15.一辺倒
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アカギの言葉を反芻しているうち、とうとう、鷲巣麻雀が始まることとなった。舞美を現実に引き戻したのは、注射器。
傷のないアカギの綺麗な腕に、献血用の針がぷすりと刺される様子を見つめる。痛そうだけれど、これから目の前で血を抜かれていくアカギを見ることになると思うと、ぞっとする。
そしてもちろん、鷲巣の命の金である5億の札束も運ばれてきた。バサリ、と布が払われそれが現れると、流石にそちらに目をやってしまう。これほどの大金は見たことがない。本物だ。
(とうとう始まるんだ……)
鷲巣がたった2万点の点棒を雑にアカギに投げ、サイコロを振らせ起家を決めると、もう配牌だ。透明な牌がやってくるのを舞美は後ろから眺め、ごくりと喉を鳴らした。
そして第一打。パシッ、と綺麗に音が鳴り、とうとう、鷲巣麻雀がスタートしてしまった。
この特殊麻雀、どのように打つのが良いかなど検討もつかない。とりあえず簡単に振ってしまうようなことはないだろうが、どうやって点数をとりに行けば良いのか。
案外、はじめは普通の麻雀と変わらなかった。途中でアカギが鷲巣の手牌に一度テンパイを崩し、もう一度張り直してから安岡からの差し込みで点数を得る。
「ピンフドラ1、2000。」
まずは凌いだ。
やっぱり、この安全策が一番だろうか。
すると、鷲巣は笑い出す。
「凡庸な……それでは生き残れぬ。そんな麻雀じゃ、死ぬぞ」
分かりやすい挑発。でも、なんとなく不気味な気がした。仰木はアカギに聞く耳を持つな、と忠告したが、アカギはそうでもないらしかった。
「まあ挑発もあるだろうが、基本、鷲巣の言っていることは正論」
「フッフッフ……!」
「ただ、ことはそれほど単純じゃないんでね。」
舞美はアカギの発言にぱっと顔を上げた。
ああ、この感じ。
もう何度も経験している。
たぶん、アカギはもう、常人とは全く違うことを考えているんだろう。
というかおそらく、“それ”は既に始まっている。
アカギは何か布石のようなものを置いている。
舞美は直感的にそう思った。
そして興奮した。
今度は彼が何を企んでいるのか。
舞美は自身の頭で考える。
さてなんだろう?
アカギは背後で思考を巡らせる舞美を知ってか知らずか、どこか楽しそうに笑った。
「まあ、いずれ気付くさ。フフフ……」
傷のないアカギの綺麗な腕に、献血用の針がぷすりと刺される様子を見つめる。痛そうだけれど、これから目の前で血を抜かれていくアカギを見ることになると思うと、ぞっとする。
そしてもちろん、鷲巣の命の金である5億の札束も運ばれてきた。バサリ、と布が払われそれが現れると、流石にそちらに目をやってしまう。これほどの大金は見たことがない。本物だ。
(とうとう始まるんだ……)
鷲巣がたった2万点の点棒を雑にアカギに投げ、サイコロを振らせ起家を決めると、もう配牌だ。透明な牌がやってくるのを舞美は後ろから眺め、ごくりと喉を鳴らした。
そして第一打。パシッ、と綺麗に音が鳴り、とうとう、鷲巣麻雀がスタートしてしまった。
この特殊麻雀、どのように打つのが良いかなど検討もつかない。とりあえず簡単に振ってしまうようなことはないだろうが、どうやって点数をとりに行けば良いのか。
案外、はじめは普通の麻雀と変わらなかった。途中でアカギが鷲巣の手牌に一度テンパイを崩し、もう一度張り直してから安岡からの差し込みで点数を得る。
「ピンフドラ1、2000。」
まずは凌いだ。
やっぱり、この安全策が一番だろうか。
すると、鷲巣は笑い出す。
「凡庸な……それでは生き残れぬ。そんな麻雀じゃ、死ぬぞ」
分かりやすい挑発。でも、なんとなく不気味な気がした。仰木はアカギに聞く耳を持つな、と忠告したが、アカギはそうでもないらしかった。
「まあ挑発もあるだろうが、基本、鷲巣の言っていることは正論」
「フッフッフ……!」
「ただ、ことはそれほど単純じゃないんでね。」
舞美はアカギの発言にぱっと顔を上げた。
ああ、この感じ。
もう何度も経験している。
たぶん、アカギはもう、常人とは全く違うことを考えているんだろう。
というかおそらく、“それ”は既に始まっている。
アカギは何か布石のようなものを置いている。
舞美は直感的にそう思った。
そして興奮した。
今度は彼が何を企んでいるのか。
舞美は自身の頭で考える。
さてなんだろう?
アカギは背後で思考を巡らせる舞美を知ってか知らずか、どこか楽しそうに笑った。
「まあ、いずれ気付くさ。フフフ……」