8.変化
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「じゃあアカギは、どうやって解決してるっていうの?」
その、欲求不満を。と、私は付け足した。
「わざわざ言わなくても分かるでしょ。金を余らせてるオレがどうやって女を得るかなんて」
アカギは、店で女を買うというのもあるだろうが、どちらかというと、行きずりの女と寝るというようなイメージがある。
「ま、オレにとってはそんなもの、ただの休憩に過ぎないけど」
こういうところも、かっこいいと思う。
私は、ふーんと言ってうつむいた。
私にも色んなことに自信はあるけれど、プロと比べれば分からない。
特に、最高級の女に勝てるかどうか。
「でも、」
アカギは続けた。
「あんたが1番良い買い物だったよ」
「……ありがとう」
少し嬉しかったのは内緒。
「でも、どうして私に興味が?」
全く興味がなければ、私なんて買うはずがない。買ったとしても、ここに置いておく理由はないのだ。
「オレと同類だと思った」
「同類」
「勝負の世界に入り浸っている女なんてそうそういない。しかも、あの時東雲は命まで預けた。オレと同じ、正真正銘の勝負師だと思った」
思った、……って、過去形?
「でも、私はアカギとは違ったってこと?」
「主に、人格が」
「それは当たり前でしょ」
私は頰を膨らませた。
「あんたは弱いからこそ、そうなった」
「何ですって?」
「オレは男だし、力もある。誰にも頼らずに生きていける。でも、あんたは非力な女だ」
「……」
「だから、必ずいつか誰かに助けてもらわなくてはならないことをあんたは知っている。その意識が、オレとあんたの差を生む。つまり、あんたはオレになりきれない、オレの同類」
……一理ある。
私は女だから、アカギみたいな生き方はできない。だから虚栄を張ったり、自己演出をしたりするわけだけど、それじゃあアカギと同じ領域にはたどり着けない。心のどこかで、自分が初めから不利だという風に考えてしまうからだ。最終的には女の武器を使わざるを得なくなることもある。アカギはそんなことしない。
アカギは口を開いた。
「それでも、あんたの生き方は面白いと思った」
「え?」
耳を疑う。アカギにそこまで褒められるような生き方をしているつもりはない。
「決め手は、あんたが負けを認めたとき」
「あ、あれは……」
風俗に堕ちて命さえも取られるという時に私が最後の誇りをかけて言った、アカギへの感謝の言葉。今考えると少し恥ずかしい。
「あんたはオレが今まで見た中で最も美しく強い女だった」
アカギは目を逸らした。
「だから、とにかくあんたが欲しかった」
その、欲求不満を。と、私は付け足した。
「わざわざ言わなくても分かるでしょ。金を余らせてるオレがどうやって女を得るかなんて」
アカギは、店で女を買うというのもあるだろうが、どちらかというと、行きずりの女と寝るというようなイメージがある。
「ま、オレにとってはそんなもの、ただの休憩に過ぎないけど」
こういうところも、かっこいいと思う。
私は、ふーんと言ってうつむいた。
私にも色んなことに自信はあるけれど、プロと比べれば分からない。
特に、最高級の女に勝てるかどうか。
「でも、」
アカギは続けた。
「あんたが1番良い買い物だったよ」
「……ありがとう」
少し嬉しかったのは内緒。
「でも、どうして私に興味が?」
全く興味がなければ、私なんて買うはずがない。買ったとしても、ここに置いておく理由はないのだ。
「オレと同類だと思った」
「同類」
「勝負の世界に入り浸っている女なんてそうそういない。しかも、あの時東雲は命まで預けた。オレと同じ、正真正銘の勝負師だと思った」
思った、……って、過去形?
「でも、私はアカギとは違ったってこと?」
「主に、人格が」
「それは当たり前でしょ」
私は頰を膨らませた。
「あんたは弱いからこそ、そうなった」
「何ですって?」
「オレは男だし、力もある。誰にも頼らずに生きていける。でも、あんたは非力な女だ」
「……」
「だから、必ずいつか誰かに助けてもらわなくてはならないことをあんたは知っている。その意識が、オレとあんたの差を生む。つまり、あんたはオレになりきれない、オレの同類」
……一理ある。
私は女だから、アカギみたいな生き方はできない。だから虚栄を張ったり、自己演出をしたりするわけだけど、それじゃあアカギと同じ領域にはたどり着けない。心のどこかで、自分が初めから不利だという風に考えてしまうからだ。最終的には女の武器を使わざるを得なくなることもある。アカギはそんなことしない。
アカギは口を開いた。
「それでも、あんたの生き方は面白いと思った」
「え?」
耳を疑う。アカギにそこまで褒められるような生き方をしているつもりはない。
「決め手は、あんたが負けを認めたとき」
「あ、あれは……」
風俗に堕ちて命さえも取られるという時に私が最後の誇りをかけて言った、アカギへの感謝の言葉。今考えると少し恥ずかしい。
「あんたはオレが今まで見た中で最も美しく強い女だった」
アカギは目を逸らした。
「だから、とにかくあんたが欲しかった」