無頼な恋
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言った。
……実は、もう、抑えきれなかったんだ。
今まで見て見ぬふりをしてしたオレの気持ちは、彼女の笑顔によってたった今解き放たれた。
「えっ……あっ」
窓から風が吹きこみ、オレの短髪がそよぐ。
オレはうろたえている東雲の目を見て、もう一度勇気を出す。
「前からずっと」
「涯くん……」
言い切ると、オレは急に恥ずかしくなって俯き、東雲をちらりと盗み見た。彼女も真っ赤になっている。
「ほ、ほんとなの?」
「オレは嘘はつかない。……すきだから」
言ってしまった、ほんとうに。
オレが東雲に向き合うと、彼女は目を泳がせている。東雲は彼氏のいたことがないらしい。それなら、告白されるのも慣れてはいないはず……。
「ダメ……か?」
「えっと、」
「東雲」
彼女は、うまく話せないながらも、本当に真っ赤に染まってから、小声で答えた。
「私もすき……です」
彼女の唇の動きに釘付けとなり、その言葉の意味を理解した瞬間、オレは目を見開いた。
東雲がオレをすきだって言ったんだ。
ってことは、これは、両思い、ってやつ……?
「本当か……?」
オレは我慢ならなくなって、東雲のすぐ隣に椅子を近づけた。
「ち、近いよ涯くんっ……」
「近づきたい」
どうしても彼女に触れたくて、そっと東雲の頰に手を添えると、それはそれは熱くて、オレにもその熱がうつってくるぐらいだった。
「かわいい」
「わ、私?」
「うん。おまえしかいないだろ」
「で、でも私」
「余所見するな」
目を逸らしたがる東雲の顔を両手で挟み、その顔を覗き込む。
オレもこんなことしたことない。
でも、こうやって東雲を前にすると、己の欲望のまま彼女に触れ、自分のものにしようとしてしまう。……オレの本能だろうか。
「これから、舞美って呼んでも良いのか……?」
「う、うん」
東雲ははにかんだ。
「実は、ずっと前からそう呼んでほしかったんだ……」
なんだそれ。かわいすぎだろ。
オレは今までにないほど赤くなりながら、彼女に顔を近づけた。
「舞美……」
「え、あのっ」
勇気を出して、唇同士をくっつけるタイプの、あの有名な愛情表現をしようとすると、その前に胸元を押し返された。
「ま、待って涯くん! それは、早いよ……」
「早い?」
「だって私、心臓、持たないもん……!」
「そ、そうだよな」
オレもそんなことして理性を保てるわけがない。万が一、そこでリミッターを外してしまって、東雲に何か変なことをしてしまったらその時点でこの関係は終了してしまう。
危なかった。
オレは身を引いて、また適切な距離を保った。
それなのに、今度は東雲が体を寄せてきた。びくびくしながらオレに体重をかけてくる。
彼女もオレにくっつきたいのだろうか。
でも、慣れてないから動きがぎこちない。
ふるふると頑張っているこの初々しさがたまらない。
彼女はゆっくりとした動きでオレにもたれかかった。オレの体温に慣れてきたのか、至福の表情を浮かべている。オレはたじたじになりながらも、彼女の頭にそっと手をのせた。
「んー……」
撫でられるのが好きなのか、小さく声を出す東雲。小動物的かわいさ。猫よりももっとかわいくて、あざとい。
それが東雲舞美という生き物。
オレが1番すきなひと。
「涯くんすき……」
この時、よくオレは我慢したと思う。
普通の奴なら理性ふっ飛ぶだろ、絶対。
「焼きもち、焼いたりしてたの気づいてた?」
「そうかな、とは思ってたけど。本当に焼いてたんだ」
「うん……」
「ま、オレもない、とは言い切れない……!」
「え。涯くんも焼いてたの」
東雲がさらにオレに体重を預ける。
信頼されているようで胸が熱くなる。
ふわり、と女子特有の良い匂いがして、オレは東雲を見下ろした。
彼女はうふふ、と笑っている。
「なに……?」
「涯くんどうしよう、しあわせ……」
「よかったな」
「うん」
オレは東雲に笑いかけた。
「オレもだ」
……実は、もう、抑えきれなかったんだ。
今まで見て見ぬふりをしてしたオレの気持ちは、彼女の笑顔によってたった今解き放たれた。
「えっ……あっ」
窓から風が吹きこみ、オレの短髪がそよぐ。
オレはうろたえている東雲の目を見て、もう一度勇気を出す。
「前からずっと」
「涯くん……」
言い切ると、オレは急に恥ずかしくなって俯き、東雲をちらりと盗み見た。彼女も真っ赤になっている。
「ほ、ほんとなの?」
「オレは嘘はつかない。……すきだから」
言ってしまった、ほんとうに。
オレが東雲に向き合うと、彼女は目を泳がせている。東雲は彼氏のいたことがないらしい。それなら、告白されるのも慣れてはいないはず……。
「ダメ……か?」
「えっと、」
「東雲」
彼女は、うまく話せないながらも、本当に真っ赤に染まってから、小声で答えた。
「私もすき……です」
彼女の唇の動きに釘付けとなり、その言葉の意味を理解した瞬間、オレは目を見開いた。
東雲がオレをすきだって言ったんだ。
ってことは、これは、両思い、ってやつ……?
