「はぁ、はっ、んっ！」

アカギが打ち付けてくるので舞美はそのまま快感を受け続けた。彼の上に寝そべる形になる。触れ合った肌があたためられ気恥ずかしい。

少し打たれた後、舞美を心配してか彼の動きが弱まる。舞美は息を整え、顔を上げた。

「ねえ、アカギ」
「ん……？」

舞美はそのまま彼に軽い口づけを落とした。アカギはにっと少年のように笑っている。

「なに、かわいいことするね。」

そして同じことを返された。舞美も照れ笑いをするとアカギの手が頬に添えられた。なんだかとても大事にされている気がする。幸せだ。思わずほころんでしまう。

「うれしい」
「よかったよ」

アカギがすり、と舞美の頬を撫でる。舞美はその手をとりまた口づけをした。そしてにやりと口元をあげてみせる。

「まだ私の番は終わってないからね」

アカギが何か発する間もなく、舞美は腰を上げ、自らアカギに打ちつけた。先程は途中ですぐにやめてしまったが、今度は終わらない。

「なっ、く、っ……」

舞美の腰に手をやりながら、されるがままに快感を受け取っているアカギ。舞美の加虐心にも火がついた。そのままのペースで彼を攻め続けた。

「ね、きもちいの？アカギっ……」

見下ろしながら彼の様子を観察する。ハの字に見えなくもない眉毛。食いしばりつつもたまに半開きになってしまう口。腰を掴む手はいつもより弱々しい。こちらを睨みつけているものの、イイところに当たると目を瞑ってしまっている。

「アカギ、かわいい。わたしも気持ちいい、よっ」
「もう煽る必要、ないくせに……」
「だって本当なんだもん」

さらに動き続けると、彼がまた声を出した。

「んっ……そろそろ……」

彼の限界を察し、舞美も興奮してしまう。

「ね、アカギ、イきそうなんでしょ、いいよ……このまま……」
「あー、あんた今日っ……本当にクる」

息を吐きながら、アカギは片手で目を覆い顔を背けつぶやいた。

「……もう出そう」

舞美は聞き逃さない。

「アカギ……出して」

どちらにせよもうアカギは自分で制御できない段階にいた。

「あ……く……っ」

声を漏らし、ぎゅうと力を入れた後、脱力するアカギ。果てる様子は何度見ても飽きない。色気の全てがここにある。

アカギは降参したかのように寝そべっている。裸のまま力が抜けたのだろうか。こうしてみるとただの男なのに。舞美はまた、彼を抱きしめた。

「アカギ、ほんとうに、愛おしい。」

つい、本音がぽろりと溢れるほど。ぎゅっと体を包んでいながら、抱えきれない愛があふれてしまう。隠し通せないほどの深い愛。

そして今、彼の孤独を癒すことができるのは自分だけだと心から思えた。たぶん、幸せとはこのことを言うのだろう。


「ね、あいしてる」


そしてもちろん、愛を囁くのに保留は不要だった。