4.丸い弾
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時は流れ、とうとう対決の前日となった。
その日も舞美は、優等生になりすましていた。夜に出歩くこともなく、学校に通い、騒ぎなんて起こさず授業を受ける。
だから、まさかこんな真昼間から赤木しげるに会うとは思わなかった。
「アカギ⁈ 南郷さんも。どうしてここに?」
「東雲こそ、なにしてるの」
「わたしはただの学校帰りだけど……2人は?」
「ちょっと組の方から呼び出し食らっててさ」
「呼び出し? もしかして、今から行くの?」
「まぁね」
相変わらず涼しい顔で言うアカギに、南郷は深くため息をつきながら煙を吐いた。
「どうして会うかねぇ…」
アカギを案じてか、南郷はアカギを止めようとする。が、そんなことで止まるアカギではない。舞美はとりあえず2人についていった。
そうこうするうち、約束の場所までたどり着いたらしい。
「どうする…? そんなに心配ならついてくるかい……?」
アカギはそう言ったが、南郷は慌てて「いや…オレは…」とどもっている。
怖いのか、行く気はないようだ。
「ああ、あんたは来るなよ」
舞美はアカギにそう言われ、仕方なく頷く。これはアカギと組との話し合いなんだから、部外者の舞美が付き添うのは確かにおかしい。
「わかったよ。ここで南郷さんと待ってる」
「ん……そうしなよ。要件がすみしだい帰る。ま…30分だな……」
「あ…赤木……」
店に入っていく彼の背中をただ見つめることしかできない南郷と舞美。
舞美はそのたくましい背中が好きだったが、いつも背中だけを見ているような気がして、その時は少し寂しく感じた。
南郷と舞美はぽつりぽつり世間話や互いの様子について会話を交わしながら、アカギの帰りを忠犬のように待っていた。
中々帰ってこないアカギ。
南郷はイライラし始めた。
待ち時間中ふかしていた煙草も、沢山道に捨てられている。
舞美は余程、中の様子を覗きに行こうかと考えたが、そんなことアカギは望まないだろう。
だったらここで無事を祈るしかない。
全く、女はいつだって待たされるんだ。
舞美は髪をいじった。
スリルを追い求めて夜の街に繰り出したはずなのに、今はアカギを失うことを恐れている。
こんなにも誰かを想ったことはないかもしれない、と舞美は密かに思う。
その証拠に、アカギが茶店から傷ひとつなく出てきた時、舞美は無性に抱きつきたくなってしまった。
その日も舞美は、優等生になりすましていた。夜に出歩くこともなく、学校に通い、騒ぎなんて起こさず授業を受ける。
だから、まさかこんな真昼間から赤木しげるに会うとは思わなかった。
「アカギ⁈ 南郷さんも。どうしてここに?」
「東雲こそ、なにしてるの」
「わたしはただの学校帰りだけど……2人は?」
「ちょっと組の方から呼び出し食らっててさ」
「呼び出し? もしかして、今から行くの?」
「まぁね」
相変わらず涼しい顔で言うアカギに、南郷は深くため息をつきながら煙を吐いた。
「どうして会うかねぇ…」
アカギを案じてか、南郷はアカギを止めようとする。が、そんなことで止まるアカギではない。舞美はとりあえず2人についていった。
そうこうするうち、約束の場所までたどり着いたらしい。
「どうする…? そんなに心配ならついてくるかい……?」
アカギはそう言ったが、南郷は慌てて「いや…オレは…」とどもっている。
怖いのか、行く気はないようだ。
「ああ、あんたは来るなよ」
舞美はアカギにそう言われ、仕方なく頷く。これはアカギと組との話し合いなんだから、部外者の舞美が付き添うのは確かにおかしい。
「わかったよ。ここで南郷さんと待ってる」
「ん……そうしなよ。要件がすみしだい帰る。ま…30分だな……」
「あ…赤木……」
店に入っていく彼の背中をただ見つめることしかできない南郷と舞美。
舞美はそのたくましい背中が好きだったが、いつも背中だけを見ているような気がして、その時は少し寂しく感じた。
南郷と舞美はぽつりぽつり世間話や互いの様子について会話を交わしながら、アカギの帰りを忠犬のように待っていた。
中々帰ってこないアカギ。
南郷はイライラし始めた。
待ち時間中ふかしていた煙草も、沢山道に捨てられている。
舞美は余程、中の様子を覗きに行こうかと考えたが、そんなことアカギは望まないだろう。
だったらここで無事を祈るしかない。
全く、女はいつだって待たされるんだ。
舞美は髪をいじった。
スリルを追い求めて夜の街に繰り出したはずなのに、今はアカギを失うことを恐れている。
こんなにも誰かを想ったことはないかもしれない、と舞美は密かに思う。
その証拠に、アカギが茶店から傷ひとつなく出てきた時、舞美は無性に抱きつきたくなってしまった。