9.一組の
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冗談、と言っているものの、これはアカギが普段なら言わない種類の冗談だ。まぁ、要するに、アカギも少しいつもと違ってる、ってこと。
これは当然のことだ。
ちょうどこの年代の男女がそんな映画を観てしまえば、互いに変な気分になることもある。
私は女だし、アカギは男なんだから。
でも、アカギは常人の域を越えている。だからこそ私がアカギのズボンを見やった時も、どうということにもなっていなかったし、今も多分そうだ。まぁ、ここでそこに目を向けようとは思わない。確実にネタにされるだろうし。
もう、このことは忘れよう。
私は太陽が高く昇っているのを見て、
「お昼にしましょ」
とにこやかに言った。
「いいね」
アカギも空腹だったのか、ふらりと近くの料亭に入った。中々高級そうではあったが、とにかく金が余っているので問題はない。
久々の外食なので、私は張り切って、自分の好きなものを好きなだけ頼んだ。
料理が来たので、私は背筋を伸ばし、姿勢良く箸をつけた。
「美味しい」
なんだか、アカギと勝負した夜を思い出す。と言っても、そんなに昔じゃないんだけど。
「それ、好きなの?」
「これ? 私は結構好き」
「ふーん」
私の食べているふぐ刺しをじっと見つめるアカギ。私は、盛ってある皿をそっと押した。
「どうぞ」
「いいの」
「うん、食べてみて」
勧めると、箸を伸ばし、ふぐ刺しを一切れ口に運び、もぐもぐ、とほっぺが可愛く動いた。
「どう?」
「……美味い」
「でしょ」
私はさらに勧めた。
「ほら、まだあるよ」
「いや、残りはあんたが食べな」
「えぇ? どうして?」
実は口に合わなかったのかな、といった考えがよぎるが、そんなことは無いと思う。アカギはわざわざそういう嘘は言わないだろうから。
「東雲が食べる姿って、酒の肴 になるからさ」
「……なるほどね」
アカギは運ばれてきた酒を注 ごうとしたが、私はその前に酌を取った。
「あらら。悪いね」
「全然」
私は、なみなみ注いでから言った。
「これは感謝の気持ち」
すると、アカギは店の人を呼んで、もう一つお猪口 をもらった。
「じゃあ、オレもあんたに」
アカギは私と同じように、沢山の酒を注いだ。
「ほら、飲みなよ」
……彼は、私のしてほしいことを知っているかのようだ。
初めて、アカギと酒を酌み交わせる。
まだ、こんな昼間だっていうのに。
ま、今はこれだけにしておこう。十分だ。
続きは夜になっても出来るし。
「いただきますっ」
私はくいっと飲み干した。
これは当然のことだ。
ちょうどこの年代の男女がそんな映画を観てしまえば、互いに変な気分になることもある。
私は女だし、アカギは男なんだから。
でも、アカギは常人の域を越えている。だからこそ私がアカギのズボンを見やった時も、どうということにもなっていなかったし、今も多分そうだ。まぁ、ここでそこに目を向けようとは思わない。確実にネタにされるだろうし。
もう、このことは忘れよう。
私は太陽が高く昇っているのを見て、
「お昼にしましょ」
とにこやかに言った。
「いいね」
アカギも空腹だったのか、ふらりと近くの料亭に入った。中々高級そうではあったが、とにかく金が余っているので問題はない。
久々の外食なので、私は張り切って、自分の好きなものを好きなだけ頼んだ。
料理が来たので、私は背筋を伸ばし、姿勢良く箸をつけた。
「美味しい」
なんだか、アカギと勝負した夜を思い出す。と言っても、そんなに昔じゃないんだけど。
「それ、好きなの?」
「これ? 私は結構好き」
「ふーん」
私の食べているふぐ刺しをじっと見つめるアカギ。私は、盛ってある皿をそっと押した。
「どうぞ」
「いいの」
「うん、食べてみて」
勧めると、箸を伸ばし、ふぐ刺しを一切れ口に運び、もぐもぐ、とほっぺが可愛く動いた。
「どう?」
「……美味い」
「でしょ」
私はさらに勧めた。
「ほら、まだあるよ」
「いや、残りはあんたが食べな」
「えぇ? どうして?」
実は口に合わなかったのかな、といった考えがよぎるが、そんなことは無いと思う。アカギはわざわざそういう嘘は言わないだろうから。
「東雲が食べる姿って、酒の
「……なるほどね」
アカギは運ばれてきた酒を
「あらら。悪いね」
「全然」
私は、なみなみ注いでから言った。
「これは感謝の気持ち」
すると、アカギは店の人を呼んで、もう一つお
「じゃあ、オレもあんたに」
アカギは私と同じように、沢山の酒を注いだ。
「ほら、飲みなよ」
……彼は、私のしてほしいことを知っているかのようだ。
初めて、アカギと酒を酌み交わせる。
まだ、こんな昼間だっていうのに。
ま、今はこれだけにしておこう。十分だ。
続きは夜になっても出来るし。
「いただきますっ」
私はくいっと飲み干した。