10.嫉妬
名前変換はコチラから
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
しかし、マッサージというのは、一方的な動きである。アカギは寝転がるだけだが、私は違う。要は、私が積極的に、ないしは能動的に、アカギに触らなければいけないのだ。
私は勇気を出して、天に背を向けて寝転がったアカギにそっと触れた。
アカギはなんということもなく、煙草を味わっているらしい。
ああ、確かにこれは罰になる。
好きに触って良いと言われても、本当に好きに触れはしないのだ。たとえ私の心はそれを求めていたとしても。その葛藤が延々と続くけれど、やはり、そんな勇気など出ない。罰。
私は、アカギの背に手を置いたまま、動けずにいた。彼の呼吸で、僅かに上下する背中。
「ただ触ってないで、力入れてよ」
「い、今しようとしてたとこ!」
「どうだか」
私は形式的に咳をしてから、仕方なく力を加え始めた。
「結構、凝 ってますねえ」
「そうなの?」
「多分……」
「他の人にもしたことあるんだ」
「そんなに無いけどね」
「ふうん」
アカギはくるりと振り向いた。
「——南郷さんの身体も、こうやって触ったの?」
「こら!」
私はアカギの背中を叩いた。
「いたい」
「変なこと言うからでしょ」
「図星?」
「関節技極 めるわよ」
「ごめん」
私は親指でぐっと押した。すると、
「ん、」
と、悩ましげなアカギの声がして、驚いて動きを止める。
「どうしたの。続けて」
「あ、うん」
こういうのって、普通立ち場が逆なんじゃないの? どうして私が、アカギの色気にドキドキしなくちゃならないの。
「ね、これ、効く?」
私はぐっぐっと押しながら尋ねた。
「うん、結構上手くて驚いてる」
「それは光栄、ねっ」
本心から嬉しい。
アカギも相当身体が疲れてるのかも?
なんて考えていると、アカギは私の動きを制止して、なんと上の服を脱ぎ始めた。
「なに、してるの?」
「いや……思ってたよりもあんたが上手いから。服越しじゃ勿体ないと思って」
アカギは上半身裸になった。筋肉質なのに、肉付きまで上品な背中。男らしさに目が眩みそう。アカギはもう一度寝そべった。
「ほら、東雲のテク見せてよ」
「……お望み通りに。」
私はそろそろと手を伸ばし、アカギに直接触れた。変な気を起こさないようにしないと。
なんなの、この色気。男のくせして。私が惚れてるから? それもあるかもしれないけど、でも、悪魔的だ。悪い男。
でも、私は幸運だ。だって、合法的に、アカギの上裸に触れるんだから!
その調子で、少し硬いアカギの身体をほぐしていると、私はあることに気がついた。
肩にある、何か、大きな怪我の跡。
「……なに、これ?」
私は勇気を出して、天に背を向けて寝転がったアカギにそっと触れた。
アカギはなんということもなく、煙草を味わっているらしい。
ああ、確かにこれは罰になる。
好きに触って良いと言われても、本当に好きに触れはしないのだ。たとえ私の心はそれを求めていたとしても。その葛藤が延々と続くけれど、やはり、そんな勇気など出ない。罰。
私は、アカギの背に手を置いたまま、動けずにいた。彼の呼吸で、僅かに上下する背中。
「ただ触ってないで、力入れてよ」
「い、今しようとしてたとこ!」
「どうだか」
私は形式的に咳をしてから、仕方なく力を加え始めた。
「結構、
「そうなの?」
「多分……」
「他の人にもしたことあるんだ」
「そんなに無いけどね」
「ふうん」
アカギはくるりと振り向いた。
「——南郷さんの身体も、こうやって触ったの?」
「こら!」
私はアカギの背中を叩いた。
「いたい」
「変なこと言うからでしょ」
「図星?」
「関節技
「ごめん」
私は親指でぐっと押した。すると、
「ん、」
と、悩ましげなアカギの声がして、驚いて動きを止める。
「どうしたの。続けて」
「あ、うん」
こういうのって、普通立ち場が逆なんじゃないの? どうして私が、アカギの色気にドキドキしなくちゃならないの。
「ね、これ、効く?」
私はぐっぐっと押しながら尋ねた。
「うん、結構上手くて驚いてる」
「それは光栄、ねっ」
本心から嬉しい。
アカギも相当身体が疲れてるのかも?
なんて考えていると、アカギは私の動きを制止して、なんと上の服を脱ぎ始めた。
「なに、してるの?」
「いや……思ってたよりもあんたが上手いから。服越しじゃ勿体ないと思って」
アカギは上半身裸になった。筋肉質なのに、肉付きまで上品な背中。男らしさに目が眩みそう。アカギはもう一度寝そべった。
「ほら、東雲のテク見せてよ」
「……お望み通りに。」
私はそろそろと手を伸ばし、アカギに直接触れた。変な気を起こさないようにしないと。
なんなの、この色気。男のくせして。私が惚れてるから? それもあるかもしれないけど、でも、悪魔的だ。悪い男。
でも、私は幸運だ。だって、合法的に、アカギの上裸に触れるんだから!
その調子で、少し硬いアカギの身体をほぐしていると、私はあることに気がついた。
肩にある、何か、大きな怪我の跡。
「……なに、これ?」