大きな柳の木の下で
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その料亭は、小さくこじんまりと佇んでいた。
もうこんなに深い夜だというのに、まだ開いている。それでいて、客の五月蝿い声などが聞こえはしない。まるで、来るもの拒まず、といった風に、その店はただ、客を待っていた。
そこをたまたま通りかかった男は、足を止めた。ここら辺に “穴場” と呼ばれる店があるというのを小耳に挟んでいた。これだろうか。
とにかく、雀荘帰りのその男は、腹も空いていたし、なんだか店の雰囲気も良さそうなので、入ることにした。
というか、男の中の何かがそうさせた。
面白いことが起こりそうな予感がしたのだ。
「料亭、柳 ……」
目に付いた名前を読み上げる。
ちょうど手に余る金も得たことだし、ここで酒でも飲みながら美味い飯を食べれば、とりあえずは自分も満足するだろう。
そんな僅かな期待をも胸に、彼は店に足を踏み入れた。
「いらっしゃい、こんばんは」
上品な女の声が男を出迎える。
——その男は、ふと、柳というのは美人な女を形容する際に使われる名詞でもあったことを思い出した。
もうこんなに深い夜だというのに、まだ開いている。それでいて、客の五月蝿い声などが聞こえはしない。まるで、来るもの拒まず、といった風に、その店はただ、客を待っていた。
そこをたまたま通りかかった男は、足を止めた。ここら辺に “穴場” と呼ばれる店があるというのを小耳に挟んでいた。これだろうか。
とにかく、雀荘帰りのその男は、腹も空いていたし、なんだか店の雰囲気も良さそうなので、入ることにした。
というか、男の中の何かがそうさせた。
面白いことが起こりそうな予感がしたのだ。
「料亭、
目に付いた名前を読み上げる。
ちょうど手に余る金も得たことだし、ここで酒でも飲みながら美味い飯を食べれば、とりあえずは自分も満足するだろう。
そんな僅かな期待をも胸に、彼は店に足を踏み入れた。
「いらっしゃい、こんばんは」
上品な女の声が男を出迎える。
——その男は、ふと、柳というのは美人な女を形容する際に使われる名詞でもあったことを思い出した。
1/16ページ