18.金輪際
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2人して何事もなく玄関まで到着する。アカギはそこでやっと舞美の手を離した。彼はそのまま、水滴など気にも留めていない様子で部屋に入る。目は合わなかった。
舞美は中に上がるタイミングを失い、立ちすくんだ。どんな行動を取れば良いのか正解が分からないから。
そうしていると、アカギがこちらに顔を向け眉をひそめた。「あの、」と小さく声を発すると、彼は不機嫌そうな顔のまま「上がりなよ」と言うので、舞美も続いて部屋に入った。
暖房が効き始めるより早く、アカギはびしょ濡れになったシャツを脱いだ。それから舞美をじっと見つめた。さっきから彼の目線に何度突き殺されてるんだろう。
「あんたも」
「え?」
アカギは肩をすくめた。
「脱ぎなって」
「あ、うん……」
脱ぐ、とは、果たしてどこまで?
というか、結局、アカギには嫌われていないということで良いのだろうか。
舞美が訝しげな顔を隠せずにいると、アカギははぁと息をついた。
「もうやめる、うんざりだ」
うんざりって、
「……何が?」
ここにきてまた罵倒でもされたらとうとう精神がやられてしまいそうだ。でも聞かないわけにはいかない。舞美は今度こそ泣いてたまるかと思った。何を言われようとも。
「あんたを無駄に気にすることをやめるよ。面倒になった」
「えっ」
そんな、無駄だとか面倒だなんて言葉をわざわざ使わなくても良いのに。
「オレがあんたを嫌ってないっていうのはもう分かってるんでしょ」
アカギは顔をしかめてさらっと言ってみせた。
「あ……や、やっぱり……」
舞美は安心して力が抜けそうになる。こんな風に舞美を惑わすところを見ると、「アカギに飽きられたかも」と思うことがどれだけ怖いものなのか、多分アカギは分からないんだろう。
「さ、さっきの……さっきみたいなこと、もう、本当に、やめて」
舞美はアカギを束縛したことはなかったし、何かを強制することもなかった。そんな舞美がこれほど強くアカギに要求するということは相当心にショックを受けたということ。
「急に……理由も言わず追い出すとか……思ってもないのに、嫌いって言いかけるとか……。すごく心にきたから……」
アカギにつけられた傷は、アカギにしか治せない。
「……ごめん」
アカギは感情があふれる舞美の背中を優しくさすった。
「ぜんぶ、オレが間違えた。」
舞美は中に上がるタイミングを失い、立ちすくんだ。どんな行動を取れば良いのか正解が分からないから。
そうしていると、アカギがこちらに顔を向け眉をひそめた。「あの、」と小さく声を発すると、彼は不機嫌そうな顔のまま「上がりなよ」と言うので、舞美も続いて部屋に入った。
暖房が効き始めるより早く、アカギはびしょ濡れになったシャツを脱いだ。それから舞美をじっと見つめた。さっきから彼の目線に何度突き殺されてるんだろう。
「あんたも」
「え?」
アカギは肩をすくめた。
「脱ぎなって」
「あ、うん……」
脱ぐ、とは、果たしてどこまで?
というか、結局、アカギには嫌われていないということで良いのだろうか。
舞美が訝しげな顔を隠せずにいると、アカギははぁと息をついた。
「もうやめる、うんざりだ」
うんざりって、
「……何が?」
ここにきてまた罵倒でもされたらとうとう精神がやられてしまいそうだ。でも聞かないわけにはいかない。舞美は今度こそ泣いてたまるかと思った。何を言われようとも。
「あんたを無駄に気にすることをやめるよ。面倒になった」
「えっ」
そんな、無駄だとか面倒だなんて言葉をわざわざ使わなくても良いのに。
「オレがあんたを嫌ってないっていうのはもう分かってるんでしょ」
アカギは顔をしかめてさらっと言ってみせた。
「あ……や、やっぱり……」
舞美は安心して力が抜けそうになる。こんな風に舞美を惑わすところを見ると、「アカギに飽きられたかも」と思うことがどれだけ怖いものなのか、多分アカギは分からないんだろう。
「さ、さっきの……さっきみたいなこと、もう、本当に、やめて」
舞美はアカギを束縛したことはなかったし、何かを強制することもなかった。そんな舞美がこれほど強くアカギに要求するということは相当心にショックを受けたということ。
「急に……理由も言わず追い出すとか……思ってもないのに、嫌いって言いかけるとか……。すごく心にきたから……」
アカギにつけられた傷は、アカギにしか治せない。
「……ごめん」
アカギは感情があふれる舞美の背中を優しくさすった。
「ぜんぶ、オレが間違えた。」