赤の他人
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「私にとって、赤木さんは、仇なんです」
赤木さんは眉を吊りあげた。
「私の父は、若い頃の赤木さんに負けました」
父の名前を言うと、赤木さんは顎に手を当てた。
「ああ……確かに東雲と勝負したのは俺だな。あの東雲に、子どもがいたとはなあ」
「幼い頃、対戦相手の名前を聞いていたので、赤木しげると聞いてぴんときたんです」
「なるほどな。俺を知っていた理由はそれか」
すると、赤木さんは、何かに気づいた顔をした。
「……おまえ、今、どうなってる?」
そう。あれから、私たちには多額の借金が課せられた。そりゃ、お父さんの責任だから、赤木さんのせいにするつもりはないけれど。
「父は、その後他界して、私に借金が重なりました。今、やっと、あと100万というところです」
「……それは、おまえさんには悪いことをしたな」
赤木さんは、言った。
「それで、敵討ちにでも来たのかい」
「まさか! 違います。ただ、会って話をしてみたくて」
「ほう」
「というのも……、私も、麻雀が打てるので、仇とかそういうこと以前に、尊敬してるというか……」
「それはよかったが。なんの恨みもないのか」
「ない……と言いたいところですね」
私はいたずらっぽく笑ってみせた。
「ハハ……! 正直でいいこった」
でも、本当は、違う。
私は、赤木しげるって人に恨みを持っていた。
そのはずだった。
だから見つけ出して敵討ちしてやりたいって、考えてた、はず。たとえ無理だとしても。
本当に、今朝まで考えていたのに。
でも、この人が赤木しげるだって思ったら、そんな気力も失せてしまった。
というか、恨みとやらが消えてなくなってしまったようなのだ。
ああもうホント、嘘だって思いたい。
というのも、なんていうか……
だって、赤木さんがこんなに格好いいなんて、知らなかったから‼︎
赤木さんは眉を吊りあげた。
「私の父は、若い頃の赤木さんに負けました」
父の名前を言うと、赤木さんは顎に手を当てた。
「ああ……確かに東雲と勝負したのは俺だな。あの東雲に、子どもがいたとはなあ」
「幼い頃、対戦相手の名前を聞いていたので、赤木しげると聞いてぴんときたんです」
「なるほどな。俺を知っていた理由はそれか」
すると、赤木さんは、何かに気づいた顔をした。
「……おまえ、今、どうなってる?」
そう。あれから、私たちには多額の借金が課せられた。そりゃ、お父さんの責任だから、赤木さんのせいにするつもりはないけれど。
「父は、その後他界して、私に借金が重なりました。今、やっと、あと100万というところです」
「……それは、おまえさんには悪いことをしたな」
赤木さんは、言った。
「それで、敵討ちにでも来たのかい」
「まさか! 違います。ただ、会って話をしてみたくて」
「ほう」
「というのも……、私も、麻雀が打てるので、仇とかそういうこと以前に、尊敬してるというか……」
「それはよかったが。なんの恨みもないのか」
「ない……と言いたいところですね」
私はいたずらっぽく笑ってみせた。
「ハハ……! 正直でいいこった」
でも、本当は、違う。
私は、赤木しげるって人に恨みを持っていた。
そのはずだった。
だから見つけ出して敵討ちしてやりたいって、考えてた、はず。たとえ無理だとしても。
本当に、今朝まで考えていたのに。
でも、この人が赤木しげるだって思ったら、そんな気力も失せてしまった。
というか、恨みとやらが消えてなくなってしまったようなのだ。
ああもうホント、嘘だって思いたい。
というのも、なんていうか……
だって、赤木さんがこんなに格好いいなんて、知らなかったから‼︎