18.金輪際
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「全部……?」
「そう、ぜんぶ。」
オレが悪かったよ、と優しく囁かれた舞美はアカギをぎゅうと抱きしめた。しかし、彼女にも譲れない部分はあった。
「ううん、わたしも……、わたしも、勝手に死にかけたこと、悪いと思ってるの」
だって、そのためにアカギは舞美をこっぴどく捨てようとしたんだから。その捨て方は正しくないとしても、元々の原因は舞美にあったはずなのだ。しかし、アカギは小さく笑った。
「さっき言ったろ。オレはもう、あんたを無駄に気にしない」
「……それ、どういう意味なの?」
舞美が聞くと、アカギはさっと彼女から離れた。相変わらず彼は女を不安にさせるのが得意なようだ。
「舞美、風呂」
「え?」
「風呂沸いたから、入れば。冷えるよ」
舞美は眉を寄せた。
「続き、聞かせてくれないの?」
「……そういうわけじゃないけど。別に、後で話すよ」
「逃げない?」
聞くと、アカギは肩をすくめた。「どうかな」と敢えてすましているのが憎らしい。さっきまで悪びれていたというのに、もう戻っている。
「逃がさないわよ」と舞美は言ったきり、顔を逸らし、鼻を押さえ、それから——くしゅんとくしゃみをした。ほらねと笑うアカギに、しまったという顔の舞美。
「あんたが風邪ひくのオレも困るし」
「あっ、ちょっとお!」
アカギは暴れる舞美を横抱きにして風呂場に連れていく。
「大人しくしなよ」
「待ってよ」
さっと脱衣所を出て行こうとするアカギ。舞美は慌ててアカギの後身頃をくいっと掴む。
「なに?」
「さっきの、どういう意味か教えてよ」
「出てからいくらでも話せるでしょ。本当に体壊すぜ」
「……気に入らないの! ねえアカギ」
たまにはワガママなカノジョっていうのをやってみても良いだろうとやってみたら、アカギは何か思いついたように「ああ」と言った。
「あんた、本当まわりくどいな」
「え? な、なんで」
ぱっとアカギの服を手離すと、アカギは舞美を見てクククと笑った。
「わざわざそんな遠回りしなくても、風呂なんて一緒に入ってやるのに。」
「そう、ぜんぶ。」
オレが悪かったよ、と優しく囁かれた舞美はアカギをぎゅうと抱きしめた。しかし、彼女にも譲れない部分はあった。
「ううん、わたしも……、わたしも、勝手に死にかけたこと、悪いと思ってるの」
だって、そのためにアカギは舞美をこっぴどく捨てようとしたんだから。その捨て方は正しくないとしても、元々の原因は舞美にあったはずなのだ。しかし、アカギは小さく笑った。
「さっき言ったろ。オレはもう、あんたを無駄に気にしない」
「……それ、どういう意味なの?」
舞美が聞くと、アカギはさっと彼女から離れた。相変わらず彼は女を不安にさせるのが得意なようだ。
「舞美、風呂」
「え?」
「風呂沸いたから、入れば。冷えるよ」
舞美は眉を寄せた。
「続き、聞かせてくれないの?」
「……そういうわけじゃないけど。別に、後で話すよ」
「逃げない?」
聞くと、アカギは肩をすくめた。「どうかな」と敢えてすましているのが憎らしい。さっきまで悪びれていたというのに、もう戻っている。
「逃がさないわよ」と舞美は言ったきり、顔を逸らし、鼻を押さえ、それから——くしゅんとくしゃみをした。ほらねと笑うアカギに、しまったという顔の舞美。
「あんたが風邪ひくのオレも困るし」
「あっ、ちょっとお!」
アカギは暴れる舞美を横抱きにして風呂場に連れていく。
「大人しくしなよ」
「待ってよ」
さっと脱衣所を出て行こうとするアカギ。舞美は慌ててアカギの後身頃をくいっと掴む。
「なに?」
「さっきの、どういう意味か教えてよ」
「出てからいくらでも話せるでしょ。本当に体壊すぜ」
「……気に入らないの! ねえアカギ」
たまにはワガママなカノジョっていうのをやってみても良いだろうとやってみたら、アカギは何か思いついたように「ああ」と言った。
「あんた、本当まわりくどいな」
「え? な、なんで」
ぱっとアカギの服を手離すと、アカギは舞美を見てクククと笑った。
「わざわざそんな遠回りしなくても、風呂なんて一緒に入ってやるのに。」