11.所有
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あれ?
気が付けば、私は旅館のような場所で、アカギが風呂から出てくるのを待っていた。
どうしてこうなったのか。
しこたま飲んだことは覚えているけれど。
うっ、今もなんだか頭が働かない。
とりあえず、金を浪費したかったんだったか。
私は少しずつ、ここに来た経緯を思い出そうとした。
—————————————————————
「アカギ、飲まない?」
「良いよ。そこの店で良いか」
「構わないわ」
そうそう。久々に酒を飲みたくなって、私から誘ったんだった。
「それにしても、全然顔が赤くなったりしないから、つまらない」
「それって、オレのこと」
「うん。飲み比べしない? あなたを酔い潰してみたいの」
「……別に良いけど」
「じゃあ、始め」
えっと、それで、順番に酒を喉に通していて。勝負がつかないからって、度数の高いものを頼み始めた頃から、収拾がつかなくなってきた。
そうしたら、頭がぽやぽやしてきたんだ。
「こんなに呑んだのは初めてかも……」
「フフ、東雲もそんな顔するんだ」
「……どういう意味よ? ぜーんぜん、まだ飲める。ヨユーなんだから」
「もうやめておけば? オレには無理そうに見えるけどね」
「その言い方! あったまきた。覚悟して」
「変なスイッチ入れたか。まぁ、付き合うよ。酒を飲むには良い夜だし」
……それで。
「うう……。も、むり」
先に酔い潰れたのは、私の方だった。
「あかぎー」
「……あらら」
「立てなあい」
「そうなる前に、自制できないのがあんたらしい」
「うーん……」
この辺から記憶が曖昧だ。ものすごく気持ち悪くて、立てなくて。
「オレにおぶさりな」
「へぇ? いいのー?」
「仕方ないでしょ」
「ありがと」
酔っていて、アカギの背中にいる状況を理解できていなかった! もったいない。
……では、なくて。
そこで、ギラつくネオン街を目に、私はまだ金が使い切れていないことに気がついたんだ。
「あかぎ?」
「なに」
ああ、思い出した。恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「かえりたくないな」
「……でもあんた、その様子じゃもう無理でしょ」
そう。そう言われたのにも関わらず、私は身を乗り出して、アカギの耳元で囁いたんだ。
「アカギ。“帰りたくない”」
—————————————————————
その言葉がきっかけで、私は今、ここにいるというわけね。
……なんてこと。
気が付けば、私は旅館のような場所で、アカギが風呂から出てくるのを待っていた。
どうしてこうなったのか。
しこたま飲んだことは覚えているけれど。
うっ、今もなんだか頭が働かない。
とりあえず、金を浪費したかったんだったか。
私は少しずつ、ここに来た経緯を思い出そうとした。
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「アカギ、飲まない?」
「良いよ。そこの店で良いか」
「構わないわ」
そうそう。久々に酒を飲みたくなって、私から誘ったんだった。
「それにしても、全然顔が赤くなったりしないから、つまらない」
「それって、オレのこと」
「うん。飲み比べしない? あなたを酔い潰してみたいの」
「……別に良いけど」
「じゃあ、始め」
えっと、それで、順番に酒を喉に通していて。勝負がつかないからって、度数の高いものを頼み始めた頃から、収拾がつかなくなってきた。
そうしたら、頭がぽやぽやしてきたんだ。
「こんなに呑んだのは初めてかも……」
「フフ、東雲もそんな顔するんだ」
「……どういう意味よ? ぜーんぜん、まだ飲める。ヨユーなんだから」
「もうやめておけば? オレには無理そうに見えるけどね」
「その言い方! あったまきた。覚悟して」
「変なスイッチ入れたか。まぁ、付き合うよ。酒を飲むには良い夜だし」
……それで。
「うう……。も、むり」
先に酔い潰れたのは、私の方だった。
「あかぎー」
「……あらら」
「立てなあい」
「そうなる前に、自制できないのがあんたらしい」
「うーん……」
この辺から記憶が曖昧だ。ものすごく気持ち悪くて、立てなくて。
「オレにおぶさりな」
「へぇ? いいのー?」
「仕方ないでしょ」
「ありがと」
酔っていて、アカギの背中にいる状況を理解できていなかった! もったいない。
……では、なくて。
そこで、ギラつくネオン街を目に、私はまだ金が使い切れていないことに気がついたんだ。
「あかぎ?」
「なに」
ああ、思い出した。恥ずかしくて、顔が熱くなる。
「かえりたくないな」
「……でもあんた、その様子じゃもう無理でしょ」
そう。そう言われたのにも関わらず、私は身を乗り出して、アカギの耳元で囁いたんだ。
「アカギ。“帰りたくない”」
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その言葉がきっかけで、私は今、ここにいるというわけね。
……なんてこと。