「本当か……?」
オレは我慢ならなくなって、東雲のすぐ隣に椅子を近づけた。
「ち、近いよ涯くんっ……」
「近づきたい」
どうしても彼女に触れたくて、そっと東雲の頰に手を添えると、それはそれは熱くて、オレにもその熱がうつってくるぐらいだった。
「かわいい」
「わ、私?」
「うん。おまえしかいないだろ」
「で、でも私」
「余所見するな」
目を逸らしたがる東雲の顔を両手で挟み、その顔を覗き込む。
オレもこんなことしたことない。
でも、こうやって東雲を前にすると、己の欲望のまま彼女に触れ、自分のものにしようとしてしまう。……オレの本能だろうか。
「これから、舞美って呼んでも良いのか……?」
「う、うん」
東雲ははにかんだ。
「実は、ずっと前からそう呼んでほしかったんだ……」
なんだそれ。かわいすぎだろ。
オレは今までにないほど赤くなりながら、彼女に顔を近づけた。
「舞美……」
「え、あのっ」
勇気を出して、唇同士をくっつけるタイプの、あの有名な愛情表現をしようとすると、その前に胸元を押し返された。
「ま、待って涯くん! それは、早いよ……」
「早い?」
「だって私、心臓、持たないもん……!」
「そ、そうだよな」
オレもそんなことして理性を保てるわけがない。万が一、そこでリミッターを外してしまって、東雲に何か変なことをしてしまったらその時点でこの関係は終了してしまう。
危なかった。
オレは身を引いて、また適切な距離を保った。
それなのに、今度は東雲が体を寄せてきた。びくびくしながらオレに体重をかけてくる。
彼女もオレにくっつきたいのだろうか。
でも、慣れてないから動きがぎこちない。
ふるふると頑張っているこの初々しさがたまらない。
彼女はゆっくりとした動きでオレにもたれかかった。オレの体温に慣れてきたのか、至福の表情を浮かべている。オレはたじたじになりながらも、彼女の頭にそっと手をのせた。
「んー……」
撫でられるのが好きなのか、小さく声を出す東雲。小動物的かわいさ。猫よりももっとかわいくて、あざとい。
それが東雲舞美という生き物。
オレが1番すきなひと。
「涯くんすき……」
この時、よくオレは我慢したと思う。
普通の奴なら理性ふっ飛ぶだろ、絶対。
「焼きもち、焼いたりしてたの気づいてた?」
「そうかな、とは思ってたけど。本当に焼いてたんだ」
「うん……」
「ま、オレもない、とは言い切れない……!」
「え。涯くんも焼いてたの」
東雲がさらにオレに体重を預ける。
信頼されているようで胸が熱くなる。
ふわり、と女子特有の良い匂いがして、オレは東雲を見下ろした。
彼女はうふふ、と笑っている。
「なに……?」
「涯くんどうしよう、しあわせ……」
「よかったな」
「うん」
オレは東雲に笑いかけた。
「オレもだ」