17.海岸線
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「なんであんた、ここにいる……?」
目の前に現れてくれたアカギ。
胸がいっぱいになった舞美は、彼をそっと見上げた。
「……あなたを追いかけてきた」
死の底までも。
相変わらず狂った論理を導く舞美だったが、彼女にとっていつもと違うのは、今回は単にアカギについてきたのではなく、自分の後悔によって“連れてこられた”という点だった。
アカギはそんな舞美を見下ろして言った。
「それでオレが喜ぶとでも?」
「え?」
こんなにアカギに冷たい口調で接されたのは初めてだった。舞美は戸惑い、彼の瞳を交互に見た。アカギは鋭い視線を向け続ける。
「全然嬉しくねえ」
舞美は絶句した。しかしアカギは、厳しい言葉とは裏腹に、そのまま舞美に近づいた。
「嬉しくねえよ……」
ぎゅう、とアカギに抱きつかれて、舞美は呆然とした。ここまで感情を露わにするアカギは、もう見ることができないかもしれない。いや、これは舞美の視る幻だったか。
でも幻想にしてはリアルだ。彼には力がこもっていて、まるで舞美を逃さないようにしているみたいだった。いや、確かにアカギの存在がなければ、舞美はこの暗闇に溶け込んで無になっていたかもしれない。
でもそんなこともう関係ない。
とにかくアカギに抱きつかれている。しかし、そろりと彼の背中に腕を伸ばそうとすると、舞美がアカギを抱き返す直前で、彼は「勝負の途中だ」と言って離れてしまった。
「アカギ、」
すると、舞美の視界は急に真っ暗になる。
アカギの気配は感じない。
どこへ行ったのか、と思ったけれど、なぜか最初の方に感じたほど不安にはならなかった。
彼はもう、勝負の場に戻ったのかもしれない。
舞美がそれをほぼ確信した時、意識のどこかで男たちの声が聞こえ始めた。
気がつけば、もうここは海底ではなかった。
目の前に現れてくれたアカギ。
胸がいっぱいになった舞美は、彼をそっと見上げた。
「……あなたを追いかけてきた」
死の底までも。
相変わらず狂った論理を導く舞美だったが、彼女にとっていつもと違うのは、今回は単にアカギについてきたのではなく、自分の後悔によって“連れてこられた”という点だった。
アカギはそんな舞美を見下ろして言った。
「それでオレが喜ぶとでも?」
「え?」
こんなにアカギに冷たい口調で接されたのは初めてだった。舞美は戸惑い、彼の瞳を交互に見た。アカギは鋭い視線を向け続ける。
「全然嬉しくねえ」
舞美は絶句した。しかしアカギは、厳しい言葉とは裏腹に、そのまま舞美に近づいた。
「嬉しくねえよ……」
ぎゅう、とアカギに抱きつかれて、舞美は呆然とした。ここまで感情を露わにするアカギは、もう見ることができないかもしれない。いや、これは舞美の視る幻だったか。
でも幻想にしてはリアルだ。彼には力がこもっていて、まるで舞美を逃さないようにしているみたいだった。いや、確かにアカギの存在がなければ、舞美はこの暗闇に溶け込んで無になっていたかもしれない。
でもそんなこともう関係ない。
とにかくアカギに抱きつかれている。しかし、そろりと彼の背中に腕を伸ばそうとすると、舞美がアカギを抱き返す直前で、彼は「勝負の途中だ」と言って離れてしまった。
「アカギ、」
すると、舞美の視界は急に真っ暗になる。
アカギの気配は感じない。
どこへ行ったのか、と思ったけれど、なぜか最初の方に感じたほど不安にはならなかった。
彼はもう、勝負の場に戻ったのかもしれない。
舞美がそれをほぼ確信した時、意識のどこかで男たちの声が聞こえ始めた。
気がつけば、もうここは海底ではなかった。