2.目覚め
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
麻雀が始まった。
舞美が見ている限り、アカギに何か飛び抜けて才があるようには見えない。アカギは東場、一度も和了らなかった。
しかし、逆に振り込むこともなかった。これはたまたまなのかなんなのか、舞美には分からない。
しかし、やはりアカギは役さえ知らない状態。竜崎が2つのペアを7つ揃えたやつ——確か七対子とかいう役だったかな——をツモると、そんな特殊な役があったのかと驚いたように凝視していた。そこで舞美は、
「がんばって」
アカギにだけ聞こえるように、そう囁く。
彼は軽く頷いたように見えた。
気がつけば南二局。
そろそろゲームが終わってしまう。
そう思った矢先。
なに、これは。どうなってんの?
舞美は驚いた顔をしないようにするのが精一杯だった。なんと、最初っから、白いのと、中と書かれた赤いやつと、ハツ(?)と書かれた緑の牌が、それぞれ2つずつある!
確か、3つ集めると役満ではないか。やっぱりアカギは何か持っているに違いない。
舞美は一瞬だけ、他のメンツが自分たちの配牌を見ている間に、キラキラとした目でアカギを見つめた。しかし、彼の表情は変わらず。
流石のポーカーフェイスだ。崩れそうにない。
そこで、一枚目の“中”が捨てられた。アカギは「ポン」と言わない。なるほど二枚目が捨てられた時に鳴くか、自力でツモるかするつもりだな、と舞美は感心する。
続いて白も發も無視。相当自信があるようだ。
が、今度は二枚目の中。さて、鳴くのか、と思ったら、アカギはなにも言わない。
……えっ、なんでよ⁈
舞美は焦ってアカギを見てしまいそうになるが、竜崎たちにバレては困るので、何気ない顔をしたまま卓の下でアカギの靴を踏んだ。
しかし、アカギは反応せず。
仕方なくアカギの上から足をどけるものの、舞美はなんとも納得がいかない。
と、その時。
舞美は顔を上げた。何か音が聞こえる。
すると、対面の竜崎と目が合った。
「し……!」
彼は口に人差し指を当てる。
「……誰かが階段を上ってくる…」
耳をすますと、確かにコツコツと足音が聞こえた。
アカギも扉の方をじっと見て、何か警戒している様子だ。
そこで、竜崎が黒服に尋ねさせると、「警察の者です」との返事が。
雀荘内に、一瞬の静けさが訪れる。
舞美とアカギだけは、警察がここへ来た理由を知っていた。
アカギは舞美の耳にそっと口を寄せた。
「あんたじゃないよね」
舞美はアカギがこちらに距離を詰めてきたことに驚きつつも、こくんと頷いた。
「まさか……そんな素振り、なかったでしょ」
それに、今ここであなたを通報するメリット、わたしにはないし。
「なら良いんだ」
舞美は、もう一度扉の方を不安げに見つめた。アカギが捕まったら、せっかくの大冒険が終わっちゃう。
が、無力な舞美は、ただただ黒服と警察のやり取りを聞くことしかできなかった。
舞美が見ている限り、アカギに何か飛び抜けて才があるようには見えない。アカギは東場、一度も和了らなかった。
しかし、逆に振り込むこともなかった。これはたまたまなのかなんなのか、舞美には分からない。
しかし、やはりアカギは役さえ知らない状態。竜崎が2つのペアを7つ揃えたやつ——確か七対子とかいう役だったかな——をツモると、そんな特殊な役があったのかと驚いたように凝視していた。そこで舞美は、
「がんばって」
アカギにだけ聞こえるように、そう囁く。
彼は軽く頷いたように見えた。
気がつけば南二局。
そろそろゲームが終わってしまう。
そう思った矢先。
なに、これは。どうなってんの?
舞美は驚いた顔をしないようにするのが精一杯だった。なんと、最初っから、白いのと、中と書かれた赤いやつと、ハツ(?)と書かれた緑の牌が、それぞれ2つずつある!
確か、3つ集めると役満ではないか。やっぱりアカギは何か持っているに違いない。
舞美は一瞬だけ、他のメンツが自分たちの配牌を見ている間に、キラキラとした目でアカギを見つめた。しかし、彼の表情は変わらず。
流石のポーカーフェイスだ。崩れそうにない。
そこで、一枚目の“中”が捨てられた。アカギは「ポン」と言わない。なるほど二枚目が捨てられた時に鳴くか、自力でツモるかするつもりだな、と舞美は感心する。
続いて白も發も無視。相当自信があるようだ。
が、今度は二枚目の中。さて、鳴くのか、と思ったら、アカギはなにも言わない。
……えっ、なんでよ⁈
舞美は焦ってアカギを見てしまいそうになるが、竜崎たちにバレては困るので、何気ない顔をしたまま卓の下でアカギの靴を踏んだ。
しかし、アカギは反応せず。
仕方なくアカギの上から足をどけるものの、舞美はなんとも納得がいかない。
と、その時。
舞美は顔を上げた。何か音が聞こえる。
すると、対面の竜崎と目が合った。
「し……!」
彼は口に人差し指を当てる。
「……誰かが階段を上ってくる…」
耳をすますと、確かにコツコツと足音が聞こえた。
アカギも扉の方をじっと見て、何か警戒している様子だ。
そこで、竜崎が黒服に尋ねさせると、「警察の者です」との返事が。
雀荘内に、一瞬の静けさが訪れる。
舞美とアカギだけは、警察がここへ来た理由を知っていた。
アカギは舞美の耳にそっと口を寄せた。
「あんたじゃないよね」
舞美はアカギがこちらに距離を詰めてきたことに驚きつつも、こくんと頷いた。
「まさか……そんな素振り、なかったでしょ」
それに、今ここであなたを通報するメリット、わたしにはないし。
「なら良いんだ」
舞美は、もう一度扉の方を不安げに見つめた。アカギが捕まったら、せっかくの大冒険が終わっちゃう。
が、無力な舞美は、ただただ黒服と警察のやり取りを聞くことしかできなかった。