を立てる。
アカギのアタマは白。さっき3枚あったところから1枚落とし、アタマとして使用したのだ。
つまり、
「マンガンだっ…! 決着が着いたぞっ!」
アカギの勝利。
「勝った…! 勝ったんだっ…!」
安岡と南郷は小躍りして喜んだ。そりゃそうだ、彼らも命を賭していた。
一方舞美も立ち上がって、アカギの背中に駆け寄った。
「すごい……!」
そのままアカギにすり寄ろうとしたが、その前に市川がそれを制した。
「そんなばかなことがあるか、どうして白がアタマなんだ? じゃあ…捨て牌の白は暗刻から切っていったっていうのか? せっかく重なった役牌をそんなこと」
舞美はそれを後ろから見ていたので、自分も気になってアカギの答えを待った。
「そんな不合理なこと…」
「フフ…。合理性はあくまであんたの
思わず見惚れてしまう。あまりにもかっこいい。それではどうしたらあなたを縛れるのか? ……そんなことを聞くのは不粋ってやつかな。
「不合理こそ博打…それが博打の本質、博打の快感。不合理に身を任せてこそギャンブル…」
そんなことを言う彼の横顔に、舞美はものを言うことができなくなってしまった。