3.酔狂者
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アカギを家に連れてくると、舞美はすぐに学校へ行く支度をした。ほぼUターンである。
本当ならもっとアカギといたかったけれど、アカギは1人で休みたいだろうし、それに心臓がもたない。だから、一旦逃げるしかなかった。
「それじゃあわたしはもう行くから。好きに休んでて。布団はあっち」
「……あんた、本当にオレにこの家を任せて良いの?」
「さあ。別に盗るものもないし、いくらあなたでもそんな滅茶苦茶なことはしないって信じてるもの」
「そう」
アカギは遠慮なく舞美の家に上がった。
それから、玄関先で学生靴を履いている舞美に首を傾げた。
「あんたって結構優等生なんだ」
「え、どうして?」
「だって今から学校に行くんでしょ」
「うん……一応。そうだけど」
舞美は自分が不良であるとは思っていなかった。勉強だって人並みにできた。だからこそ昼の世界には飽いていた。そんな舞美が見つけたのが、夜の街だったのだ。
「正直眠くて仕方がないから、どうせ行っても寝ちゃうだろうけどね」
それでも行くよ。
そう言う舞美に、アカギは、
「オレの側にいたいなんて言ってたあんたが、オレを置いて学校に行くなんてね……」
とまるで拗ねた様子。
舞美は驚いて、アカギに駆け寄りそうになったが、気まぐれな彼は伸びをしてから布団の方へと歩き出したので、舞美はその背中を眺めることしかできずに佇む。
アカギは、そんな舞美をくるりと振り返って眉をひそめた。
「なに」
「……なにか、用があるわけじゃないけど」
もう靴も履けたし、あとはこのドアの外へ出て行くだけだ。それなのに舞美はここを出る気にならなかった。
そんな舞美の顔を見ていたアカギは、まるで何か面白いことを思いついたかのように、急に口の端を上げて笑った。
「なんだ、そういうことか」
「……え?」
鞄を肩にかけたままアカギを見つめることしかできない。すると彼はクスクス笑いながら、舞美と目を合わせた。
「東雲、がんばってね」
「え」
「行ってらっしゃい」
まるでままごとのように軽く彼は言い、満足そうに笑みを浮かべた。
そこにどんな真意がこもってるのかは知らないが、舞美はそんな彼の笑顔に赤くなり、
「……行ってきます」
と告げて外に出るしかなかった。
本当ならもっとアカギといたかったけれど、アカギは1人で休みたいだろうし、それに心臓がもたない。だから、一旦逃げるしかなかった。
「それじゃあわたしはもう行くから。好きに休んでて。布団はあっち」
「……あんた、本当にオレにこの家を任せて良いの?」
「さあ。別に盗るものもないし、いくらあなたでもそんな滅茶苦茶なことはしないって信じてるもの」
「そう」
アカギは遠慮なく舞美の家に上がった。
それから、玄関先で学生靴を履いている舞美に首を傾げた。
「あんたって結構優等生なんだ」
「え、どうして?」
「だって今から学校に行くんでしょ」
「うん……一応。そうだけど」
舞美は自分が不良であるとは思っていなかった。勉強だって人並みにできた。だからこそ昼の世界には飽いていた。そんな舞美が見つけたのが、夜の街だったのだ。
「正直眠くて仕方がないから、どうせ行っても寝ちゃうだろうけどね」
それでも行くよ。
そう言う舞美に、アカギは、
「オレの側にいたいなんて言ってたあんたが、オレを置いて学校に行くなんてね……」
とまるで拗ねた様子。
舞美は驚いて、アカギに駆け寄りそうになったが、気まぐれな彼は伸びをしてから布団の方へと歩き出したので、舞美はその背中を眺めることしかできずに佇む。
アカギは、そんな舞美をくるりと振り返って眉をひそめた。
「なに」
「……なにか、用があるわけじゃないけど」
もう靴も履けたし、あとはこのドアの外へ出て行くだけだ。それなのに舞美はここを出る気にならなかった。
そんな舞美の顔を見ていたアカギは、まるで何か面白いことを思いついたかのように、急に口の端を上げて笑った。
「なんだ、そういうことか」
「……え?」
鞄を肩にかけたままアカギを見つめることしかできない。すると彼はクスクス笑いながら、舞美と目を合わせた。
「東雲、がんばってね」
「え」
「行ってらっしゃい」
まるでままごとのように軽く彼は言い、満足そうに笑みを浮かべた。
そこにどんな真意がこもってるのかは知らないが、舞美はそんな彼の笑顔に赤くなり、
「……行ってきます」
と告げて外に出るしかなかった。