16.透明牌
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この調子で続ければアカギは勝てるはず——そう読んでいた舞美だったが、ここからアカギは苦戦した。見ているこちらとしては常に不安に襲われ、手に汗を握るのも致し方ない。
鷲巣がツモを狙うようになり、アカギは順調にリーチを蹴るなどしていたが、ここにきて鷲巣の豪運が牙を剥く。それは、単なる“運”とは言えないほど、あるいは数学では測れないほど、絶対的なものだった。
結論から言ってしまえば、アカギは2度死にかけた。
1度目は、5回戦目。鷲巣のツモにより、抜かれた血液が致死量に達してしまったのだ。
瞬間、舞美の全身が凍りついた。
「あ、アカギ……? 嘘よね」
これでアカギが死んだとは思えなくて呼びかける。すると、アカギは舞美の期待通り体を起こしたではないか。つまりどういうことかと問うと、彼は勝負前に実は輸血をしていたのだと述べた。
「……それでも、本当の致死量まであと500cc」
舞美がそこまで取り乱さなかったのはこれを直感的に感じ取っていたからか。しかしもう悠長に構えてもいられない。
正真正銘、次こそ命の危機。
次があるかどうかは、アカギと鷲巣次第だが。
鷲巣の豪運を目にすると、このまま乗り切ることがいささか難しく思われた。
(それでも——どんなに不利でも、アカギに賭けるのがわたし……。どうか、死なないで)
願う舞美はその視線に気づかなかった。
アカギが彼女にちらりと目をやったのは、ほんの一瞬のできごとだったために。
鷲巣がツモを狙うようになり、アカギは順調にリーチを蹴るなどしていたが、ここにきて鷲巣の豪運が牙を剥く。それは、単なる“運”とは言えないほど、あるいは数学では測れないほど、絶対的なものだった。
結論から言ってしまえば、アカギは2度死にかけた。
1度目は、5回戦目。鷲巣のツモにより、抜かれた血液が致死量に達してしまったのだ。
瞬間、舞美の全身が凍りついた。
「あ、アカギ……? 嘘よね」
これでアカギが死んだとは思えなくて呼びかける。すると、アカギは舞美の期待通り体を起こしたではないか。つまりどういうことかと問うと、彼は勝負前に実は輸血をしていたのだと述べた。
「……それでも、本当の致死量まであと500cc」
舞美がそこまで取り乱さなかったのはこれを直感的に感じ取っていたからか。しかしもう悠長に構えてもいられない。
正真正銘、次こそ命の危機。
次があるかどうかは、アカギと鷲巣次第だが。
鷲巣の豪運を目にすると、このまま乗り切ることがいささか難しく思われた。
(それでも——どんなに不利でも、アカギに賭けるのがわたし……。どうか、死なないで)
願う舞美はその視線に気づかなかった。
アカギが彼女にちらりと目をやったのは、ほんの一瞬のできごとだったために。