16.透明牌
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その最後の2半荘が始まる前。
アカギと2人きりになれた時間はとても短かった。鷲巣がやる気になった今、間を開けるのは得策でない。だからそれは当たり前のこと。
それなのに。
いや、それだからこそ、この短い時間でアカギがそんなにもがっついてくるとは、舞美には思いもよらなかったのである。
***
「アカギ」
人目のつかない所で煙草を嗜む彼にひとり近づき、声をかける舞美。鷲巣が復活する僅かな間に、少しでもアカギと話しておきたかった。こんな状況下だからこそ、くだらない会話をしたって構わない、なんて思っていたのだが。
「……舞美」
「ん?」
今まで、アカギに名前で呼ばれるのは基本的に布団の上でのみだったので、不覚にもどきっとした。それでもそんな心境を悟られまいと、舞美はなんでもないといった風に首を傾げてみせた。
「貧血ぎみなのに煙草?」
「ああ……これはね。口元が寂しくて」
アカギの思惑がそのままに出ていた発言だったが、それに大した意味を感じとることはできなかった舞美は、「そうなの」と流してしまう。
「でも、本当にアカギの言った通りになったよね。あの状態の鷲巣を勝負にのせるなんて流石だわ」
「まぁね」
「目の前で血を捨てるなんてこと、あなたにしかできっこない。今夜は本当に唆っちゃう」
言いながら壁に背をつけてもたれかかると、アカギは舞美の真正面にすっと立った。いつの間にか煙草の煙は消している。
「えっ?」
「なに」
「ち、近……」
「悪い? 口寂しいんだって、言ったよね」
「え、でも、さっきも……」
「あれで足りると思う?」
至近距離にアカギの顔。綺麗で格好良すぎる。胸元からちらりと覗くシャツは何度見ても最高だというのに、今度は恥ずかしくて見られない。
中々してこないので舞美は真っ赤になった。心臓は既に早鐘を打ち始めている。
きゅっと目を瞑ると、彼の息遣いが間近で聞こえる。少しずつ距離を詰められるのがわかり、そっと口づけをされた。
「ん……っ」
さっきのとはうってかわって濃厚なそれは、あまりにも官能的だった。すぐに舌が絡めとられ、脳を痺れさせるあの感覚が体を震わせる。
「んん……!」
一度唇を重ねると歯止めが効かなくなったのか、アカギはいつもより鼻息荒く舞美を貪った。冷静を欠いているわけではないだろうけど、彼の態度は珍しかった。
というのも、いつも舞美の方が先にとろとろにされてしまうのだが、ちらりと見えたアカギの瞳も潤んでいたのだ。彼も舌先で舞美を感じていて、そしてそれを気持ちいいと思っているのは清々しいほどに明白だった。
気持ちとろけたアカギの表情に、舞美はイケナイものを見てしまった気分になり、真っ赤になってまた目を閉じる。体が熱くなって仕方がない。どうしていきなり、アカギがこんなに求めてくるんだろう。
「ふ、ふ……っ」
本気でこちらに舌を伸ばしてくるアカギに意識をやると、彼の下半身は既に熱を帯びていた。
アカギと2人きりになれた時間はとても短かった。鷲巣がやる気になった今、間を開けるのは得策でない。だからそれは当たり前のこと。
それなのに。
いや、それだからこそ、この短い時間でアカギがそんなにもがっついてくるとは、舞美には思いもよらなかったのである。
***
「アカギ」
人目のつかない所で煙草を嗜む彼にひとり近づき、声をかける舞美。鷲巣が復活する僅かな間に、少しでもアカギと話しておきたかった。こんな状況下だからこそ、くだらない会話をしたって構わない、なんて思っていたのだが。
「……舞美」
「ん?」
今まで、アカギに名前で呼ばれるのは基本的に布団の上でのみだったので、不覚にもどきっとした。それでもそんな心境を悟られまいと、舞美はなんでもないといった風に首を傾げてみせた。
「貧血ぎみなのに煙草?」
「ああ……これはね。口元が寂しくて」
アカギの思惑がそのままに出ていた発言だったが、それに大した意味を感じとることはできなかった舞美は、「そうなの」と流してしまう。
「でも、本当にアカギの言った通りになったよね。あの状態の鷲巣を勝負にのせるなんて流石だわ」
「まぁね」
「目の前で血を捨てるなんてこと、あなたにしかできっこない。今夜は本当に唆っちゃう」
言いながら壁に背をつけてもたれかかると、アカギは舞美の真正面にすっと立った。いつの間にか煙草の煙は消している。
「えっ?」
「なに」
「ち、近……」
「悪い? 口寂しいんだって、言ったよね」
「え、でも、さっきも……」
「あれで足りると思う?」
至近距離にアカギの顔。綺麗で格好良すぎる。胸元からちらりと覗くシャツは何度見ても最高だというのに、今度は恥ずかしくて見られない。
中々してこないので舞美は真っ赤になった。心臓は既に早鐘を打ち始めている。
きゅっと目を瞑ると、彼の息遣いが間近で聞こえる。少しずつ距離を詰められるのがわかり、そっと口づけをされた。
「ん……っ」
さっきのとはうってかわって濃厚なそれは、あまりにも官能的だった。すぐに舌が絡めとられ、脳を痺れさせるあの感覚が体を震わせる。
「んん……!」
一度唇を重ねると歯止めが効かなくなったのか、アカギはいつもより鼻息荒く舞美を貪った。冷静を欠いているわけではないだろうけど、彼の態度は珍しかった。
というのも、いつも舞美の方が先にとろとろにされてしまうのだが、ちらりと見えたアカギの瞳も潤んでいたのだ。彼も舌先で舞美を感じていて、そしてそれを気持ちいいと思っているのは清々しいほどに明白だった。
気持ちとろけたアカギの表情に、舞美はイケナイものを見てしまった気分になり、真っ赤になってまた目を閉じる。体が熱くなって仕方がない。どうしていきなり、アカギがこんなに求めてくるんだろう。
「ふ、ふ……っ」
本気でこちらに舌を伸ばしてくるアカギに意識をやると、彼の下半身は既に熱を帯びていた。