4.丸い弾
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「赤木…! 大丈夫だったか……? 何か危ない目に…」
一足早く、舞美が尋ねようと思っていたことを南郷が口にした。
「別に…。全然安全さ。傷ひとつないだろ」
「あ…ああ……」
アカギの答えに安堵する南郷。しかし舞美はそう言った時のアカギの表情に何か違和感を感じた。さっきまでの彼とは違う。
そして、彼は無言で今出てきた店を見つめた。
間違いない、店で何かあったんだ。
とは言え、アカギの言う通り彼には傷ひとつないし、他の異変も見受けられない。
「アカギ、何かヘン」
舞美は呟いてから、アカギの後を追った。
大通りに着くと、南郷は用が済んだからとアカギと別れた。舞美はそのまま、アカギの元を離れない。せっかく昼間に会えたのもあって、簡単には離れたくなかった。
「あれ、東雲は。帰らないの」
「うん……」
舞美はどう言えば良いものかと視線を下げた。その時、店に入る前と後で、アカギに起きた変化について気がつく。
「ん? アカギって、シャツ出してなかったよね?」
あの日、雀荘みどりで新しいシャツを借りた時も、アカギは白シャツをズボンの中に入れる動作をしていた。それは印象に残っているし、間違いない。つまりおかしいのは今。
アカギは眉を上げ、驚いた顔をした。
「あんたがそんなことに気がつくなんてね。結構オレのこと見てるんだ」
「見てるよ。それより、どうして?」
舞美はシャツに手を伸ばした。
「わたしに隠し事?」
「そんなに見たけりゃ見れば良いよ」
そう言われちらりとめくると、そこに現れたのは真っ黒の、
「銃⁉︎」
「フフ……。ま、野暮用でね」
「野暮用?」
嫌な予感がした。
こんなものを暴力団から譲り受けるなんて。
「勝負は明日なんだよ?」
「わかってるさ、そんなこと」
「なら、良いんだけど……」
これを使って何をするのか。
アカギは尋ねて欲しくないようだったから、舞美は口を閉ざしたまま、拳を握った。
「ねえアカギ、途中までわたしと帰ろう」
「……いいよ」
ポケットに両手を突っ込み、アカギは舞美のとなりに立ち、歩き出した。
それは舞美をヤクザから保護する意味もあったのかもしれないが、アカギが舞美の誘いに「いいよ」と言ったことに、少なからず舞美は驚いていた。
一足早く、舞美が尋ねようと思っていたことを南郷が口にした。
「別に…。全然安全さ。傷ひとつないだろ」
「あ…ああ……」
アカギの答えに安堵する南郷。しかし舞美はそう言った時のアカギの表情に何か違和感を感じた。さっきまでの彼とは違う。
そして、彼は無言で今出てきた店を見つめた。
間違いない、店で何かあったんだ。
とは言え、アカギの言う通り彼には傷ひとつないし、他の異変も見受けられない。
「アカギ、何かヘン」
舞美は呟いてから、アカギの後を追った。
大通りに着くと、南郷は用が済んだからとアカギと別れた。舞美はそのまま、アカギの元を離れない。せっかく昼間に会えたのもあって、簡単には離れたくなかった。
「あれ、東雲は。帰らないの」
「うん……」
舞美はどう言えば良いものかと視線を下げた。その時、店に入る前と後で、アカギに起きた変化について気がつく。
「ん? アカギって、シャツ出してなかったよね?」
あの日、雀荘みどりで新しいシャツを借りた時も、アカギは白シャツをズボンの中に入れる動作をしていた。それは印象に残っているし、間違いない。つまりおかしいのは今。
アカギは眉を上げ、驚いた顔をした。
「あんたがそんなことに気がつくなんてね。結構オレのこと見てるんだ」
「見てるよ。それより、どうして?」
舞美はシャツに手を伸ばした。
「わたしに隠し事?」
「そんなに見たけりゃ見れば良いよ」
そう言われちらりとめくると、そこに現れたのは真っ黒の、
「銃⁉︎」
「フフ……。ま、野暮用でね」
「野暮用?」
嫌な予感がした。
こんなものを暴力団から譲り受けるなんて。
「勝負は明日なんだよ?」
「わかってるさ、そんなこと」
「なら、良いんだけど……」
これを使って何をするのか。
アカギは尋ねて欲しくないようだったから、舞美は口を閉ざしたまま、拳を握った。
「ねえアカギ、途中までわたしと帰ろう」
「……いいよ」
ポケットに両手を突っ込み、アカギは舞美のとなりに立ち、歩き出した。
それは舞美をヤクザから保護する意味もあったのかもしれないが、アカギが舞美の誘いに「いいよ」と言ったことに、少なからず舞美は驚いていた。