異常者と云うには、その少女は些か美しすぎた。

「私、どうなるのか知りたいだけなのよ」

蛙の子は蛙、とはよく言ったものだ。
この少女の好奇心は留まることを知らない。

「勝負だって、やってみなくちゃ分からないじゃない」

タチの悪いことに、彼女は文字通り“なんだって”できる財産と地位、それから美貌を待ち合わせていた。

「ねえ、しげるもそう思うわよね」

質は違えど、異常者同士。
彼らの不思議な磁力により、互いは惹かれ合っていく。
この運命は危険で、魔法のように甘く、幻想的なものだった。


「待ちなよ。……あんた、何者なの」


あの狂人が唯一、興味をもった少女。

彼女は、自分が思っている以上に、“好奇心”というのは厄介であることを知っているだろうか。






「舞美。私は、鷲巣舞美よ」





彼女の身体には、あの怪物の遺伝子が受け継がれた。
この時まだ、赤木しげるは鷲巣麻雀を知らない——





彼らは、果たして人並みの恋をするのか。それとも。








「あんたのこと、もっと知りたい。……舞美はオレに、興味ないの。」














「しげる、私に甘えさせてよ……」







＊＊＊


リクエスト小説、「狂気、爛漫。」

アカギ19/中編/美しき狂愛

現在執筆中