1.出会い
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ふと、先程目が合った時を思い出す。
必死にこっちに食らいつくような態度を取っていたが、敵意そのものはあまり感じられなかった。
そして、すれ違う瞬間の余裕を見せつけるかのようなあの笑み。
(オレに対しての単純な興味? あの女は確かに、オレとの勝負を望んでいた……)
声を掛けてくるのかと思えば、そうではなかった。つまり、今日ではない、別の日にいつか勝負を仕掛けてくるということだ。
あの女は必ず勝負に来る。
その時は、拒まない。
そして、あの笑みを消す。
卓についても、まだ九尾の話をしている男達。
アカギは既に低レート麻雀をする気は失せていた。普段のアカギなら、こんな雀荘に入ることもなかっただろう。だがこの日だけは違った。
ただふと、入る気になったのだ。
今はもうここにいる意味を感じない。
天が2人を巡り合わせたのだと、そうとしか考えられなかった。なるほど、だったら少しは面白いことになるかもしれないな。適当に打ち回していた彼は密かに、勝負への熱を燻ぶらせていた。
「あんたももう少し早く来れば、九尾と話せたのにな。」
アカギは何も答えない。
「もしかして、女に興味がないのか?」
男が本気で不思議がっていたので、口に笑みを浮かべて応えてやる。
「興味がないなんてことはない」
「まぁ、そうだよな。あんたは女が寄ってきそうな風体してるしよ」
「……へぇ」
アカギは今まで自分が女にどう見られているかなどは、気にも留めていなかった。
特定の女は作らなかったし、その必要はないと感じていた。何故なら勝負事が彼にとっての全てだったからだ。
「そういや九尾ちゃんも、麻雀牌が恋人だとか言ってたよなァ」
「九尾が?」
初めてアカギが意外そうな表情を見せた。
確かにこんな女は、類を見ないだろう。東雲舞美とやらがオレと勝負をしたがるのも分かる。狐も飽いているんだ。しかし女だから対局の誘いも来ず、賭場を荒らし悪名高くなることしかできない。そこで裏の世界にハマるうち、自分の存在を知ったのだろう、と合点がいく。
「つまり、男はいないってことだろ。だったら俺も、東雲と一発ヤりてぇな。あんたもそう思った、違うか?」
アカギは面倒だと感じつつ、とりあえず「まぁね」と答えておいた。
実際、一度は抱いてみたいと思ったのかもしれないし、いつものように流しただけかもしれない。アカギは自分でもよく分からなかった。
とにかく、名前は覚えておこう、と思った。
「九尾狐、東雲舞美、か。」
必死にこっちに食らいつくような態度を取っていたが、敵意そのものはあまり感じられなかった。
そして、すれ違う瞬間の余裕を見せつけるかのようなあの笑み。
(オレに対しての単純な興味? あの女は確かに、オレとの勝負を望んでいた……)
声を掛けてくるのかと思えば、そうではなかった。つまり、今日ではない、別の日にいつか勝負を仕掛けてくるということだ。
あの女は必ず勝負に来る。
その時は、拒まない。
そして、あの笑みを消す。
卓についても、まだ九尾の話をしている男達。
アカギは既に低レート麻雀をする気は失せていた。普段のアカギなら、こんな雀荘に入ることもなかっただろう。だがこの日だけは違った。
ただふと、入る気になったのだ。
今はもうここにいる意味を感じない。
天が2人を巡り合わせたのだと、そうとしか考えられなかった。なるほど、だったら少しは面白いことになるかもしれないな。適当に打ち回していた彼は密かに、勝負への熱を燻ぶらせていた。
「あんたももう少し早く来れば、九尾と話せたのにな。」
アカギは何も答えない。
「もしかして、女に興味がないのか?」
男が本気で不思議がっていたので、口に笑みを浮かべて応えてやる。
「興味がないなんてことはない」
「まぁ、そうだよな。あんたは女が寄ってきそうな風体してるしよ」
「……へぇ」
アカギは今まで自分が女にどう見られているかなどは、気にも留めていなかった。
特定の女は作らなかったし、その必要はないと感じていた。何故なら勝負事が彼にとっての全てだったからだ。
「そういや九尾ちゃんも、麻雀牌が恋人だとか言ってたよなァ」
「九尾が?」
初めてアカギが意外そうな表情を見せた。
確かにこんな女は、類を見ないだろう。東雲舞美とやらがオレと勝負をしたがるのも分かる。狐も飽いているんだ。しかし女だから対局の誘いも来ず、賭場を荒らし悪名高くなることしかできない。そこで裏の世界にハマるうち、自分の存在を知ったのだろう、と合点がいく。
「つまり、男はいないってことだろ。だったら俺も、東雲と一発ヤりてぇな。あんたもそう思った、違うか?」
アカギは面倒だと感じつつ、とりあえず「まぁね」と答えておいた。
実際、一度は抱いてみたいと思ったのかもしれないし、いつものように流しただけかもしれない。アカギは自分でもよく分からなかった。
とにかく、名前は覚えておこう、と思った。
「九尾狐、東雲舞美、か。」