20.狐日和[終]
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「ん……」
私は無言のまま、ベッドに腰掛けているアカギの隣に行き、甘えるように擦り寄った。
「なに」
アカギの口角が少し上がる。
「ああ。そう言や、襲われたいんだっけ」
うっ。
「そ、それも……なくはない、けど」
アカギをチラチラ伺いながら、私はどもった。
「アカギと一緒にいるだけで嬉しいっていうか」
「フフ……それだけでいいの?」
「あ、最終的には、私に惚れたって言わせてやるの」
私はアカギの身体を 肩でぐいぐいと押してから笑った。アカギは「それは結構なことだ」とかなんとか言って、私の髪を梳 いた。
「私の髪すきなんでしょ」
「うん、綺麗」
「声もすきって言ってなかった?」
「ああ、あんたの声は……興奮する」
「私の匂いもすき?」
「うん」
アカギはスン、と鼻を鳴らした。
「この匂いがいちばんいい」
とても嬉しいけれど、アカギから「すき」だという言葉を引き出すのは 難しい。
「私のこと、すきって言えばいいのに」
ぼそっと言うと、アカギはクスクス笑った。
「あんたがそんな言葉1つに必死になるなんてね」
私は、たしかにそうだと肩をすくめる。
「他の人ならこんなことにはならないと思う。あなただからこそ、その言葉を言わせることに意味があるの」
言ってみれば、これは私の勝負なんだから、と付け加える。アカギは、勝負か、と呟いた。
「アカギ、私のことすき?」
笑いながらダメ元で聞くと、案の定アカギは答えずに、そのまま顔を寄せてきた。
至近距離でゆっくりとお互いを見つめ合い、それから相手の唇に目を落とす。そうなればもうすることは1つしかなくて、まぶたを閉じてからその距離を詰めてあとは感覚に酔いしれる。
「んっ……」
はむはむと唇を食まれて、恥ずかしい。薄眼を開けると、アカギはしっかり目をつむっている。私が目を開けるとアカギもいつも瞳を合わせてくるもんだから、そんな彼が今回目をつむっていることがなんだか珍しくて興奮した。
そんなわけで油断していると、それをたしなめられるように唇の隙間から入ってくる彼の長い舌。私はそれに蹂躙されつつ、自分もねっとりと絡めていく。離れたくない。その一心で、私がアカギの手に指を絡ませると、いつの間にか後頭部に添えられていたアカギの手の力が、少しだけ強まった気がした。
私は無言のまま、ベッドに腰掛けているアカギの隣に行き、甘えるように擦り寄った。
「なに」
アカギの口角が少し上がる。
「ああ。そう言や、襲われたいんだっけ」
うっ。
「そ、それも……なくはない、けど」
アカギをチラチラ伺いながら、私はどもった。
「アカギと一緒にいるだけで嬉しいっていうか」
「フフ……それだけでいいの?」
「あ、最終的には、私に惚れたって言わせてやるの」
私はアカギの身体を 肩でぐいぐいと押してから笑った。アカギは「それは結構なことだ」とかなんとか言って、私の髪を
「私の髪すきなんでしょ」
「うん、綺麗」
「声もすきって言ってなかった?」
「ああ、あんたの声は……興奮する」
「私の匂いもすき?」
「うん」
アカギはスン、と鼻を鳴らした。
「この匂いがいちばんいい」
とても嬉しいけれど、アカギから「すき」だという言葉を引き出すのは 難しい。
「私のこと、すきって言えばいいのに」
ぼそっと言うと、アカギはクスクス笑った。
「あんたがそんな言葉1つに必死になるなんてね」
私は、たしかにそうだと肩をすくめる。
「他の人ならこんなことにはならないと思う。あなただからこそ、その言葉を言わせることに意味があるの」
言ってみれば、これは私の勝負なんだから、と付け加える。アカギは、勝負か、と呟いた。
「アカギ、私のことすき?」
笑いながらダメ元で聞くと、案の定アカギは答えずに、そのまま顔を寄せてきた。
至近距離でゆっくりとお互いを見つめ合い、それから相手の唇に目を落とす。そうなればもうすることは1つしかなくて、まぶたを閉じてからその距離を詰めてあとは感覚に酔いしれる。
「んっ……」
はむはむと唇を食まれて、恥ずかしい。薄眼を開けると、アカギはしっかり目をつむっている。私が目を開けるとアカギもいつも瞳を合わせてくるもんだから、そんな彼が今回目をつむっていることがなんだか珍しくて興奮した。
そんなわけで油断していると、それをたしなめられるように唇の隙間から入ってくる彼の長い舌。私はそれに蹂躙されつつ、自分もねっとりと絡めていく。離れたくない。その一心で、私がアカギの手に指を絡ませると、いつの間にか後頭部に添えられていたアカギの手の力が、少しだけ強まった気がした。