パチ屋の拾い物
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そこでも、女1人だということに興味を持たれ、周りから見られる舞美だが、そんなことは気にせずカウンターに座った。
「こんばんはー」
たまに男が話しかけに来たりもするが、軽くあしらう。こういった状況は、バーなどに行っても、どこへ行っても同じだった。
ただ、今日の舞美は、居酒屋の気分だったというだけ。そのために、ここに足を運んだ。
ふと、新しく入ってきた人に目を向ける。
「あ」
目が合った。長髪の男だ。
さっき、目押しをしてくれた男。
「ねえ……」
呼びかけると、相手も舞美に気がついたようだった。
「あ⁉︎ さっきの!」
慌ててぺこりと頭を下げる男に、舞美は自分の隣の席を叩いた。
「また会ったね! ここ、どうぞー」
「え?」
「ね、一緒に呑もうよ」
「い、いいのか……?」
「もちろん」
(僥倖……! 圧倒的僥倖……!)
居酒屋にいた他の常連たちは、舞美が男を自分から誘うのを見て驚いている。
舞美はさっきの男に良い印象を抱いていたので、自分の誘いが断られなかったことに、機嫌を良くしていた。
「あなたが当ててくれたお金で、今夜は呑めるの。感謝してる」
「それは……よかった、です」
男の方は、緊張して舞美を見られない。そもそも、自分がどうして隣で呑むことを許されたのか、良く分かっていなかった。
「そうだ、名前聞いても良い?」
「伊藤開司だ」
「へー、ちょっと珍しい名前。カイジって呼んでも?」
「好きに呼んでくれて構わない……」
「了解。あたしは、東雲舞美。舞美って呼んでくださいねぇ」
「あぁ……」
少しして、カイジがちらちらと舞美の方を見始めた。まるで捨て犬のよう。そんな姿に、舞美は胸の奥がきゅんと縮こまった。
「彼女、いる?」
「え? ……いや、いないけど」
「良かった」
「……え、どうして?」
「恋人が知らない女の人と2人で呑んでたら彼女が怒るでしょ。でも、いないなら気楽じゃない」
「って、ことは、」
「ふふ、正解。あたしも独り身ってわけです」
舞美は、カイジの反応を見た。
少しだけ、口の端を上げたような気がする。
「そ、そうか……!」
舞美は、とりあえず酒を頼んだ。
カイジの顔を見ながら呑む酒は、格別に美味しいだろう。そんな予測は、的中した。
舞美とカイジは上機嫌で酒を煽りあった。
「こんばんはー」
たまに男が話しかけに来たりもするが、軽くあしらう。こういった状況は、バーなどに行っても、どこへ行っても同じだった。
ただ、今日の舞美は、居酒屋の気分だったというだけ。そのために、ここに足を運んだ。
ふと、新しく入ってきた人に目を向ける。
「あ」
目が合った。長髪の男だ。
さっき、目押しをしてくれた男。
「ねえ……」
呼びかけると、相手も舞美に気がついたようだった。
「あ⁉︎ さっきの!」
慌ててぺこりと頭を下げる男に、舞美は自分の隣の席を叩いた。
「また会ったね! ここ、どうぞー」
「え?」
「ね、一緒に呑もうよ」
「い、いいのか……?」
「もちろん」
(僥倖……! 圧倒的僥倖……!)
居酒屋にいた他の常連たちは、舞美が男を自分から誘うのを見て驚いている。
舞美はさっきの男に良い印象を抱いていたので、自分の誘いが断られなかったことに、機嫌を良くしていた。
「あなたが当ててくれたお金で、今夜は呑めるの。感謝してる」
「それは……よかった、です」
男の方は、緊張して舞美を見られない。そもそも、自分がどうして隣で呑むことを許されたのか、良く分かっていなかった。
「そうだ、名前聞いても良い?」
「伊藤開司だ」
「へー、ちょっと珍しい名前。カイジって呼んでも?」
「好きに呼んでくれて構わない……」
「了解。あたしは、東雲舞美。舞美って呼んでくださいねぇ」
「あぁ……」
少しして、カイジがちらちらと舞美の方を見始めた。まるで捨て犬のよう。そんな姿に、舞美は胸の奥がきゅんと縮こまった。
「彼女、いる?」
「え? ……いや、いないけど」
「良かった」
「……え、どうして?」
「恋人が知らない女の人と2人で呑んでたら彼女が怒るでしょ。でも、いないなら気楽じゃない」
「って、ことは、」
「ふふ、正解。あたしも独り身ってわけです」
舞美は、カイジの反応を見た。
少しだけ、口の端を上げたような気がする。
「そ、そうか……!」
舞美は、とりあえず酒を頼んだ。
カイジの顔を見ながら呑む酒は、格別に美味しいだろう。そんな予測は、的中した。
舞美とカイジは上機嫌で酒を煽りあった。