10.嫉妬
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「どういうつもりって……」
私はその眼光にたじろいだ。
「無一文で出ていった挙句、南郷さんと2人きりで会うなんてさ」
アカギがじりじりと詰め寄ってくる。
「そんなこと、」
「オレには関係ない なんて、そんなこと言わせないよ」
「っ……」
私は下唇を噛んだ。
そして、アカギの首を指差す。
「それ。それのせい」
「何?」
「その……跡が」
アカギは自分の首に手を当てると、昨夜のことを思い出したのだろうか、ああ、と言った。
「この跡が、なんだって?」
「何って……別に、どうということではないかもしれないけど、私は……」
自分の感情が分からず、言葉が見つからない。
そんな私の様子を見て、アカギは私にまた一歩近づいた。
「あんた、もしかして……」
「?」
「妬いたのか?」
私は何か自分の胸に衝撃が走ったような気がして、壁に背をぴたりとつけた。
「馬鹿な、妬いてなんか、」
と、そこまで口をついて、私はそれが無駄なことを悟る。私はもう、分かってしまったのだ。
“やっぱり、舞美ちゃんはその男に恋してると思うよ”
南郷さんの言っていた言葉を思い出す。
私は、目を伏せてから言った。
「……妬いた」
アカギは少し、驚いた顔をした。
「あんた、」
「違う、惚れてない」
私はアカギが何か言う前に言い放った。
「惚れてないけど、妬けたの」
それを聞いてアカギは一瞬言葉を失ったように見えたが、すぐにクククと笑い出した。
「東雲。あんた、オレが思った以上に面白いらしい」
「何を思ったかは分からないけど、勝負は終わってないからね」
私は赤くなりながら言った。
「好きだなんて、言うもんですか」
アカギは口の端を上げた。
「うん、勝手に口走るなよ」
「あれ、私に言ってほしいんじゃないの?」
それがあなたの勝利条件でしょ? と、私は肩をすくめる。でも、アカギはその調子で言った。
「あんたが勝手に言っちまうようじゃ、足りないんだ」
「足りない?」
アカギは、「そう」と呟いた。
「オレは、あんたから安い言葉を聞きたいわけじゃない」
私とアカギの目が合う。
「オレが、“言わせたい” のさ」
胸がきゅうう、と締め付けられる。
こんなことは初めてだ。
それが何によるのものかは、既に知っている。
しかし、そんな様子はおくびにも出さず、
「言わないわ」
とだけ言った。
博打の神様、ごめんなさい。
私、どうやらアカギに惚れてしまったみたいなんです。南郷さんの言っていたことは、全部正しいって、気付いちゃったんです。
私、どうやら、アカギのことが好きみたいです。
今まで知らんぷりをしていた自分の気持ちは、無視できなくなっていた。
私はその眼光にたじろいだ。
「無一文で出ていった挙句、南郷さんと2人きりで会うなんてさ」
アカギがじりじりと詰め寄ってくる。
「そんなこと、」
「オレには関係ない なんて、そんなこと言わせないよ」
「っ……」
私は下唇を噛んだ。
そして、アカギの首を指差す。
「それ。それのせい」
「何?」
「その……跡が」
アカギは自分の首に手を当てると、昨夜のことを思い出したのだろうか、ああ、と言った。
「この跡が、なんだって?」
「何って……別に、どうということではないかもしれないけど、私は……」
自分の感情が分からず、言葉が見つからない。
そんな私の様子を見て、アカギは私にまた一歩近づいた。
「あんた、もしかして……」
「?」
「妬いたのか?」
私は何か自分の胸に衝撃が走ったような気がして、壁に背をぴたりとつけた。
「馬鹿な、妬いてなんか、」
と、そこまで口をついて、私はそれが無駄なことを悟る。私はもう、分かってしまったのだ。
“やっぱり、舞美ちゃんはその男に恋してると思うよ”
南郷さんの言っていた言葉を思い出す。
私は、目を伏せてから言った。
「……妬いた」
アカギは少し、驚いた顔をした。
「あんた、」
「違う、惚れてない」
私はアカギが何か言う前に言い放った。
「惚れてないけど、妬けたの」
それを聞いてアカギは一瞬言葉を失ったように見えたが、すぐにクククと笑い出した。
「東雲。あんた、オレが思った以上に面白いらしい」
「何を思ったかは分からないけど、勝負は終わってないからね」
私は赤くなりながら言った。
「好きだなんて、言うもんですか」
アカギは口の端を上げた。
「うん、勝手に口走るなよ」
「あれ、私に言ってほしいんじゃないの?」
それがあなたの勝利条件でしょ? と、私は肩をすくめる。でも、アカギはその調子で言った。
「あんたが勝手に言っちまうようじゃ、足りないんだ」
「足りない?」
アカギは、「そう」と呟いた。
「オレは、あんたから安い言葉を聞きたいわけじゃない」
私とアカギの目が合う。
「オレが、“言わせたい” のさ」
胸がきゅうう、と締め付けられる。
こんなことは初めてだ。
それが何によるのものかは、既に知っている。
しかし、そんな様子はおくびにも出さず、
「言わないわ」
とだけ言った。
博打の神様、ごめんなさい。
私、どうやらアカギに惚れてしまったみたいなんです。南郷さんの言っていたことは、全部正しいって、気付いちゃったんです。
私、どうやら、アカギのことが好きみたいです。
今まで知らんぷりをしていた自分の気持ちは、無視できなくなっていた。