無頼な恋
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そこで思いついたのは、東雲が読んだと言っていた三国志を学校に持っていき、東雲の目につくところで読むという作戦。
これなら東雲の得意ジャンルだろうから、向こうからも話しかけやすいはず……!
もちろん、本当ならオレから話しかけたいところ。が、東雲が三国志を読んだことがある という情報を、喋ったこともないオレが知っているのはおかしい。
それでまた東雲に恐がられちゃ元も子もない。だからここは、オレの戦略通りに行くのが得策。
早速登校後すぐ席について、本を取り出して黙々と読む。……まだ東雲は学校に着いていないようだ。はあ、早く来ねえかな。
とりあえず、読み進めておくか。
***
待っていると、続々と人が教室に入ってきた。
そろそろ東雲も来るはず……。
あ、彼女だ。歩きながらこっちに来る……。
おっと、オレは今本に集中していないとな。
オレは心の内で念じた。
気付け。オレの読んでる本を見ろ。
「ごほんっ……」
とりあえず咳払いをする。ああ駄目だ、中々タイトル部分が東雲の目につかない。これじゃ駄目だ。
仕方なく、一旦表紙が見えるように、本を開いたまま机に裏返しに置いた。そしてうーん、と思い切り伸びをする。ほら、見ろってば。
おまえの好きな三国志だぞっ。
オレの願いが届いたのか、東雲は隣のオレをちらりと見た。
「おはよ……っ」
「あ、ああ、……はよ」
またオレに挨拶、した。
まあ、別に大した意味はないと思うけど。
そう思って気分を落ち着かせていると、彼女はおそるおそる指を指してこう言った。
「ね、ねえそれってさ……三国志?」
き、来たっ……! 千載一遇のチャンス、オレが待ち望んでいた発言そのものが……!
「そう、だけど」
オレはそう言ってから、付け足した。
「もしかして、知ってたりするのか?」
「うん」
尋ねると、東雲はすぐにこくんと頷いた。
「私も、すきなんだ」
す、すき……。
「あー……」
もちろん三国志のことを言ってるんだろうけど、そんな単語を使われると、変に意識してしまってうまく話せない。
しかしここはオレも男を見せる時。
だから、
「お、オレも結構すき……なんだけど」
と伝えてみた。
言うと、東雲ははにかみながら、
「いっしょ……」
と笑った。
——たぶん、彼女はすごくかわいいんだと思う。
だって、ただ見てるだけで、頰が熱くなって仕方ないんだ。
これなら東雲の得意ジャンルだろうから、向こうからも話しかけやすいはず……!
もちろん、本当ならオレから話しかけたいところ。が、東雲が三国志を読んだことがある という情報を、喋ったこともないオレが知っているのはおかしい。
それでまた東雲に恐がられちゃ元も子もない。だからここは、オレの戦略通りに行くのが得策。
早速登校後すぐ席について、本を取り出して黙々と読む。……まだ東雲は学校に着いていないようだ。はあ、早く来ねえかな。
とりあえず、読み進めておくか。
***
待っていると、続々と人が教室に入ってきた。
そろそろ東雲も来るはず……。
あ、彼女だ。歩きながらこっちに来る……。
おっと、オレは今本に集中していないとな。
オレは心の内で念じた。
気付け。オレの読んでる本を見ろ。
「ごほんっ……」
とりあえず咳払いをする。ああ駄目だ、中々タイトル部分が東雲の目につかない。これじゃ駄目だ。
仕方なく、一旦表紙が見えるように、本を開いたまま机に裏返しに置いた。そしてうーん、と思い切り伸びをする。ほら、見ろってば。
おまえの好きな三国志だぞっ。
オレの願いが届いたのか、東雲は隣のオレをちらりと見た。
「おはよ……っ」
「あ、ああ、……はよ」
またオレに挨拶、した。
まあ、別に大した意味はないと思うけど。
そう思って気分を落ち着かせていると、彼女はおそるおそる指を指してこう言った。
「ね、ねえそれってさ……三国志?」
き、来たっ……! 千載一遇のチャンス、オレが待ち望んでいた発言そのものが……!
「そう、だけど」
オレはそう言ってから、付け足した。
「もしかして、知ってたりするのか?」
「うん」
尋ねると、東雲はすぐにこくんと頷いた。
「私も、すきなんだ」
す、すき……。
「あー……」
もちろん三国志のことを言ってるんだろうけど、そんな単語を使われると、変に意識してしまってうまく話せない。
しかしここはオレも男を見せる時。
だから、
「お、オレも結構すき……なんだけど」
と伝えてみた。
言うと、東雲ははにかみながら、
「いっしょ……」
と笑った。
——たぶん、彼女はすごくかわいいんだと思う。
だって、ただ見てるだけで、頰が熱くなって仕方ないんだ。