2.目覚め
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何やらあちらでヤクザたちは揉めていたようだが、勝負は再開された。舞美はなんとなくアカギが凄いことをしていることしか分からなかったが、とにかく、次もアカギが制した。
もちろん、南郷や舞美は大興奮。
初めはアカギを疑っていた刑事も、気がつけば彼の腕前に惚れ込んだようで、もう舞美やアカギを捕まえようとする気はないらしい。アカギはカリスマ性も持ち合わせていたということだ。ただ、こんな奴が刑事で良いのか。
舞美はやれやれと頭を振った。
ヤクザたちはまた仮眠室とやらに籠ったので、その隙に2人はアカギに麻雀を教えた。その間舞美は話を聞きながらも暇を持て余す。1番最初にアカギに惚れ込んだのはわたしなのになぁ、と僅かながら嫉妬心を抱いて。
そしてふと時計を見ると、もう3時半を過ぎたところだった。
「おいっ…! いつまで待たせるつもりだよっ…? 夜が明けちまうぜっ…!」
刑事が急かし、再び開始される麻雀。やはりアカギは好調で、舞美は度々うっとりとアカギを見つめた。アカギは舞美に対して何か言うこともなく、あくまでも自分の麻雀を打っている。
と、その時。
「矢木…」
彼らによると、代打ちと呼ばれる裏の麻雀打ち、矢木圭次がようやく到着したようだ。オールバックにした髪が目立つ。いかにも麻雀が強そうだとの印象を受けた。
彼はなんだかんだで次の勝負から代わることになり、とうとう2人が闘う時がやってきた。
矢木は2つの条件をアカギに突きつける。1つはイカサマ防止のためのものであったが、問題はもう1つの方だった。それは、アカギにもリスクを背負わせるために一勝負10万のサシウマを握らせる、というもの。しかも、払えない場合は指一本10万で請け負うなどと言い出したのだ。
「ああ、そうだな……こんなこと言いたくはないが、別にそこの隣のお嬢ちゃんの指でも構わないぜ」
「わ、わたし?」
舞美は目を見開いた。指一本。失うなら、やはり、あまり使わない小指だろうか?
「あ…あんたねぇ…」
南郷が止めにかかるが、アカギは「いいよ…」と言った。
「えっ?」
「同じならいい…」
アカギは、矢木が払えなければ同じ代償を差し出すのならいいと言ってから、にやりと笑った。
「でも、どちらにせよ、コイツには手を出させないよ」
「え?」
アカギは舞美をちらりと見た。
「舞美は勝負に関係ないでしょ。それに女だぜ」
一応、女だとは思われてたんだ。そう思った舞美は、次のアカギの言葉にまた驚かされる。なんとアカギはこちらを正面から見据えて、まるで愛の言葉でも囁くかのように言ったのだ。
「安心しなよ。あんたには傷ひとつ負わせない」
それはおそらく、ただ真剣な勝負を汚さないために言った言葉だったのだろう。特に意味はなかったのかもしれない。
しかし、それは舞美の、不良に対しての単純な興味が、淡い恋心に変わった瞬間だった。
もちろん、南郷や舞美は大興奮。
初めはアカギを疑っていた刑事も、気がつけば彼の腕前に惚れ込んだようで、もう舞美やアカギを捕まえようとする気はないらしい。アカギはカリスマ性も持ち合わせていたということだ。ただ、こんな奴が刑事で良いのか。
舞美はやれやれと頭を振った。
ヤクザたちはまた仮眠室とやらに籠ったので、その隙に2人はアカギに麻雀を教えた。その間舞美は話を聞きながらも暇を持て余す。1番最初にアカギに惚れ込んだのはわたしなのになぁ、と僅かながら嫉妬心を抱いて。
そしてふと時計を見ると、もう3時半を過ぎたところだった。
「おいっ…! いつまで待たせるつもりだよっ…? 夜が明けちまうぜっ…!」
刑事が急かし、再び開始される麻雀。やはりアカギは好調で、舞美は度々うっとりとアカギを見つめた。アカギは舞美に対して何か言うこともなく、あくまでも自分の麻雀を打っている。
と、その時。
「矢木…」
彼らによると、代打ちと呼ばれる裏の麻雀打ち、矢木圭次がようやく到着したようだ。オールバックにした髪が目立つ。いかにも麻雀が強そうだとの印象を受けた。
彼はなんだかんだで次の勝負から代わることになり、とうとう2人が闘う時がやってきた。
矢木は2つの条件をアカギに突きつける。1つはイカサマ防止のためのものであったが、問題はもう1つの方だった。それは、アカギにもリスクを背負わせるために一勝負10万のサシウマを握らせる、というもの。しかも、払えない場合は指一本10万で請け負うなどと言い出したのだ。
「ああ、そうだな……こんなこと言いたくはないが、別にそこの隣のお嬢ちゃんの指でも構わないぜ」
「わ、わたし?」
舞美は目を見開いた。指一本。失うなら、やはり、あまり使わない小指だろうか?
「あ…あんたねぇ…」
南郷が止めにかかるが、アカギは「いいよ…」と言った。
「えっ?」
「同じならいい…」
アカギは、矢木が払えなければ同じ代償を差し出すのならいいと言ってから、にやりと笑った。
「でも、どちらにせよ、コイツには手を出させないよ」
「え?」
アカギは舞美をちらりと見た。
「舞美は勝負に関係ないでしょ。それに女だぜ」
一応、女だとは思われてたんだ。そう思った舞美は、次のアカギの言葉にまた驚かされる。なんとアカギはこちらを正面から見据えて、まるで愛の言葉でも囁くかのように言ったのだ。
「安心しなよ。あんたには傷ひとつ負わせない」
それはおそらく、ただ真剣な勝負を汚さないために言った言葉だったのだろう。特に意味はなかったのかもしれない。
しかし、それは舞美の、不良に対しての単純な興味が、淡い恋心に変わった瞬間だった。