大きな柳の木の下で
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舞美が苦しくなって、油断が生まれると、アカギはそれを見逃さなかった。アカギの舌がぬるりと入ってくると、舞美の目はチカチカし始めた。
(蕩けそ——)
互いの舌が絡まり、吸い付いて、空気の存在を許さない。歯の裏側をなぞられて、舞美の肩は意図せず跳ねた。喉の奥の方まで舌が侵入してくるので、負けじと唇でアカギを食 めば、血の味がした。痛かっただろうかと小さな罪悪感を抱きながらも、舞美は興奮していた。アカギの味。
これはこんなにも気持ちの良いものだったかと記憶を辿るが、別のことを考えるのが惜しく思えて、舞美は今のアカギに集中した。
「……ふ」
吐息を漏らしながら離れると、アカギとの間に唾液の橋ができていて、なんとも恥ずかしい。舞美はごくりと唾液を飲み込むと、アカギに触れた。
そして、溶けた脳を精一杯働かせて、
「おみず、もってまいります」
とたどたどしく言った。
仮にもアカギは怪我人なのだ。安静にしておかなければ。舞美は調理場から水を持ってくるため、立ち上がった。
アカギはそんな舞美を見上げ、着物の裾を握った。
「行くなよ」
「でも——」
「水なんて要らない。オレが今欲しいのは舞美さんだけだから」
舞美はアカギと同じ目線になるため、一旦腰を下ろした。
「それでも——」
しぶる舞美に、アカギは言った。
「旦那、なんて言ってる?」
舞美はそんなアカギの瞳にどきりとした。完全に射止められた。
彼女は胸の内で、そっと覚悟を決めた。
そして、流し目で、妖艶に、言った。
「——何も。」
(蕩けそ——)
互いの舌が絡まり、吸い付いて、空気の存在を許さない。歯の裏側をなぞられて、舞美の肩は意図せず跳ねた。喉の奥の方まで舌が侵入してくるので、負けじと唇でアカギを
これはこんなにも気持ちの良いものだったかと記憶を辿るが、別のことを考えるのが惜しく思えて、舞美は今のアカギに集中した。
「……ふ」
吐息を漏らしながら離れると、アカギとの間に唾液の橋ができていて、なんとも恥ずかしい。舞美はごくりと唾液を飲み込むと、アカギに触れた。
そして、溶けた脳を精一杯働かせて、
「おみず、もってまいります」
とたどたどしく言った。
仮にもアカギは怪我人なのだ。安静にしておかなければ。舞美は調理場から水を持ってくるため、立ち上がった。
アカギはそんな舞美を見上げ、着物の裾を握った。
「行くなよ」
「でも——」
「水なんて要らない。オレが今欲しいのは舞美さんだけだから」
舞美はアカギと同じ目線になるため、一旦腰を下ろした。
「それでも——」
しぶる舞美に、アカギは言った。
「旦那、なんて言ってる?」
舞美はそんなアカギの瞳にどきりとした。完全に射止められた。
彼女は胸の内で、そっと覚悟を決めた。
そして、流し目で、妖艶に、言った。
「——何も。」