2.目覚め
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バタン! と大きな音。
舞美ははっと目を覚まし、慌てて時計を確認してから、部屋のドアに駆け寄った。
いったいぜんたい、なんの音?
麻雀してる最中にあんな音は出ないはず。
アカギが負けて、指を一本取られちゃったとか……?
まさか。
ぞくりと背筋に寒気が走り、扉を勢いよく開ける。
卓に突っ伏して倒れていたのは、矢木の方だった。
「え、あ、アカギ……?」
彼の方を見ると、さも余裕そうに両手を組んで、こちらを見ている。怪我一つない。
「勝ったの?」
「まぁね」
「す、すごい……!」
「フフ…」
舞美が驚きつつも喜ぶ。
「悪いが…今ここに金はない……明日こちらから連絡する」
竜崎は苦虫を噛み潰したような顔でそう言い、卓を離れ帰ろうとした。
すると、
「ちょっと……」
と、彼を呼び止める声が。
それは正真正銘、赤木しげるの声だった。
「なにいってるの…? まだだよ。まだ終わっていない……。今の300万の勝ちを乗せてさらに倍プッシュ、600万のサシ勝負……!」
静まった雀荘に、彼の声だけが響き渡る。
「まだまだ終らせない…! 地獄の淵が見えるまで」
舞美は彼の迫力に、口も挟めなかった。
限度いっぱいまでいく…!
「どちらかが完全に倒れるまで……」
勝負のあとは骨も残さない………!
彼はそう言ってから、「フフ…」と笑った。
舞美は、アカギの狂気の本質を見てしまったような気がした。想像以上に、この少年は、頭のネジが飛んでいるらしい。
「まさか逃げはしないでしょうね」
「バカヤロー!」
竜崎は煙草をくわえる。
「逃げはしねえ、逃げはしねえが……もう夜が明けちまったよ…!」
「ククク…朝だからできないなんて、調子のいい言い訳だぜ……!」
全く止まる様子のないアカギをなんとか制止したのは、刑事だった。
反故にされてしまうよりは、日を改めて立会人のもと正式に卓を囲んだ方が良い。そうした刑事の説得に、アカギは納得した。
その勝負のセッティングはその刑事がやることに決定する。
果たして、その場に舞美は居られるのだろうか……。どうせ呼ばれないに違いない。
そんなのって、いやだ。
とにかくアカギと一緒にいたいのに。
刑事は竜崎に南郷の借金を返済させ、新たに借用証書と再戦の覚え書きを書かせた。
これで今夜はお開きなわけである。
竜崎らは雀荘を出て行き、刑事と南郷、それからアカギに続くようにして、舞美も外へ出た。
外に出た瞬間、南郷は「やっぱりおかしくないか?」と言い出した。
「え?」
「その……600万を賭けてっていうのは……」
たしかに、南郷としては困る話だろう。これでようやく命を賭けずに済むというのに、さらに倍プッシュだなんて。
「まあ、その辺の話も含めて、2日後にまた集まってもらおうか。オレがその間に話をつけておく。その時に賭け金について決めよう」
「あ、ああ……」
「それなら、今日はもう解散だな」
「あ、待って」
舞美は、ここぞとばかりに口を挟んだ。
「わたしも、アカギの勝負を見たいんだけど」
南郷と刑事は驚いた顔をして、戸惑う。
ひとり、アカギだけはクククと楽しそうに笑っていた。
舞美ははっと目を覚まし、慌てて時計を確認してから、部屋のドアに駆け寄った。
いったいぜんたい、なんの音?
麻雀してる最中にあんな音は出ないはず。
アカギが負けて、指を一本取られちゃったとか……?
まさか。
ぞくりと背筋に寒気が走り、扉を勢いよく開ける。
卓に突っ伏して倒れていたのは、矢木の方だった。
「え、あ、アカギ……?」
彼の方を見ると、さも余裕そうに両手を組んで、こちらを見ている。怪我一つない。
「勝ったの?」
「まぁね」
「す、すごい……!」
「フフ…」
舞美が驚きつつも喜ぶ。
「悪いが…今ここに金はない……明日こちらから連絡する」
竜崎は苦虫を噛み潰したような顔でそう言い、卓を離れ帰ろうとした。
すると、
「ちょっと……」
と、彼を呼び止める声が。
それは正真正銘、赤木しげるの声だった。
「なにいってるの…? まだだよ。まだ終わっていない……。今の300万の勝ちを乗せてさらに倍プッシュ、600万のサシ勝負……!」
静まった雀荘に、彼の声だけが響き渡る。
「まだまだ終らせない…! 地獄の淵が見えるまで」
舞美は彼の迫力に、口も挟めなかった。
限度いっぱいまでいく…!
「どちらかが完全に倒れるまで……」
勝負のあとは骨も残さない………!
彼はそう言ってから、「フフ…」と笑った。
舞美は、アカギの狂気の本質を見てしまったような気がした。想像以上に、この少年は、頭のネジが飛んでいるらしい。
「まさか逃げはしないでしょうね」
「バカヤロー!」
竜崎は煙草をくわえる。
「逃げはしねえ、逃げはしねえが……もう夜が明けちまったよ…!」
「ククク…朝だからできないなんて、調子のいい言い訳だぜ……!」
全く止まる様子のないアカギをなんとか制止したのは、刑事だった。
反故にされてしまうよりは、日を改めて立会人のもと正式に卓を囲んだ方が良い。そうした刑事の説得に、アカギは納得した。
その勝負のセッティングはその刑事がやることに決定する。
果たして、その場に舞美は居られるのだろうか……。どうせ呼ばれないに違いない。
そんなのって、いやだ。
とにかくアカギと一緒にいたいのに。
刑事は竜崎に南郷の借金を返済させ、新たに借用証書と再戦の覚え書きを書かせた。
これで今夜はお開きなわけである。
竜崎らは雀荘を出て行き、刑事と南郷、それからアカギに続くようにして、舞美も外へ出た。
外に出た瞬間、南郷は「やっぱりおかしくないか?」と言い出した。
「え?」
「その……600万を賭けてっていうのは……」
たしかに、南郷としては困る話だろう。これでようやく命を賭けずに済むというのに、さらに倍プッシュだなんて。
「まあ、その辺の話も含めて、2日後にまた集まってもらおうか。オレがその間に話をつけておく。その時に賭け金について決めよう」
「あ、ああ……」
「それなら、今日はもう解散だな」
「あ、待って」
舞美は、ここぞとばかりに口を挟んだ。
「わたしも、アカギの勝負を見たいんだけど」
南郷と刑事は驚いた顔をして、戸惑う。
ひとり、アカギだけはクククと楽しそうに笑っていた。