そんなこんなで、気がついたら、私の家の前に赤木さんが来ていた。

「あの……ほんとに、狭いんですが」
「ん……屋根さえあればありがたいよ」
「さ、左様ですか」
「おう」

結局、私は赤木さんをお招きした。

「なんだ、綺麗じゃないか」
「物がないだけです……」

私は、男の人を家に招いたということで、多少緊張しながら、赤木さんに狭いアパートを案内した。

「一応、お風呂がこっちです」
「ふーん」

赤木さんは頷いた。
彼がシャワーを浴びている間、私はやけにソワソワしていたが、一旦落ち着こうと思って、赤木さんと私の寝床を考えた。

とりあえず、ベッドは１つしかないから、赤木さんはそこに寝て貰うとして……

私は、あり合わせの布で非常用布団みたいなものを作った。よし、これで大丈夫。
赤木さんは、まだシャワーを浴びているようだ。

彼を待っている間、私は、なんだかウトウトしてしまい、その非常用布団の上で眠ってしまった。