3.酔狂者
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「あんたさあ、もうちょっと危機感を持ちなよ」
店から出てしばらくすると、アカギに注意された。夜風に当たり、少し酔いが醒めた舞美は、不服そうに頰を膨らませる。
「だから、それはアカギでしょ。危ないことばかり」
「……オレの話とは、また別」
「何それ、ずるい」
「とにかく、東雲は飲むのをやめた方が良い。特に男がいる場所では」
「え、どうして?」
ここぞとばかりにアカギの腕にしがみついた舞美は、上目遣いでアカギを見つめた。
アカギは一瞬こちらを見たが、すぐにまた正面を向いた。
綺麗な横顔。ずっと見つめていたくなる。
「……誰に襲われるか、分かったもんじゃないでしょ」
「ふーん」
舞美は、アカギから目を離さずに言った。
「でも、わたしのことはアカギが守ってくれるんじゃないの?」
すると、アカギは突然足を止める。
人通りの少ない場所だから、別に誰の邪魔にもならないけれど。
「……どうしたの?」
不審に思った舞美が尋ねると、アカギはじりじりと舞美に近づいた。
「な、なに?」
意味がわからない。
舞美は舞美で、アカギが迫ってくるという事実にどう反応したら良いのか分からず、半歩下がった状態で、身動きがとれずにいる。
アカギの顔を覗き込んでも、なんの反応も示さない。
「アカギ?」
彼は問いかけには答えず、そのまま舞美に近づき、背中に腕を回した。
舞美は目一杯、ぎゅううと抱き締められる。
「え、は……っ?」
一体、どういうことなの。
どくどくと体温が上がり、なにも言えなくなる。
まさか急に愛の告白を……って、そんな雰囲気でもなかったし。
「ね、」
アカギは言ってから、そっと囁いた。
「誰に襲われるか、分かったもんじゃないでしょ……?」
アカギの吐息交じりの声を耳元で直接聞いた舞美は、その色気にごくりと唾を飲んだ。
しかし、「襲う」という言葉を使っておきながら、アカギのしたことはただ舞美を抱き締めるだけ、というもの。
いくらアカギと言えども、やはり13歳。
まだ大人の男というわけではないのだ。
どこか無邪気さや可愛げを隠している。そして、時たまこんな風にそれが露呈するのだ。
かといって、全く子供というわけでもない。
むしろ勝負の際には大人と年齢差を感じさせない悪魔と化す。
このギャップに堕ちない女がいるなら見てみたいくらいだ。
舞美は負けじと、アカギに向かってこそっと呟いてみる。
「アカギになら、襲われても良いんだけど……」
——結局すぐに歩き出した彼に、その言葉が聞こえていたのかは分からなかった。
店から出てしばらくすると、アカギに注意された。夜風に当たり、少し酔いが醒めた舞美は、不服そうに頰を膨らませる。
「だから、それはアカギでしょ。危ないことばかり」
「……オレの話とは、また別」
「何それ、ずるい」
「とにかく、東雲は飲むのをやめた方が良い。特に男がいる場所では」
「え、どうして?」
ここぞとばかりにアカギの腕にしがみついた舞美は、上目遣いでアカギを見つめた。
アカギは一瞬こちらを見たが、すぐにまた正面を向いた。
綺麗な横顔。ずっと見つめていたくなる。
「……誰に襲われるか、分かったもんじゃないでしょ」
「ふーん」
舞美は、アカギから目を離さずに言った。
「でも、わたしのことはアカギが守ってくれるんじゃないの?」
すると、アカギは突然足を止める。
人通りの少ない場所だから、別に誰の邪魔にもならないけれど。
「……どうしたの?」
不審に思った舞美が尋ねると、アカギはじりじりと舞美に近づいた。
「な、なに?」
意味がわからない。
舞美は舞美で、アカギが迫ってくるという事実にどう反応したら良いのか分からず、半歩下がった状態で、身動きがとれずにいる。
アカギの顔を覗き込んでも、なんの反応も示さない。
「アカギ?」
彼は問いかけには答えず、そのまま舞美に近づき、背中に腕を回した。
舞美は目一杯、ぎゅううと抱き締められる。
「え、は……っ?」
一体、どういうことなの。
どくどくと体温が上がり、なにも言えなくなる。
まさか急に愛の告白を……って、そんな雰囲気でもなかったし。
「ね、」
アカギは言ってから、そっと囁いた。
「誰に襲われるか、分かったもんじゃないでしょ……?」
アカギの吐息交じりの声を耳元で直接聞いた舞美は、その色気にごくりと唾を飲んだ。
しかし、「襲う」という言葉を使っておきながら、アカギのしたことはただ舞美を抱き締めるだけ、というもの。
いくらアカギと言えども、やはり13歳。
まだ大人の男というわけではないのだ。
どこか無邪気さや可愛げを隠している。そして、時たまこんな風にそれが露呈するのだ。
かといって、全く子供というわけでもない。
むしろ勝負の際には大人と年齢差を感じさせない悪魔と化す。
このギャップに堕ちない女がいるなら見てみたいくらいだ。
舞美は負けじと、アカギに向かってこそっと呟いてみる。
「アカギになら、襲われても良いんだけど……」
——結局すぐに歩き出した彼に、その言葉が聞こえていたのかは分からなかった。