16.透明牌
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そして——勝負は進み、最終局面。
「アカギが勝った……?」
アカギは、全ての勝負が終わる前に、先に鷲巣の全財産を溶かしてみせた。
「勝負あり、ってこと?」
はらはらしながら聞くと、向こう側で吊り上がった目がこちらをぎょろりと向いた。
流石の舞美も、この迫力には少し臆する。
(な、何よ。……ううん、もう恐がることはない。この人はもう、たったの70万ぽっちも払えないんだから)
そう。その通り。そう思っていたのだが。
鷲巣は、とんでもないことを口にする。
「血を賭ける」
「……えっ?」
そこからはまた、一瞬とも永遠とも思える勝負の再開。時間的には長くないはずだが、あまりの緊張感に時間の刻みも分からなくなる。
現に舞美は混乱していた。こうなると、どちらかが死ぬまで終わらない。アカギは情けなどかけないだろうし、向こうだって、アカギに匹敵するくらい “死ぬ気” で金を取り返しにくる。
(すごい殺気。……認めざるを得ない、彼はアカギと同類だ)
***
そして。
ついにその時は訪れた。
土壇場でのツモ。
発声したのは、アカギではなく鷲巣だった。
舞美は頭が真っ白になる。
(……いくつ?)
安手に決まっている、今まで色々乗り越えてきた。今回だって、大したことはない……。
だってアカギだもの。
その「アカギだから大丈夫」の法則は、相手が鷲巣である以上もう通用しないことは百も承知。しかしそれでも、ある種の楽観的な考えは舞美の中に深く根差していた。
が。
鷲巣が裏ドラをめくるのを見た舞美は、ひゅっと喉を鳴らした。
ドラ3。跳満。
合計、2300cc。
アカギの致死量に達する採血が、確定した。
「アカギが勝った……?」
アカギは、全ての勝負が終わる前に、先に鷲巣の全財産を溶かしてみせた。
「勝負あり、ってこと?」
はらはらしながら聞くと、向こう側で吊り上がった目がこちらをぎょろりと向いた。
流石の舞美も、この迫力には少し臆する。
(な、何よ。……ううん、もう恐がることはない。この人はもう、たったの70万ぽっちも払えないんだから)
そう。その通り。そう思っていたのだが。
鷲巣は、とんでもないことを口にする。
「血を賭ける」
「……えっ?」
そこからはまた、一瞬とも永遠とも思える勝負の再開。時間的には長くないはずだが、あまりの緊張感に時間の刻みも分からなくなる。
現に舞美は混乱していた。こうなると、どちらかが死ぬまで終わらない。アカギは情けなどかけないだろうし、向こうだって、アカギに匹敵するくらい “死ぬ気” で金を取り返しにくる。
(すごい殺気。……認めざるを得ない、彼はアカギと同類だ)
***
そして。
ついにその時は訪れた。
土壇場でのツモ。
発声したのは、アカギではなく鷲巣だった。
舞美は頭が真っ白になる。
(……いくつ?)
安手に決まっている、今まで色々乗り越えてきた。今回だって、大したことはない……。
だってアカギだもの。
その「アカギだから大丈夫」の法則は、相手が鷲巣である以上もう通用しないことは百も承知。しかしそれでも、ある種の楽観的な考えは舞美の中に深く根差していた。
が。
鷲巣が裏ドラをめくるのを見た舞美は、ひゅっと喉を鳴らした。
ドラ3。跳満。
合計、2300cc。
アカギの致死量に達する採血が、確定した。