私たちは、歩いて家まで帰った。
少し疲れたのか、昼寝を始めたアカギ。
私もつられて寝てしまったようだ。


目を覚ますと夕方だったので、アカギを起こす。とは言っても、声をかけるだけ。

「アカギ」
「ん……」

案外すんなり起きた。

「お目覚めね」
「東雲」
「ん？」
「あんた、さ。今夜ちょっと付き合ってくれない」
「今夜。」

付き合うって。え、そういうこと⁈

「結構……急ね？」
「あんたも今寝てたんでしょ。なら夜は大丈夫じゃない」
「えっ、と？ なんでそんな」
「あれ。あんたも望んでると思ったんだけど」
「や、そんなこと！」

私はぶんぶんと首を振った。
その反応を見て、アカギは笑った。

「クク、何を勘違いしてるんだか」
「え？」
「オレが言ってるのは雀荘のことだけど？」
「は……っ」
「ふ、卑猥な女」
「ひ、ひわ……⁉︎」

そんな言葉がアカギの口から飛び出したので、私は面食らった。アカギにしてやられたらしい。
私はすぐに、態勢を立て直した。

「それより、雀荘に連れて行ってくれるの？」
「まあね。あんたも、そろそろ打ちたいだろうし」
「うん、打ちたい」
「大した相手はいないだろうけど、牌に触れるだけでも変わるでしょ」
「その通りね！」

わくわくしてきた。

「そうと決まったら、準備しないと」

私は勝負服に着替えて、軽食をとった。

「ね、行こ」
「ん」

1人じゃない夜は久しぶり。