無頼な恋
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その日の放課後、オレは図書室へ足を運んだ。元々オレは本の世界が好きだし、何か本を借りたかった。
だから、例えばさっき図書室へ向かっていた東雲とばったり出くわしても、それは全くの偶然なんだ。だってオレはオレの意思で図書室に向かうんだから。
別に全然、東雲を追いかけているわけじゃない。
中を見渡すと、東雲は見当たらなかった。
ちぇ。
とりあえずオレの気に入っている奥の本棚まで行くか。
……って、嘘だろ? あれ、東雲だよな?
ここまでオレと気が合うとは。
オレは本を探すふりをして、さりげなく東雲の隣に立った。東雲は難しい顔をして本棚にある本の背表紙を眺めている。
オレに対する反応は特にない。
もしかして、オレの存在に気が付いていないのか?
仕方なく、コホン、と咳払いをしてみた。
「わっ、涯くん?」
「あ、あぁ。東雲」
できるだけ自然に、オレも今おまえに気が付いたんだ、みたいな顔をする。
「涯くんも本を借りに来たの?」
「まあな。……この辺の本、気に入ってるんだ」
「わかるかも。私も大体本探す時はここだもん」
「そうか……じゃあ、何かオススメのやつとかあったりするか?」
「あ、うん! これとか、面白かった」
「ふーん……。じゃあ、これにする」
オレは東雲が指した本を手に取った。
「えっ、それで良いの?」
「ああ。東雲が面白いって思ったんなら、たぶん面白いだろうし」
「う。じゃあ、涯くんのオススメも教えてよ」
「オレか。オレは……そうだな、これだ」
「これかあ。よし、私も決まり」
「ああ」
……よし、良い感じに会話できた気がする。というか、教室じゃないところで女子と2人きりで話すことって中々ないし、結構緊張するな。それに図書室は大きな声も出せないから、まるで秘密を共有しているみたいな気分になる。
しかも相手は東雲だし。
オレは東雲と連なってカウンターに本を持っていき、貸し出し受付を済ませた。
「涯くんのオススメ、楽しみ」
「……気にいってもらえれば良いけど」
オレは言いながら、図書室を出た。東雲はオレの後ろをちょこちょこついてくる。
オレよりも背が低いから、こうして自然と彼女を見てしまう時がある。
……それにしても、いつまで付いてくるのだろうか?
「が、涯くんって部活やってないよね?」
「ああ。やってない」
そんなことやる気もない……とは言わなかったが、とりあえず答えておいた。すると、東雲は「一緒! 私も帰宅部なんだよね」とニコニコしだした。
帰宅部……、帰宅?
オレは喉を鳴らした。
もしかして……オレ、東雲と一緒に下校できたりすんのか?
だから、例えばさっき図書室へ向かっていた東雲とばったり出くわしても、それは全くの偶然なんだ。だってオレはオレの意思で図書室に向かうんだから。
別に全然、東雲を追いかけているわけじゃない。
中を見渡すと、東雲は見当たらなかった。
ちぇ。
とりあえずオレの気に入っている奥の本棚まで行くか。
……って、嘘だろ? あれ、東雲だよな?
ここまでオレと気が合うとは。
オレは本を探すふりをして、さりげなく東雲の隣に立った。東雲は難しい顔をして本棚にある本の背表紙を眺めている。
オレに対する反応は特にない。
もしかして、オレの存在に気が付いていないのか?
仕方なく、コホン、と咳払いをしてみた。
「わっ、涯くん?」
「あ、あぁ。東雲」
できるだけ自然に、オレも今おまえに気が付いたんだ、みたいな顔をする。
「涯くんも本を借りに来たの?」
「まあな。……この辺の本、気に入ってるんだ」
「わかるかも。私も大体本探す時はここだもん」
「そうか……じゃあ、何かオススメのやつとかあったりするか?」
「あ、うん! これとか、面白かった」
「ふーん……。じゃあ、これにする」
オレは東雲が指した本を手に取った。
「えっ、それで良いの?」
「ああ。東雲が面白いって思ったんなら、たぶん面白いだろうし」
「う。じゃあ、涯くんのオススメも教えてよ」
「オレか。オレは……そうだな、これだ」
「これかあ。よし、私も決まり」
「ああ」
……よし、良い感じに会話できた気がする。というか、教室じゃないところで女子と2人きりで話すことって中々ないし、結構緊張するな。それに図書室は大きな声も出せないから、まるで秘密を共有しているみたいな気分になる。
しかも相手は東雲だし。
オレは東雲と連なってカウンターに本を持っていき、貸し出し受付を済ませた。
「涯くんのオススメ、楽しみ」
「……気にいってもらえれば良いけど」
オレは言いながら、図書室を出た。東雲はオレの後ろをちょこちょこついてくる。
オレよりも背が低いから、こうして自然と彼女を見てしまう時がある。
……それにしても、いつまで付いてくるのだろうか?
「が、涯くんって部活やってないよね?」
「ああ。やってない」
そんなことやる気もない……とは言わなかったが、とりあえず答えておいた。すると、東雲は「一緒! 私も帰宅部なんだよね」とニコニコしだした。
帰宅部……、帰宅?
オレは喉を鳴らした。
もしかして……オレ、東雲と一緒に下校できたりすんのか?