10.嫉妬
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「も、もーやめて」
気がつけば、私はアカギに頼んでいた。
「もう?」
「うん、もういい……」
目がとろとろする。舌が回らない。この人、どんだけ私のツボを押し続けたの。
「もう逃げない?」
「にげない」
アカギの言葉を反復する。あんまり頭が働いていない証拠。
「他の男には抱かれない?」
「だかれない」
アカギは私を見下ろした。
「あんた、危機感ないの」
「ない」
「かなり出来上がってるね」
「誰のせいよー」
「クク……。それで、あんたはオレに惚れてるんだ」
「惚れ——」
私はそのまま自分の胸中をぶちまけそうになって、なんとか思いとどまった。
「——てない」
「強情だね。ま、いいけど」
アカギは言った。
「勝手に出て行って、何か言うことは?」
「ご、ごめんなさい」
「よく言えたね」
「うん……」
「眠い?」
「ちょっとだけ」
「いいよ、寝な。オレも昨日は寝てないから疲れてるし」
私はその言葉に反応した。
「アカギも謝って」
「何故?」
「他の女性 のところ行ったから」
「……妬いてたんだったね。悪かったよ」
アカギは何故か、多少頰を緩めたように見えた。
「アカギも、他の女は抱かない?」
「抱かないよ。あんたとの勝負が終わるまでは」
「それで、アカギは私に惚れてるんでしょ」
私はさっき言われたことを言い返してやった。
「さあね」
意表を突かれた。どうせ、“惚れてない” と言われると思っていたから。
「さあねって……」
「何? オレが東雲に惚れてるって言ったら負けなんでしょ。なんの問題もないはずだけど?」
「それは、そうだけど」
変な希望、抱いちゃうでしょ。困るの、そういうのは。せっかく治った心臓のどくどくが、復活しちゃうじゃない。
「私にも勝機はまだまだ残ってるって解釈して良い?」
「負けるつもりでいたの?」
「まさか。勝ちを狙うに決まってる」
私とアカギの目がぱっちりと合う。
「あんたはそうでなくちゃね、東雲」
私は目を閉じた。
「安心した。私は少し寝るね」
アカギは、呟いていた。
「……嫉妬するなんて、可愛い女。」
10.嫉妬 〈完〉
気がつけば、私はアカギに頼んでいた。
「もう?」
「うん、もういい……」
目がとろとろする。舌が回らない。この人、どんだけ私のツボを押し続けたの。
「もう逃げない?」
「にげない」
アカギの言葉を反復する。あんまり頭が働いていない証拠。
「他の男には抱かれない?」
「だかれない」
アカギは私を見下ろした。
「あんた、危機感ないの」
「ない」
「かなり出来上がってるね」
「誰のせいよー」
「クク……。それで、あんたはオレに惚れてるんだ」
「惚れ——」
私はそのまま自分の胸中をぶちまけそうになって、なんとか思いとどまった。
「——てない」
「強情だね。ま、いいけど」
アカギは言った。
「勝手に出て行って、何か言うことは?」
「ご、ごめんなさい」
「よく言えたね」
「うん……」
「眠い?」
「ちょっとだけ」
「いいよ、寝な。オレも昨日は寝てないから疲れてるし」
私はその言葉に反応した。
「アカギも謝って」
「何故?」
「他の
「……妬いてたんだったね。悪かったよ」
アカギは何故か、多少頰を緩めたように見えた。
「アカギも、他の女は抱かない?」
「抱かないよ。あんたとの勝負が終わるまでは」
「それで、アカギは私に惚れてるんでしょ」
私はさっき言われたことを言い返してやった。
「さあね」
意表を突かれた。どうせ、“惚れてない” と言われると思っていたから。
「さあねって……」
「何? オレが東雲に惚れてるって言ったら負けなんでしょ。なんの問題もないはずだけど?」
「それは、そうだけど」
変な希望、抱いちゃうでしょ。困るの、そういうのは。せっかく治った心臓のどくどくが、復活しちゃうじゃない。
「私にも勝機はまだまだ残ってるって解釈して良い?」
「負けるつもりでいたの?」
「まさか。勝ちを狙うに決まってる」
私とアカギの目がぱっちりと合う。
「あんたはそうでなくちゃね、東雲」
私は目を閉じた。
「安心した。私は少し寝るね」
アカギは、呟いていた。
「……嫉妬するなんて、可愛い女。」
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