6.追跡
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私が呟いた、その時。
ガンッ。
目の前に迫ってきた男の頭に何かがぶつかった。
「うっ……!」
男は頭を抑えて、その場に膝をついた。
物が飛んできた方に目を向けると。
「アカギっ……」
白い髪の、あなたがいた。
来て、くれたんだ……。
私のために?
「オレの女に、何してる」
私はさっきとは別の涙がこぼれた。
「で、出たぞ! 赤木しげるだ!」
周りの男たちは私に見とれていたせいか、後ろからやってきたアカギへの反応が遅れた。
アカギはその隙に蹴って殴って吹っ飛ばして。
喧嘩が強いというのは本当だったみたい。
ようやく武器を取り出した連中も、あまりの事態に慌てていて、味方同士がゴチャゴチャと連なってしまっている。戦い方が下手くそ。
アカギはそこを突いて、互いを相討ちさせるような形で刃向かっていった。それは成功したようで、数だけが取柄だったこの頭の悪いチームの形勢は、すぐに不利になった。
それを見て、敵わないと思ったのだろう、武器を置いて逃げていく馬鹿が増える。気の弱い男たちは、こうして居なくなった。
これは私の推測だが、私の身体が目当てで集った者たちが多く、ゆえに、実際にアカギに来られると戦う意志が消え失せ、その結果、チームはバラバラになったのだ。
「さて、残るはあんた1人か」
アカギは雑魚を蹴散らし、ただ1人に狙いを定める。
私の元で膝をついた、この男。
どうやら主犯格っぽい。
しかし、その男は急に立ち上がると、私を柱から離した。そして、シャツの中から銃を取り出し、私の頭に突きつけた。
「……っ!」
恐怖に足がすくむ。
私は今まさに、人質なのだ。
男は勝利を確信した笑みを浮かべた。
そして、少しずつアカギと距離を取った。
「残念だったな、俺も手に入れたんだよ。復讐のためにな」
アカギは動きを止め、少し私の方へ視線を彷徨わせた後に、男を睨みつけた。
「復讐?」
私はアカギを見ずに、地面に目を向ける。
「ああ、覚えてんだろ。始まりはあのチキンレースだよ!」
「あぁ、あの時のねぇ」
アカギは、時間を稼いでくれている……?
私は必死に、あるものを探した。
頭に銃身が突きつけられているし、身体にロープが巻きつけられていて うまく身動きが取れないが、柱にくくりつけられている時よりは随分自由に体を動かせる。
私はアカギに目配せをした。
“見つけたよ”
……伝わった、かな。
「でも、あんたって変わらないんだな」
アカギはせせら嗤いながら続けた。
「臆病者」
「な、何をっ⁈」
「復讐がしたいんなら、その銃はオレに向けるべきでしょ。その女じゃなくてさ。だって、あんたの怒りはオレに対してのものなんだから」
「てっ、てめぇ!」
アカギの挑発に激情した瞬間、私を拘束していた男の腕が緩んだ。
今だ!
私は、落ちていた私の護身用ナイフを、アカギに向かって思い切り蹴った。
ガンッ。
目の前に迫ってきた男の頭に何かがぶつかった。
「うっ……!」
男は頭を抑えて、その場に膝をついた。
物が飛んできた方に目を向けると。
「アカギっ……」
白い髪の、あなたがいた。
来て、くれたんだ……。
私のために?
「オレの女に、何してる」
私はさっきとは別の涙がこぼれた。
「で、出たぞ! 赤木しげるだ!」
周りの男たちは私に見とれていたせいか、後ろからやってきたアカギへの反応が遅れた。
アカギはその隙に蹴って殴って吹っ飛ばして。
喧嘩が強いというのは本当だったみたい。
ようやく武器を取り出した連中も、あまりの事態に慌てていて、味方同士がゴチャゴチャと連なってしまっている。戦い方が下手くそ。
アカギはそこを突いて、互いを相討ちさせるような形で刃向かっていった。それは成功したようで、数だけが取柄だったこの頭の悪いチームの形勢は、すぐに不利になった。
それを見て、敵わないと思ったのだろう、武器を置いて逃げていく馬鹿が増える。気の弱い男たちは、こうして居なくなった。
これは私の推測だが、私の身体が目当てで集った者たちが多く、ゆえに、実際にアカギに来られると戦う意志が消え失せ、その結果、チームはバラバラになったのだ。
「さて、残るはあんた1人か」
アカギは雑魚を蹴散らし、ただ1人に狙いを定める。
私の元で膝をついた、この男。
どうやら主犯格っぽい。
しかし、その男は急に立ち上がると、私を柱から離した。そして、シャツの中から銃を取り出し、私の頭に突きつけた。
「……っ!」
恐怖に足がすくむ。
私は今まさに、人質なのだ。
男は勝利を確信した笑みを浮かべた。
そして、少しずつアカギと距離を取った。
「残念だったな、俺も手に入れたんだよ。復讐のためにな」
アカギは動きを止め、少し私の方へ視線を彷徨わせた後に、男を睨みつけた。
「復讐?」
私はアカギを見ずに、地面に目を向ける。
「ああ、覚えてんだろ。始まりはあのチキンレースだよ!」
「あぁ、あの時のねぇ」
アカギは、時間を稼いでくれている……?
私は必死に、あるものを探した。
頭に銃身が突きつけられているし、身体にロープが巻きつけられていて うまく身動きが取れないが、柱にくくりつけられている時よりは随分自由に体を動かせる。
私はアカギに目配せをした。
“見つけたよ”
……伝わった、かな。
「でも、あんたって変わらないんだな」
アカギはせせら嗤いながら続けた。
「臆病者」
「な、何をっ⁈」
「復讐がしたいんなら、その銃はオレに向けるべきでしょ。その女じゃなくてさ。だって、あんたの怒りはオレに対してのものなんだから」
「てっ、てめぇ!」
アカギの挑発に激情した瞬間、私を拘束していた男の腕が緩んだ。
今だ!
私は、落ちていた私の護身用ナイフを、アカギに向かって思い切り蹴った。