8.変化
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アカギは淡々と説明した。
「あんたがオレに惚れていることを認めたら、東雲の負け」
……それはなんとなく、分かる。
「じゃあ、あなたはどうやったら負けるの? それに、私だって負けたくないんだから、私はいつまで経っても認めないに決まってる」
「それもそうだ。……とりあえず、オレが負ける条件だけど」
アカギはそう言って、麻雀ケースを手に取り、その中のサイコロを2つ握り締めた。
「まぁ、これでいいでしょ」
「それを……どうするの?」
「丁半。知ってるでしょ」
アカギは両方のサイコロを転がした。
出目は、2と4。
2+4=6。偶数なので、これは丁だ。
「もちろん、知ってる」
私はサイコロを見ながら呟いた。ふつふつと賭博欲が沸き立つのが自分でも分かる。
「それで、あんたが、数ヶ月ごとに1回、このサイを振る」
アカギは、そう言った後に、
「まぁ、この期間はどれくらいの間隔でもいい。とにかく、一定期間ごとに定期的に振る。その期間は後で決めればいい」
と付け足し、続けた。
「そしてオレが、丁半を言い当てられなかったら負け。この勝負は終了。で、もし当たれば、勝負は続行する。次にサイを振るのはまた一定期間後」
つまり、私がアカギに惚れてることを認める、もしくは、定期的に行われる丁半博打でアカギが負ける。その、どちらかが起こるまで、この勝負は続くということ。
「……なるほどね」
「そしてもし、オレが丁半を外した時には、東雲に2つの選択肢が与えられる」
「選択肢?」
「まぁ、それはその時に言うよ。今言っても仕方のないことだしね。ただ、あんたの選択によっては、丁半を外した時のオレの負けがひっくり返る可能性があるってことは覚えておきな」
「ん、分かった」
「理解が早くて助かるよ」
「でも、これじゃあやっぱり私が有利すぎない? なんて言ったって、私は認めなきゃいい話なんだから」
そう。実際惚れているかどうかは別として、私は絶対、自分が惚れているなどとは口に出さない。それが勝負になっているのなら、ますますそうだ。
「そうかな」
アカギは面白そうに言った。
「つまり、オレがあんたを本気で惚れさせにかかるってことだけど」
……ん?
「それでも絶対に、あんたはオレに落とされちゃいけないんだ。……できる?」
挑発的にアカギが片眉を吊ったので、私は顎をくいっとあげて、高々に言った。
「そんなのお茶の子さいさい。その勝負、受けて立ちます」
ここまで来て、勝負を受けないとなれば、それこそ私の面目は丸つぶれだ。
アカギはサイコロを静かに置いて、言った。
「流石オレの女なだけはある。じゃあ早速、最初のサイを振ってもらおうか」
「あんたがオレに惚れていることを認めたら、東雲の負け」
……それはなんとなく、分かる。
「じゃあ、あなたはどうやったら負けるの? それに、私だって負けたくないんだから、私はいつまで経っても認めないに決まってる」
「それもそうだ。……とりあえず、オレが負ける条件だけど」
アカギはそう言って、麻雀ケースを手に取り、その中のサイコロを2つ握り締めた。
「まぁ、これでいいでしょ」
「それを……どうするの?」
「丁半。知ってるでしょ」
アカギは両方のサイコロを転がした。
出目は、2と4。
2+4=6。偶数なので、これは丁だ。
「もちろん、知ってる」
私はサイコロを見ながら呟いた。ふつふつと賭博欲が沸き立つのが自分でも分かる。
「それで、あんたが、数ヶ月ごとに1回、このサイを振る」
アカギは、そう言った後に、
「まぁ、この期間はどれくらいの間隔でもいい。とにかく、一定期間ごとに定期的に振る。その期間は後で決めればいい」
と付け足し、続けた。
「そしてオレが、丁半を言い当てられなかったら負け。この勝負は終了。で、もし当たれば、勝負は続行する。次にサイを振るのはまた一定期間後」
つまり、私がアカギに惚れてることを認める、もしくは、定期的に行われる丁半博打でアカギが負ける。その、どちらかが起こるまで、この勝負は続くということ。
「……なるほどね」
「そしてもし、オレが丁半を外した時には、東雲に2つの選択肢が与えられる」
「選択肢?」
「まぁ、それはその時に言うよ。今言っても仕方のないことだしね。ただ、あんたの選択によっては、丁半を外した時のオレの負けがひっくり返る可能性があるってことは覚えておきな」
「ん、分かった」
「理解が早くて助かるよ」
「でも、これじゃあやっぱり私が有利すぎない? なんて言ったって、私は認めなきゃいい話なんだから」
そう。実際惚れているかどうかは別として、私は絶対、自分が惚れているなどとは口に出さない。それが勝負になっているのなら、ますますそうだ。
「そうかな」
アカギは面白そうに言った。
「つまり、オレがあんたを本気で惚れさせにかかるってことだけど」
……ん?
「それでも絶対に、あんたはオレに落とされちゃいけないんだ。……できる?」
挑発的にアカギが片眉を吊ったので、私は顎をくいっとあげて、高々に言った。
「そんなのお茶の子さいさい。その勝負、受けて立ちます」
ここまで来て、勝負を受けないとなれば、それこそ私の面目は丸つぶれだ。
アカギはサイコロを静かに置いて、言った。
「流石オレの女なだけはある。じゃあ早速、最初のサイを振ってもらおうか」