赤の他人
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「なんっ……。私……、」
あまりのショックに、何も言えなくなる。
「……嘘って、言ってください」
絞り出した言葉に、赤木さんは哀しそうに首を振った。
「赤木さん、もう、会えない? 二度と? 絶対?」
お願いします。どれか1つは否定してください。
そんなのって、哀しすぎるから。
それなのに、
「二度と。絶対だ」
なんて、どうしてそんなことを言うの、私の神さま。
私は、長い沈黙のあと、頷いた。
「分かりました……。赤木さんがそう言うんなら、そうなんですよね。でも、教えてくれて良かったです。今夜が、最後なんですね」
「ああ」
私は、赤木さんに縋った。
「おねがい、赤木さん、抱いて」
「フフ……。残念だが、駄目だ」
「なんで」
涙ぐんで訴えると、赤木さんは「泣くな泣くな」と指で雫を拭ってくれた。
「おまえを、他の女と一緒にしたくないんだ……。単に欲を満たすためじゃなくて、俺の意思でおまえと過ごしたってことが、俺にとっていちばん大事だから」
赤木さんは、私を見た。
「わかるかい、お嬢さん」
私は、無言のままこくりと頷いた。
***
結局、最後の日も、ただ添い寝するだけ。
私は赤木さんの体温を覚えておこうと思って、できるだけ布団の中で擦り寄った。
きっと、明日の朝には、赤木さんはもういなくなっているはずだから、もう、本当にこれで最後なんだ。
「赤木さん」
「ん、どうした」
「寝たくないです。勿体無くて、寝れません」
赤木さんは、また私の頭を撫でた。
「じゃあ、こうしよう。もしおまえが寝たら、何か俺の物を1つ置いていく」
「……欲しいです」
「クク……これで寝れるな」
私は、布団の中で頷いた。
寝よう。最後に、赤木さんの隣で寝よう。
この温かさを、一生、忘れないように。
***
そして、朝気がついたら、私の隣には、赤木さんのジャケットだけが残っていたのだった。
あまりのショックに、何も言えなくなる。
「……嘘って、言ってください」
絞り出した言葉に、赤木さんは哀しそうに首を振った。
「赤木さん、もう、会えない? 二度と? 絶対?」
お願いします。どれか1つは否定してください。
そんなのって、哀しすぎるから。
それなのに、
「二度と。絶対だ」
なんて、どうしてそんなことを言うの、私の神さま。
私は、長い沈黙のあと、頷いた。
「分かりました……。赤木さんがそう言うんなら、そうなんですよね。でも、教えてくれて良かったです。今夜が、最後なんですね」
「ああ」
私は、赤木さんに縋った。
「おねがい、赤木さん、抱いて」
「フフ……。残念だが、駄目だ」
「なんで」
涙ぐんで訴えると、赤木さんは「泣くな泣くな」と指で雫を拭ってくれた。
「おまえを、他の女と一緒にしたくないんだ……。単に欲を満たすためじゃなくて、俺の意思でおまえと過ごしたってことが、俺にとっていちばん大事だから」
赤木さんは、私を見た。
「わかるかい、お嬢さん」
私は、無言のままこくりと頷いた。
***
結局、最後の日も、ただ添い寝するだけ。
私は赤木さんの体温を覚えておこうと思って、できるだけ布団の中で擦り寄った。
きっと、明日の朝には、赤木さんはもういなくなっているはずだから、もう、本当にこれで最後なんだ。
「赤木さん」
「ん、どうした」
「寝たくないです。勿体無くて、寝れません」
赤木さんは、また私の頭を撫でた。
「じゃあ、こうしよう。もしおまえが寝たら、何か俺の物を1つ置いていく」
「……欲しいです」
「クク……これで寝れるな」
私は、布団の中で頷いた。
寝よう。最後に、赤木さんの隣で寝よう。
この温かさを、一生、忘れないように。
***
そして、朝気がついたら、私の隣には、赤木さんのジャケットだけが残っていたのだった。