無知の少女、無恥の少年*
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「おかえりっ」
わたしは彼に駆け寄った。
けど、目を合わせられなかった。
彼っていうのは、赤木しげるっていう、同い年くらいの不思議な男の子。
男の子っていう表現はあまりふさわしくないかもしれない。彼はきっと、そんな人物じゃないから。なんだか良く分からないけれど、危険な世界で活躍してしまって、追われる身になっているらしい。
なんでそんな人と出会ったかっていうと。ま、簡単に言えば、雨に濡れていた彼を見つけたわたしが、家に上がらせた、ってわけ。わたしの両親は忙しくてなかなか帰ってこないし、わたしも1人で寂しかったから、雨宿りをさせてあげようと思って。
初めはそれだけだったけど、仲良くなって、たまに家に来てくれるようになった。
いつもはすぐにふらっとどこかへ行ってしまうけれど、今日は久しぶりに来てくれた。
だから、今日は最高の日!
の、はずなのに……。
わたしには1つ、悩み事があった。
「ん……ただいま」
「うん。久しぶりだね」
「まぁね。ずっとここにいるわけにも行かないから」
わたしは別に良いんだけど……。まぁ、赤木くんが言うなら仕方ない。
わたしたちは、奥の部屋に入った。わたしはお茶を出し、2人ですすった。あったかい。
「特に危険なこととか、なかった?」
「別に。……心配してくれてるの?」
「えっと、それは、そうだね」
「フフ、オレの心配なんてするだけ無駄だよ。でも安心しな、その辺で死んだりはしないから。死ぬならもっと、違う場所」
「場所の問題じゃないんだけど」
こんな調子だと、どんな生活を送っているのか気になってしまう。でも、詳しいことは聞かない。それがわたしの、彼への態度。
それが心地よくて一緒にいてくれてるのかもしれないし。怖いから聞けないっていうのもある。
「あんたは、特に変わったことないの」
「えっと……」
実は、ある。大ありだ。
わたしの悩み、そのもの。
わたしは、これを赤木くんに言って良いものかと躊躇する。本当は、あまり言わない方が良いのかもしれない。でも、赤木くん以外に話せるような人もいないし……。
「なに」
赤木くんがわたしの顔を覗き見る。ふと顔をあげると、今日初めて目と目が合った。
「……っ!」
しまった、せっかく注意してたのに!
きた、この感じ。
だめだってば……。
——これがわたしの悩みだった。
赤木くんを見ると、なぜか身体が熱くなってしまって、息が上がってしまうのだ。
前までは、なんとも思ってなかった。なんだろう、とくらいにしか。
その日、その “発作” の後、トイレに入ると、下着が濡れていることに気づいたのだ。それが始まりだった。
それからというもの、赤木くんのことを考える度にこうなってしまっていた。
病気なのかな、こんな年になってお漏らしなんて、おかしいから。きっと、へんな病気になっちゃったんだ。なんなの、これ。
わたしは、なんだか頭が回らなくなってしまって、このことをもう赤木くんに言ってしまおう、と思った。
赤木くんは何でも知ってるし、治してくれるかもしれない……。恥ずかしいけど、聞かぬは一生の恥、って言うし、今もなんだかお腹の下あたりが辛いから、言っちゃおう。
「わたし、病気かもしれない……っ」
赤木くんは驚いた顔をした。
「どうしたの」
「い、今もなんだけど、へんなの」
「何が?」
「なんか……ココが……へん」
わたしはスカートの下から手を入れて、“ココ”がどこか言わなくても伝わるようにした。もちろん、下着は見えないようにしている。
流石に恥ずかしいから。漏らしたって思われるのも嫌だし。
「……本気?」
赤木くんは表情を変え、湯のみを置いてわたしに近づいた。
わたしは彼に駆け寄った。
けど、目を合わせられなかった。
彼っていうのは、赤木しげるっていう、同い年くらいの不思議な男の子。
男の子っていう表現はあまりふさわしくないかもしれない。彼はきっと、そんな人物じゃないから。なんだか良く分からないけれど、危険な世界で活躍してしまって、追われる身になっているらしい。
なんでそんな人と出会ったかっていうと。ま、簡単に言えば、雨に濡れていた彼を見つけたわたしが、家に上がらせた、ってわけ。わたしの両親は忙しくてなかなか帰ってこないし、わたしも1人で寂しかったから、雨宿りをさせてあげようと思って。
初めはそれだけだったけど、仲良くなって、たまに家に来てくれるようになった。
いつもはすぐにふらっとどこかへ行ってしまうけれど、今日は久しぶりに来てくれた。
だから、今日は最高の日!
の、はずなのに……。
わたしには1つ、悩み事があった。
「ん……ただいま」
「うん。久しぶりだね」
「まぁね。ずっとここにいるわけにも行かないから」
わたしは別に良いんだけど……。まぁ、赤木くんが言うなら仕方ない。
わたしたちは、奥の部屋に入った。わたしはお茶を出し、2人ですすった。あったかい。
「特に危険なこととか、なかった?」
「別に。……心配してくれてるの?」
「えっと、それは、そうだね」
「フフ、オレの心配なんてするだけ無駄だよ。でも安心しな、その辺で死んだりはしないから。死ぬならもっと、違う場所」
「場所の問題じゃないんだけど」
こんな調子だと、どんな生活を送っているのか気になってしまう。でも、詳しいことは聞かない。それがわたしの、彼への態度。
それが心地よくて一緒にいてくれてるのかもしれないし。怖いから聞けないっていうのもある。
「あんたは、特に変わったことないの」
「えっと……」
実は、ある。大ありだ。
わたしの悩み、そのもの。
わたしは、これを赤木くんに言って良いものかと躊躇する。本当は、あまり言わない方が良いのかもしれない。でも、赤木くん以外に話せるような人もいないし……。
「なに」
赤木くんがわたしの顔を覗き見る。ふと顔をあげると、今日初めて目と目が合った。
「……っ!」
しまった、せっかく注意してたのに!
きた、この感じ。
だめだってば……。
——これがわたしの悩みだった。
赤木くんを見ると、なぜか身体が熱くなってしまって、息が上がってしまうのだ。
前までは、なんとも思ってなかった。なんだろう、とくらいにしか。
その日、その “発作” の後、トイレに入ると、下着が濡れていることに気づいたのだ。それが始まりだった。
それからというもの、赤木くんのことを考える度にこうなってしまっていた。
病気なのかな、こんな年になってお漏らしなんて、おかしいから。きっと、へんな病気になっちゃったんだ。なんなの、これ。
わたしは、なんだか頭が回らなくなってしまって、このことをもう赤木くんに言ってしまおう、と思った。
赤木くんは何でも知ってるし、治してくれるかもしれない……。恥ずかしいけど、聞かぬは一生の恥、って言うし、今もなんだかお腹の下あたりが辛いから、言っちゃおう。
「わたし、病気かもしれない……っ」
赤木くんは驚いた顔をした。
「どうしたの」
「い、今もなんだけど、へんなの」
「何が?」
「なんか……ココが……へん」
わたしはスカートの下から手を入れて、“ココ”がどこか言わなくても伝わるようにした。もちろん、下着は見えないようにしている。
流石に恥ずかしいから。漏らしたって思われるのも嫌だし。
「……本気?」
赤木くんは表情を変え、湯のみを置いてわたしに近づいた。
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