9.一組の
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「行くって……どこへ?」
急に、私も外に出ると言われ混乱する。
それは、どういう意味? 一緒に出掛けるってこと?
「どこにでも。あんたの好きなところに」
「え、どうして」
「暇だからオレを尾けてたんでしょ。暇つぶし、したくないの」
私は、アカギの優しさに気づいた。
「したい!」
昨日の今日で、私はノコノコと、1人で外に出ることができない。だから、アカギが護衛についてくれるというわけだ。いないと思うけど、私を狙う奴がまた現れても、アカギがいれば襲われない。
「決まり。で、どこ行くの」
どこに行こう? 私は頭を巡らせた。
アカギと行って楽しい場所って、どこだろう。
「あ、でも、私、博打以外の趣味があまりないから……」
こういう時、どこに行けば良いか分からない。
自分がどうしたいのかも。
「オレも」
アカギの同調に、ほっとする。やっぱり。
「じゃあ、試しに言うけど」
私は恥をしのんで言った。
「映画館って、行ったことある?」
「ねぇな」
即答だった。
「実は、私も。今までは興味なかったんだけど、一度くらい行ってみたいなって」
1人でそんなとこ行ったって、何も楽しくないけれど、アカギとなら違うかもしれないし。
「いいよ、行こう」
アカギは言った。
「先出てる」
私は出掛ける支度をして、外で待っていたアカギに寄った。
「お待たせ」
初めてだ。昼間、アカギと一緒にどこかへ行くなんて。
しかも、映画館。
周りからは恋人同士に見られそうだ。
特に、アカギの首元を見ると。
私は、大通りに向かって歩いた。アカギは後ろから付いてくる。
私も道はよく知らないので、とりあえず途中で車を止めて、送ってもらった。
その時の料金はもちろん、アカギから出る。そもそも私は無一文なんだから、当たり前だ。
「ここ」
とうとう目的の映画館に着く。遠くから見たことはあっても、ここまで近づいたことはなかった。どういう風に上映されるのか、予想はつくけれど少し楽しみに感じてしまう。
もうすぐ上映時間だったので、中に入る。
着いたタイミングは完璧。席取りをしていなかったが、幸運なことにその必要もなかった。
流石アカギの運か。それとも、私?
おそらく、両方だろう。一応、私もそれなりの腕前だったわけだし。アカギに会うまではね。
映画自体はなんでも良くて、ただ、ここで映画を見るということが目的だった。しかも、隣にはアカギがいるときた。
アカギは映画を楽しみにしているという感じは全くしないし、むしろ見ればすぐにつまらないと感じるかもしれない。
それでも私の隣に座った。
その事実が私を喜ばせた。
急に、私も外に出ると言われ混乱する。
それは、どういう意味? 一緒に出掛けるってこと?
「どこにでも。あんたの好きなところに」
「え、どうして」
「暇だからオレを尾けてたんでしょ。暇つぶし、したくないの」
私は、アカギの優しさに気づいた。
「したい!」
昨日の今日で、私はノコノコと、1人で外に出ることができない。だから、アカギが護衛についてくれるというわけだ。いないと思うけど、私を狙う奴がまた現れても、アカギがいれば襲われない。
「決まり。で、どこ行くの」
どこに行こう? 私は頭を巡らせた。
アカギと行って楽しい場所って、どこだろう。
「あ、でも、私、博打以外の趣味があまりないから……」
こういう時、どこに行けば良いか分からない。
自分がどうしたいのかも。
「オレも」
アカギの同調に、ほっとする。やっぱり。
「じゃあ、試しに言うけど」
私は恥をしのんで言った。
「映画館って、行ったことある?」
「ねぇな」
即答だった。
「実は、私も。今までは興味なかったんだけど、一度くらい行ってみたいなって」
1人でそんなとこ行ったって、何も楽しくないけれど、アカギとなら違うかもしれないし。
「いいよ、行こう」
アカギは言った。
「先出てる」
私は出掛ける支度をして、外で待っていたアカギに寄った。
「お待たせ」
初めてだ。昼間、アカギと一緒にどこかへ行くなんて。
しかも、映画館。
周りからは恋人同士に見られそうだ。
特に、アカギの首元を見ると。
私は、大通りに向かって歩いた。アカギは後ろから付いてくる。
私も道はよく知らないので、とりあえず途中で車を止めて、送ってもらった。
その時の料金はもちろん、アカギから出る。そもそも私は無一文なんだから、当たり前だ。
「ここ」
とうとう目的の映画館に着く。遠くから見たことはあっても、ここまで近づいたことはなかった。どういう風に上映されるのか、予想はつくけれど少し楽しみに感じてしまう。
もうすぐ上映時間だったので、中に入る。
着いたタイミングは完璧。席取りをしていなかったが、幸運なことにその必要もなかった。
流石アカギの運か。それとも、私?
おそらく、両方だろう。一応、私もそれなりの腕前だったわけだし。アカギに会うまではね。
映画自体はなんでも良くて、ただ、ここで映画を見るということが目的だった。しかも、隣にはアカギがいるときた。
アカギは映画を楽しみにしているという感じは全くしないし、むしろ見ればすぐにつまらないと感じるかもしれない。
それでも私の隣に座った。
その事実が私を喜ばせた。