2.目覚め
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「どう考えても、舞美ちゃんみたいな女の子が来るところじゃない……!」
「それに、ヤクザたちがそんな観戦を許す訳がない……。仕方ないが、それは無理というものだぜ」
南郷と刑事にそう言われた舞美は、「じゃあさ、」と譲歩する。
「2日後の集まりに参加するくらい、良いでしょ。それなら構わないはず」
「そ、それはな……」
「わたしも呼んでよ……? じゃないと、今度は刑事さんの立場が危うくなるよ」
「うっ……!」
舞美は、今度は刑事の方を脅し始めた。
「あんたも結構狂ってるよな」
「アカギに言われたくない」
刑事はやれやれと息をついて舞美を見た。
「分かったよ。とりあえずは認めよう」
「わーい!」
「ちぇ、最近のガキは怖いな。じゃあ、オレはもう帰るからな。……帰り道に捕まるなよ?」
「分かってるよ……オレもそんなドジは踏まないぜ」
「そうか。なら良い。じゃあな」
刑事が一番初めに闇に消え、次に南郷が家に帰った。最後に取り残されたのは、舞美とアカギ。
ようやく2人きりになり、舞美の心臓は何故か元気よく脈を速め出した。
「アカギも、帰る?」
「……さて、どうしようかね」
「あ、帰らないの?」
尋ねると、アカギは肩をすくめた。
「ま、色々あってね……昨夜チキンランをしたこともあって、今住んでるところには戻りづらいんだ」
舞美は、これはチャンスだと自分を奮い立たせた。
「あんたはウチに帰りなよ。オレは適当に宿を探すから」
背を向けるアカギに、舞美は焦って手を伸ばす。
「ちょっと待ってよ」
「……なに? まさかついてくるとか言わないよね」
「それは言わないよ。……というか、逆」
「逆?」
「わたしの家、一晩なら貸してあげる」
「は?」
舞美はコホンと咳払いをした。
「夜も明けてるし、もうすぐわたしは学校に行くの。その間家には誰もいないから、良ければ使ってっていう意味なんだけど……」
「へえ」
自分1人という環境が気に入ったのだろうか、アカギはこちらの話に好意的に聞き入ってきた。
「どう?」
「フフ……こんなに早く宿が見つかるなんてね。そういうことなら泊まらせてもらおうか」
「やった、嬉しい」
喜ぶと、アカギは首を傾げた。
「なんで東雲が嬉しがるの?」
「だって……アカギと居られるわけだし」
「でもあんたはすぐ学校に行くんでしょ」
「まあ、そうだけど……とにかく、わたしの家に上がってくれるのが嬉しいの!」
まるでアカギに懐かれたかのように感じ、笑顔でそう語る舞美。
アカギはそんな彼女にまた首を傾げたが、
「まあいいや。それより案内してよ、あんたの家」
と、そのまま舞美の後ろに続くのだった。
舞美は自分の思い通りに事が進むことに満足しつつ、無意識にアカギの狂気から目を背けていた。
まさか、住んでいる世界がこんなにも違うとは思っていなかったから……。
2.目覚め〈完〉
「それに、ヤクザたちがそんな観戦を許す訳がない……。仕方ないが、それは無理というものだぜ」
南郷と刑事にそう言われた舞美は、「じゃあさ、」と譲歩する。
「2日後の集まりに参加するくらい、良いでしょ。それなら構わないはず」
「そ、それはな……」
「わたしも呼んでよ……? じゃないと、今度は刑事さんの立場が危うくなるよ」
「うっ……!」
舞美は、今度は刑事の方を脅し始めた。
「あんたも結構狂ってるよな」
「アカギに言われたくない」
刑事はやれやれと息をついて舞美を見た。
「分かったよ。とりあえずは認めよう」
「わーい!」
「ちぇ、最近のガキは怖いな。じゃあ、オレはもう帰るからな。……帰り道に捕まるなよ?」
「分かってるよ……オレもそんなドジは踏まないぜ」
「そうか。なら良い。じゃあな」
刑事が一番初めに闇に消え、次に南郷が家に帰った。最後に取り残されたのは、舞美とアカギ。
ようやく2人きりになり、舞美の心臓は何故か元気よく脈を速め出した。
「アカギも、帰る?」
「……さて、どうしようかね」
「あ、帰らないの?」
尋ねると、アカギは肩をすくめた。
「ま、色々あってね……昨夜チキンランをしたこともあって、今住んでるところには戻りづらいんだ」
舞美は、これはチャンスだと自分を奮い立たせた。
「あんたはウチに帰りなよ。オレは適当に宿を探すから」
背を向けるアカギに、舞美は焦って手を伸ばす。
「ちょっと待ってよ」
「……なに? まさかついてくるとか言わないよね」
「それは言わないよ。……というか、逆」
「逆?」
「わたしの家、一晩なら貸してあげる」
「は?」
舞美はコホンと咳払いをした。
「夜も明けてるし、もうすぐわたしは学校に行くの。その間家には誰もいないから、良ければ使ってっていう意味なんだけど……」
「へえ」
自分1人という環境が気に入ったのだろうか、アカギはこちらの話に好意的に聞き入ってきた。
「どう?」
「フフ……こんなに早く宿が見つかるなんてね。そういうことなら泊まらせてもらおうか」
「やった、嬉しい」
喜ぶと、アカギは首を傾げた。
「なんで東雲が嬉しがるの?」
「だって……アカギと居られるわけだし」
「でもあんたはすぐ学校に行くんでしょ」
「まあ、そうだけど……とにかく、わたしの家に上がってくれるのが嬉しいの!」
まるでアカギに懐かれたかのように感じ、笑顔でそう語る舞美。
アカギはそんな彼女にまた首を傾げたが、
「まあいいや。それより案内してよ、あんたの家」
と、そのまま舞美の後ろに続くのだった。
舞美は自分の思い通りに事が進むことに満足しつつ、無意識にアカギの狂気から目を背けていた。
まさか、住んでいる世界がこんなにも違うとは思っていなかったから……。
2.目覚め〈完〉