パチ屋の拾い物
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若いのに、女1人でパチスロか……。
右隣の台に座っている女をちらりと見た男は、なんとなく珍しいなと思いながら、レバーを叩いた。
こんなところに1人で来るってことは……彼氏はいないとか?
へーえ、そういう女もいるんだな。
ま、そりゃいるよな。
割とオレと似た境遇かもしれねえ。
……いや、待て。待てよ?
逆に、男に教えられて、こういう遊びを覚えたのかもしれない。彼氏とか、元彼とか。
ああ、きっとそうだ、そうに違いない……!
ケッ、なんだなんだ。
まぁ、そりゃそうだよなぁ。
美人には、大抵既に男がいるもんだ。
オレにはカンケーねぇ。
カンケーねぇが……。ああもう、見ちまう。
そんなことをぐるぐると考えながらなけなしの金を次々と消費している男の名は、あの伊藤開司であった。
彼は今日も、仕事もせずにギャンブルに入り浸っている。片手で煙草をふかしながら。
そんなカイジの目を引いたのは、隣の若い女。
それはまさしく東雲舞美であった。
カイジが舞美を見ている間、舞美にはカイジの顔など視界に入っていない。彼女は彼女で、とある危機に瀕していたからだ。
とは言え、舞美はそれほど金に困ってはいない。
彼女がこういったものを打つのはあくまでも趣味の範囲。つまり彼女はカイジとは根本的に違った人間であった。
では、スロットを打っている今、なんの危機に瀕していると言うのか。
彼女は普段、パチンコを打っていた。
今回、初めてスロットの方に手を出したのだ。
つまり、彼女の目押しは完璧ではない。
そもそも目押しが必要ではない台に座れば良かったのに、ここに座ってしまったのが運の尽き。
いや、今、「絵柄を揃えろ!」というところまで来たというのは、むしろ運が良い。
これはチャンスではないか。
舞美は、滅多にないチャンスを逃したくないと、必死に絵柄を揃えようとしていた。
……が、駄目っ……!
見えない……!
パチスロ初心者の舞美には、揃え方が分からない……!
冷静になれば簡単なことではあるが、今が大チャンスだと考えてしまうあまり、ボタンを押す勇気が出ない……っ!
しかし、ここで時間を消費するのも得策ではない。
では、どうするべきか?
舞美は左隣に座っている男を凝視した。
長髪の、この男。
ボタンの押し方は、まるで玄人のそれだ。
この人、慣れている。
そう思った舞美は、ようやくその男に話しかけた。
「あのぉ、すみません、目押ししてもらえませんか?」
右隣の台に座っている女をちらりと見た男は、なんとなく珍しいなと思いながら、レバーを叩いた。
こんなところに1人で来るってことは……彼氏はいないとか?
へーえ、そういう女もいるんだな。
ま、そりゃいるよな。
割とオレと似た境遇かもしれねえ。
……いや、待て。待てよ?
逆に、男に教えられて、こういう遊びを覚えたのかもしれない。彼氏とか、元彼とか。
ああ、きっとそうだ、そうに違いない……!
ケッ、なんだなんだ。
まぁ、そりゃそうだよなぁ。
美人には、大抵既に男がいるもんだ。
オレにはカンケーねぇ。
カンケーねぇが……。ああもう、見ちまう。
そんなことをぐるぐると考えながらなけなしの金を次々と消費している男の名は、あの伊藤開司であった。
彼は今日も、仕事もせずにギャンブルに入り浸っている。片手で煙草をふかしながら。
そんなカイジの目を引いたのは、隣の若い女。
それはまさしく東雲舞美であった。
カイジが舞美を見ている間、舞美にはカイジの顔など視界に入っていない。彼女は彼女で、とある危機に瀕していたからだ。
とは言え、舞美はそれほど金に困ってはいない。
彼女がこういったものを打つのはあくまでも趣味の範囲。つまり彼女はカイジとは根本的に違った人間であった。
では、スロットを打っている今、なんの危機に瀕していると言うのか。
彼女は普段、パチンコを打っていた。
今回、初めてスロットの方に手を出したのだ。
つまり、彼女の目押しは完璧ではない。
そもそも目押しが必要ではない台に座れば良かったのに、ここに座ってしまったのが運の尽き。
いや、今、「絵柄を揃えろ!」というところまで来たというのは、むしろ運が良い。
これはチャンスではないか。
舞美は、滅多にないチャンスを逃したくないと、必死に絵柄を揃えようとしていた。
……が、駄目っ……!
見えない……!
パチスロ初心者の舞美には、揃え方が分からない……!
冷静になれば簡単なことではあるが、今が大チャンスだと考えてしまうあまり、ボタンを押す勇気が出ない……っ!
しかし、ここで時間を消費するのも得策ではない。
では、どうするべきか?
舞美は左隣に座っている男を凝視した。
長髪の、この男。
ボタンの押し方は、まるで玄人のそれだ。
この人、慣れている。
そう思った舞美は、ようやくその男に話しかけた。
「あのぉ、すみません、目押ししてもらえませんか?」
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